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コンコン
ヒロイン
「船長…入ります」
ナギが部屋を出てから、ヒロインは悩ませている張本人に
直接聞いてみようと、リュウガの部屋へと乗り込んだ。
リュウガ
「んぁ?」
リュウガはのん気にアイマスクをして、机に足を放り出し
のけぞるように椅子に座り、眠り込んでいた。
ヒロイン
「船長! 起きてください!」
リュウガ
「ん…? どうした?」
眠そうにアイマスクを外すと、複雑な表情をしているヒロインが立っていた。
ヒロイン
「船長…教えてください。
どうしてそんなに…女の人としたいんですか?」
リュウガ
「あぁん??!」
起きがけに何を聞いてくるのかと思えば、とんでもない言葉が飛び出した。
リュウガ
「お前何言ってんだ?」
ヒロイン
「なんでひとりの女の人じゃダメなんですか?
なんでいつも違う女の人なんですか?」
泣いてしまうのではないかと思うくらい顔をしかめながら
必死に話すヒロイン。
リュウガ
「落ち着けって…何が何だかよく分かんねぇよ…」
リュウガはちゃんと座り直すと、ヒロインの話を聞いた。
ヒロイン
「…男の人って色んな女の人としたいって聞きました。
船長も…そうですよね…?
それってナギもそのうちそうなりますか?」
リュウガはそういう事かとタメ息をついた。
つまりナギがずっと自分の事を好きでいてくれるか不安なのだろう…。
リュウガは少し分からせてやろうと
意地の悪い笑みを浮かべて、ヒロインの傍へと近寄った。
リュウガ
「…なんでオレが色んな女とすると思う?」
ヒロインは近づいてくるリュウガに、少し警戒心を抱いた。
ヒロイン
「そ…それを知りたいんです!」
リュウガ
「…教えてやるよ…」
ヒロイン
「きゃあ!」
ドンッとリュウガに肩を押され、そのまま後ろにあるベッドへと倒れてしまった。
すぐに起き上がろうとするが、リュウガがすぐに上に乗り
両手を押さえつけられた。
ヒロイン
「船長!何をっ!!」
リュウガ
「知りたいんだろ?」
リュウガの顔が近づく。
リュウガ
「理由なんてひとつしかねぇよ…
10人いりゃあ、10人違うセックスなんだよ!
胸がデカイヤツもいれば、アソコがキツイヤツもいる…
そんな女を楽しみたいからだよ!!」
ヒロイン
「!? そ、それが理由ですか??」
リュウガ
「そうだよ…お前だって考えてみろよ…
お前はナギしか知らないんだろ?
もっとモノがデカイ男もいれば、もっと気持ちよくさせてくれる男もいる…
知りたいと思わねぇか?」
リュウガの舌がススッと頬をなぞる。
ヒロイン
「!! や、やめてください!!
そんな事思いません! ナギだけでいいんです!」
リュウガ
「あーん? オレと一度したらナギなんか忘れるくらい気持ちよくさせてやるよ…
ほらしたくなってきただろ?」
リュウガはヒロインの首筋にキスをする。
ヒロイン
「んっ! せ…ちょ…いやっ」
ちょっと脅しのつもりで始めたリュウガだが、
こんなに可愛い反応をされるとなんだか盛り上がってしまう。
(なんつーエロイ顔してやがる)
リュウガ
「…オレの気持ち分かったか?」
ヒロイン
「!!」
リュウガに首筋を舐められ、体がゾクゾクと反応してしまった。
ナギ以外の男にもしっかり体は反応してしまうのだ。
ヒロイン
「わ、分かりません!! そんな感情、分かりません!」
リュウガ
「…そうかよ…これ以上したらお前…オレの事欲しくなるぞ…」
リュウガはこのまま襲ってしまいそうに
下半身に血が集まる。
ヒロイン
「もし…そうなったとしても、気持ちはナギに向いたままです!!」
そう言われ、リュウガはあっけにとられてしまった。
そして思わず笑ってしまった。
リュウガ
「ふ、くははっ…お前もしっかりオレの気持ち分かってるじゃねぇか…」
ヒロイン
「え?」
リュウガ
「え?じゃねぇよ、しっかり言っただろ?
気持ちはナギに向いてても、体はオレが欲しくなるって…
まぁ極端かもしれないが、そんなトコだ…男なんて…」
ヒロイン
「…じゃぁナギも、気持ちは私にあっても
体が他の女の人に向いたらしちゃうってことですか?」
リュウガ
「…そこで理性が勝つか欲が勝つか…だな…」
そういうとリュウガは拘束していた手を離し
ヒロインの上から立ち上がった。
ヒロインはショックで起き上がれない。
リュウガはそんなにもナギが好きなのかと、少し嫉妬心が疼き
なおもヒロインを責める言葉を言った。
リュウガ
「しかし…お前は重い女だな?」
ヒロイン
「え?」
リュウガ
「ナギが自分をずっと好きでいてくれるか不安だからそんな事が気になるんだろ?
毎日ナギに私の事好き?とか聞いてんのか?」
ヒロインは慌てて飛び起きた。
ヒロイン
「そんな事してません!」
リュウガ
「今日も好きでいてくれた…でも明日は?なんて
重いんだよ…
そんな事いちいち言葉に出さねぇと分かんねぇのかよ?」
ヒロイン
「!?」
リュウガに言われてハッとした。
そこまでの事をしてはいないが、ナギにそうやって確かめた事はある。
雪の結晶のピアスをくれた時、不安でナギに問い詰めてしまった。
リュウガ
「そんな事ばっか言ってたら、他の女の方がいいって思うに決まってんな!
他のヤツとやりたい以前に、お前の気持ちが重過ぎんだよ…
ま、ナギに捨てられたらオレが可愛がってやってもいいぞ?」
リュウガはニヤリと笑う。
ヒロインは胸が張り裂けそうに痛み、泣き出す前にリュウガの部屋を飛び出した。
少し言い過ぎたかとリュウガは思ったが
このくらいの意地悪をしても、いいだろうと
襲わずに理性を勝たせた自分に言い聞かせた。
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部屋を飛び出したヒロインは、廊下を走りながら
ついに泣き出してしまった。
ナギも言っていた。
人の気持ちに「答え」なんてないって…
「今好き」だけじゃだめかって…
それだけで十分なのに、ナギを束縛しようとしていた。
絶対に一緒にいてくれるって、ナギは他の男の人とは違うって思いたかった。
リュウガの言う通り、今の自分は「重い」だけだ。
ヒロインはいつの間にかナギに依存していた自分に気付く。
ナギがいなくなったら、自分に何もなくなってしまうのではないかと
怖かったのだ。
ナギと付き合う前はそんな事思った事がない。
なんとかして自分の力で生き抜いて、ヤマトへ帰るんだと自分の足で立っていたのに
ナギに守ってもらううちに、それが当たり前になっていたんだ…と
ヒロインは部屋に着くなり、泣き崩れてしまった。
ナギが相想を尽かしてもおかしくない。
自分でしてきたここ数週間の行動や気持ちに
とても後悔した。
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しばらくして、ようやくリュウガから指令が出て
港へと入港したシリウス号。
お宝情報の調達の為、数日停舶する事となった。
宿も決まり、夕食の時間まで自由行動となり
船を降りてから一言も話さなかったナギとヒロインは
賑わう街をぶらぶらと歩いていた。
元気のないヒロインを見て、ナギは自分といるのが辛いのかと勘違いしてしまう。
ヒロインもまた、何も話してこないナギに
リュウガに言われた通り
重い女と思い、嫌いになってしまったのだろうと沈んでいた。
ナギ
「…お前さ…オレといて楽しいか?」
ヒロイン
「え?」
ナギ
「もう…無理しなくていいぞ…」
ヒロイン
「な…に…?」
ヒロインの胸は大きく音を立てて鳴る。
ナギは何を言おうとしているのか?
不穏な空気が流れ、なんだか嫌な予感がする。
ナギ
「…オレ達…別れよう…」
ヒロイン
「な、何言ってるの? なんで急に…」
ナギ
「お前が幸せになるなら、オレは…」
ヒロイン
「? どういう事?私ナギの事!」
ナギ
「も…いいから、それ以上聞きたくねぇ…」
ナギはそう言うと背中を向けて人混みの中へと消えてしまった。
ヒロインは何が起こったのか理解できず、立ちつくしていた。
別れようって言われたの?
うそだよ… こんなに大好きなのに…!
ヒロインはポケットに手を入れて、ピアスを手の平に置いた。
溶けないって言ってたのに…
ジワリと涙が浮かび、ピアスが滲んでよく見えなくなった。
すると、ドンッと行き交う人とぶつかり
ナギにもらった雪の結晶のピアスが手の平から落ちた。
ハッとすぐに地面に座り込むが見つからない。
ヒロイン
「うそでしょ…ナギ…」
しゃがみ込んだまま、パタパタと涙が地面に落ちる。
ナギの溶けない気持ちが、どこかに消えてしまった。
全てが終わってしまったように思えた。