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ナギは本当に一緒に風呂に入っていいのかとドキドキしてしまう。
こんな風に感じるのはヒロインだけだ。
今まで誰かにこんなに胸が鳴る事なんて一度もない。
なのにヒロインに対しては、何度も新鮮な想いを抱いてしまう。
ナギ
「入るぞ」
ヒロイン
「あ…うん…」
そっとドアを開けると、バスタブに浸かったヒロインがいた。
膝を抱えて、小さく丸まっている。
(だからそんな可愛い事すんなって…)
そんなに恥ずかしいのに、誘ってくるなんて…
ナギは体が反応してしまいそうになる。
腰に巻いていたタオルを外して、ザッとシャワーを浴びるとバスタブに入った。
向かい合わせにいる2人。
さすがのナギもなんだか照れてしまう。
ヒロイン
「ね…ナギは昨日、私と別れてからどこにいたの?」
ナギは細いヒロインの肩や、蒸気してほんのりピンク色に染まっている頬を
ぼんやり眺めていた。
ヒロイン
「ナギ?」
ナギ
「あ? あ…なんだ?」
ヒロイン
「大丈夫? 疲れてる…よね?」
ナギ
「疲れてねぇよ なんだよ?」
ヒロイン
「あ…だから、ナギは昨日の夜どうしてたの?」
ナギ
「お前と別れた後、街ん中歩いて酒場に入ったりしてた…
オレがいる部屋にお前帰ってきたくないって思ったからな…」
ヒロイン
「…宿にいなかったの?
私帰った時は部屋にいたのに…」
ナギ
「一度帰ったら、お前が戻ってないって聞いて
探してたら船長と抱き合ってた…
そのまま宿に戻って寝てた。」
ヒロイン
「抱き合ってたって! 違うよ…」
ヒロインはリュウガとも話をしなくてはと思っていた。
リュウガはキツイ一言を言ってきたが、人から言われて初めて分かった、
自分がナギに寄り掛かっていた事。
ナギ
「ま…そんなトコだ…」
ヒロイン
「え!? じゃナギも寝てないの?」
ナギ
「まぁな…風呂出たら、寝ないとな?」
ヒロイン
「うん…ナギ、本当にごめんね?」
ナギ
「謝るなって…オレも悪かった。
お前を手放して、ものすごく後悔した。」
ヒロインはナギを見つめた。
濡れた前髪をグッと後ろに掻きあげる。
何でもないその動作に、ヒロインの胸はキュンと疼いた。
いつもバンダナを巻いていて、外しただけでもドキドキするのに
額が出てるナギは、ものすごく色気があってかっこいい。
ナギ
「あ?」
ヒロイン
「あ…なんか…もうナギとこうして話できるなんて思わなかったから
夢じゃないかって…なんか信じられないっていうか…」
ナギ
「こんなに傍にいるのにか?」
ヒロイン
「だっだって、もうナギと一緒にいれないって思ったから…」
ナギも一番言いたくない言葉を言った事に、ダメージを受けている。
それを聞かされたヒロインは、もっとだろう。
ヒロインの為を思ってとはいえ、もう二度と言うまいと心に誓うナギ。
ナギ
「…こっち来いよ」
ヒロイン
「うん…」
ナギはヒロインを後ろからギュッと抱きしめた。
ナギ
「まだ信じられないか?」
ヒロイン
「ふふっうーうん、ナギだ…ね?クスクス」
ヒロインは突然笑いだした。
ナギ
「あ? なんだよ?」
ヒロイン
「ナギにこうやって抱っこされると分かるの…ふふっ」
ナギ
「?」
ヒロイン
「ナギに包まれてるって…船長の言う通りだった…
ナギはいつも私の事、こうやって抱きしめてくれてた…
それだけでいつも安心してたの…嬉しかったの…」
ヒロインの表情は見えないが、抱いている体が
自分を求めるように、グッと近づく。
ナギ
「お前これ以上くっつくな…」
ナギは理性を総動員して、ヒロインを抱きしめているが
もう限界に達する寸前だ…
ヒロイン
「ナギ…」
ヒロインが振り返るなり、チュッと唇にキスをしてきた。
ヒロイン
「大好き」
可愛く笑うヒロインに、ナギは完全にやられてしまった。
ナギ
「オレも…」
ナギが目を見てこんな事言ってくれるなんて…
ヒロインは、胸がドキドキと高鳴る。
そしてナギの顔が近づく。
ヒロインはそっと目を閉じると、唇が重なった。
ナギが自分の気持ちを確かめるように、舌を絡めながら
何度も何度も角度を変えてキスをする。
ヒロイン
「ん…ダ…メ…はぁ…」
ナギ
「うるせぇ…チュッ」
ヒロイン
「…はぁ…寝れなくなっちゃう~~~!」
そう言われナギの動きがピタッと止まる。
ナギ
「…もう寝かせねぇつもりだけど?」
ヒロイン
「!!?」
ナギはザバッと立ち上がると、腰にバスタオルを巻き
バスタブに座っているヒロインを立たせると
ふわっとバスローブを着せて抱き上げた。
ヒロイン
「ナギ…ホントに…するの?」
ナギ
「あ? いやなのかよ?」
ポスッとベッドへ座らせるナギ。
見上げるとナギの引き締まった体に、水滴がしたたっている。
なんだかそれだけで胸がキュッと締めつけられる。
ヒロイン
「そうじゃないんだけど…まだ明るいし…」
恥ずかしそうに視線を逸らすヒロイン。
バスローブから出る足や、濡れた髪…
無理やりにでもしてしまおうかと、欲情が沸いてくる。
ヒロイン
「…ナギ…?」
ここまでその気にさせといてしないのか…? ナギはタメ息をついた。
ナギ
「…はぁ…お前…ホントすげぇ女だな…」
ナギは諦めてベッドへ横になった。
ナギ
「ほら、寝るんだろ?」
左腕を伸ばし、呼んでくる。
ヒロインは、ナギの優しさに微笑んでしまう。
そっと寝転がると、ナギが布団を掛け
ギュッと抱きしめてくれた。
ヒロイン
「ナギ、そのままで平気?
何か着ないと風邪ひいちゃうよ?」
ナギ
「…平気だ…お前とくっついてれば…」
ナギの体温を感じ、心地よい温かさに包まれる。
ナギと元の関係に戻れた…。
もう不安になんて思わない、今こうしてる事を幸せに思おう。
ヒロインはそう思うと、疲れきっていたせいか
あっという間に眠りに落ちてしまった。
・・・・・・・・・・・・・・
目が覚めるとナギがいなかった。
ヒロインはモソッとベッドから起き上がった。
ヒロイン
「ナギ…?」
ナギ
「起きたか?」
窓際のソファーで本を読んでいたのか、パタッと本を閉じ
ベッドの縁へと座るナギ。
ヒロイン
「…どっか行っちゃったかと思った…」
コテッとナギの肩にもたれるヒロイン。
ヒロイン
「夢じゃなくてよかった…」
ナギ
「ヒロイン…」
まだ起きがけのぼんやりとした目で見つめるヒロイン。
ナギは肩に手を回し、そっと抱きしめた。
ヒロイン
「…今…何時?」
ナギ
「もうすぐメシの時間だ、起きれるか?」
ヒロイン
「ん…ナギは寝れた?」
ナギ
「あぁ…お前が起きる少し前に起きた」
ヒロインはふわっとあくびをして、眠い目をこすりながら
ナギの腕から抜けだした。
ヒロイン
「ご飯ってどっか食べ行くのかな?」
ナギ
「さぁな…部屋出たら誰かに聞けばいい」
ヒロイン
「うん、着替えるね…あっそうだ!
ナギ…これまたつけてくれる?」
ベッド横のテーブルに置いてあった雪の結晶のピアスを手の平に置いた。
ナギ
「こっちこい」
傍に行くと、思いの外近い距離な事にドキドキしてしまう。
ナギの目線は耳に行っているのに、ヒロインはナギに見とれていた。
ナギ
「…やりずらい…」
ヒロイン
「!? ふふっ…ごめんなさい…」
耳元でパチッとピアスのハマる音がした。
「ありがとう」とお礼を言おうとすると、ナギの手がそっと頬を包んだ。
ナギ
「…もう外すなよ?」
ヒロイン
「うん!」
ナギ
「…ふっ、いい返事…」
ナギの優しい笑顔が浮かぶと、そのまま唇が触れた。
ナギ
「早く着替えろ。 またオレに我慢させる気か?」
ヒロイン
「?! あ…えと…またお部屋帰ってきたら…してね?」
ナギ
「!?」
そう言って恥ずかしそうに着替えを持って、バスルームに駆け込むヒロイン。
ナギはまたしても体が疼いてしまう。
なるべくヒロインのかわいい表情を思い出さないように
ナギも立ち上がり、クローゼットに掛けた
コートを取り出した。