スノーフレーク
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
・・・・・・・・・・・・
ソウシ
「おはよう! 具合どう?」
ヒロイン
「ソウシさん!はい、もうすっかりよくなりました♪
ありがとうございます!」
食堂に一番乗りで現れたソウシは、まっさきにヒロインの所へ来た。
ソウシ
「良かった。 うん、顔色もいいね。
熱下がったんだよね?…まだ寒気する?」
マフラーをグルグル巻きにしているヒロインを見て、ソウシはおかしいな?とでも言うように首をかしげた。
ヒロイン
「あ…これは、えっと…またひいたら迷惑掛けちゃうので…」
しどろもどろ話すヒロインに、ソウシはそういう事かと
ふふっと笑った。
ソウシ
「そっか、でもまたひいたら
きっとナギがすぐ直してくれるよ」
ヒロイン
「え?」
チラリとナギを見るソウシの目が、全て分かっていると言わんばかりに語りかけてきた。
ナギ
「チッ…」
ヒロインはそんな事に気付かず、ソウシが席に着くのを見届けると
調理台の方へ向き直った。
ナギ
「…お前…そのマフラー…」
ヒロイン
「? おかしい?」
ナギ
「そうじゃない…」
ナギはそういうも、ヒロインにマフラーをしなくてはいけなくしたのは自分だと
これ以上何も言えなくなってしまった。
その後もシンやリュウガが現れると、マフラーへの突っ込みが入り
その後「なるほど」と、意味深な笑みを浮かべてナギを見つめてくる。
ナギは一切反応しなかったが、さすが苛立ってきていた。
次に入ってきたハヤテは、マフラーを冷やかしただけで
特に何も言わずに、テーブルに並んだ朝食をつまみ食いしている。
ナギ
「…トワのやつまだ来てないのか?」
ソウシ
「あれ?私が来る時、廊下ですれ違ったけどな」
ヒロイン
「あっ!私見てくる!」
ナギ
「!?」
ナギはその行動に少し驚いた。
昨日あれだけ気まずそうにしてたのに…
でもそれがヒロインらしくもあり、いつもの自然な流れであると思った。
キッチンのドアを開けると、食堂のドアの前で入りづらそうにしているトワが立っていた。
ヒロイン
「トワくん?おはよう!
入らないの?」
トワ
「わわっ!ヒロインさん!!」
突然のヒロインの登場に、トワは一生懸命いつも通りにしようと
気合を入れたところだったが、一気に崩壊してしまった。
ヒロイン
「? もうご飯できてるよ?」
トワ
「は…はい…」
ヒロインは昨日のままのトワの反応に、少しムッとした。
ヒロイン
「トワくん! 私、何かしちゃったかな…?
あの…そんなに嫌われるようなコトしたなら謝りたいし、
それでもダメなら、許してくれるまで話さないようにする…」
トワはその言葉を聞いて、慌てて顔を上げた。
トワ
「ち、違うんです!! あの嫌いなんて、そんな事ないんです!!
僕が…僕が…その…」
昨日ソウシに言われた通り、こんな言い方余計に心配させるだけだ。
トワはグッと唇を噛むと、いつものようにニッコリと笑った。
トワ
「ヒロインさん、僕ヒロインさんのコト大好きです!
だから嫌いなんてありえません!!
ずっと仲良しでいてください♡」
そういうとトワは食堂へと入っていった。
ヒロインはあんな可愛い笑顔と、甘い言葉を言われて
その場でぼんやりと立ちつくしてしまった。
いつものトワである事は変わりないが、今日はどうしたというのだろうか?
ナギ
「オイ、そこに突っ立てると運べねぇだろ?」
ヒロイン
「あっごめ…」
ナギはドアの向こうで一部始終聞こえていた。
完全にトワにノックアウトされているヒロイン。
ナギは両手が皿で塞がっていたが、意識が完全にトワに向いているヒロインにチュッとキスをした。
ヒロイン
「!? ナギ?」
ナギ
「トワで頭いっぱいにしてんじゃねぇよ!
早くドア開けろ!」
ナギにそう言われ、ヒロインは顔を赤くして食堂のドアを開けた。
ナギは何でもお見通しだと、ヒロインは「すいません」と小さな声でナギに謝った。
・・・・・・・・・・・・・・・
船が港に入ると、それぞれが昨日の衝撃で壊れてしまったものや
足りなくなった物を調達しに市場へ向かった。
シン
「…雪が降るな…」
ヒロイン
「ホントですか?」
シン
「あぁ、この雲の厚さと気温だったらもうすぐ降るぞ」
船を降りる前、シンが教えてくれた。
ヒロインは楽しみで、ナギと歩く市場の雑踏の中でも空ばかり見ていた。
ナギ
「アホ! ちゃんと前見て歩け!」
ナギにグイッと腕を引かれ、ハッと前をみると
お店の中へ突っ込んでしまう所だった。
ヒロイン
「あ…ごめんなさい。」
ナギ
「ったく… お前やっぱ船にいた方がいいんじゃないか?」
病み上がりの為、ソウシも外出を渋っていたが
外に出たいというヒロインに根負けして温かい格好をして、という条件の基
やっと外出が許可された。
ヒロイン
「私だって色々見たいんだもん!」
内側がボアになっているモッズコートと、船から巻いているマフラー。
手にはミトンの手袋。
厳重にも程があるぐらい着込んでいるヒロイン。
ナギはその姿が可愛くて、隣を歩きながらつい笑みがこぼれる。
髪が短いヒロインに、今巻いているマフラーが良く似合う。
首元が寒いから「あんなコト」をして、正直正解だったと思った。
ヒロイン
「ナギ?どうしたの?」
ナギ
「…いや…で、お前は何見たいんだ?」
ヒロイン
「果実酒作り直したいから、フルーツ…
ってもこの寒さだと、あるフルーツ限られちゃうよね…」
そんな事を話していると、ナギはある店を見つけた。
ナギ
「ヒロイン、ちょっとここで待ってろ?
すぐ戻るから」
ヒロイン
「え…うん…」
ヒロインは走って行くナギの背中を見送ると、近くのお店でフルーツを眺めた。
リュウガ
「おっヒロイン! なんだ?お前ひとりか?」
ヒロイン
「船長! いえ、ナギ他のお店見に行ってま…」
リュウガの声に顔を上げると、リュウガの横には女がいた。
ヒロインは、チラッとその女性を見る。
女
「リュウガ~だぁれこの子?」
リュウガ
「オレの船の仲間だ。
ヒロイン、悪いな今日は遅くなるからな?」
ヒロイン
「あ…はい…」
リュウガ
「あん? なんだよ、その目…」
ヒロイン
「えっ?! あっほら、船長私のコトなんていいんで…」
リュウガ
「? お前なんか顔赤くねぇか?」
ヒロイン
「!?」
リュウガがこの女性とこれからする事を考え、今朝のナギとのコトを思い出してしまった。
ヒロイン
「あ、赤くないです!」
リュウガ
「熱…ぶり返したんじゃねぇだろうな…」
そういってリュウガはヒロインのオデコに手を当てる。
女
「リュウガ! もう!なんなのよ!?
その子と私どっちが大事なの!?」
ヒロイン
「せ、船長、大丈夫ですから!
ほら、早く行ってください~~!!」
リュウガの背中をグイグイッと押して、ヒロインはリュウガを見送った。
それにしてもリュウガは、どうしてこんなにも女性が好きなのだろう?
男の人にはみんなそういう欲があるのだろうか?
ナギにも? あのかわいいトワにも?
う~んとヒロインは、考え込んでいると
ナギ
「どうした?」
不意にナギの声が背後から聞こえた。
ヒロイン
「あっ、うーうん…
ナギ何か買いに行ったの?」
ナギ
「あぁ」
ヒロイン
「?」
ナギ
「フルーツ買えたか?」
ヒロイン
「うーうん、ナギに見てもらおうと思って」
そういうとナギは果物屋のフルーツを吟味する。
ヒロインはその横顔を見て、リュウガとのコトを思い出した。
ナギもその内、色んな女の人としたいと思う時がくるのだろうか?
ずっと自分だけを抱いていて、飽きたりしないんだろうか…
ヒロインは思いの外、心に重く圧し掛かり
ナギがそうであって欲しくないと、なんだか泣きそうになってしまった。
ナギ
「オイ、お前ちゃんと見てんのか?」
ヒロイン
「え?」
ヒロインはドキリとした。
「見てる」って… ナギの今までの行動を見ていれば
そういう事をする訳ないって分かるだろ?って事?
それとも…
ヒロイン
「み、見てるよ! ナギはそうじゃないって思ってるし…思いたいし
でも…私は他の人にそんな事思わないけど
男の人はそういう事…」
ナギ
「…お前…何言ってんだ?」
ナギの顔を見上げると、フルーツを手に持って
複雑な表情を浮かべていた。
ヒロイン
「あ…フルーツね! う、うん!
それ色いいね! あとコレも…」
ヒロインは顔から火が出そうだった。
何をこんな所で言おうとしていたのだ。
ナギの顔が見る事が出来ずに、ヒロインは果物屋を出ると
寄りたかったお菓子屋や、本屋は素通りして船へと歩いた。
ナギ
「ヒロイン! まーてって!!」
ナギにギュッと手を掴まれ、ヒロインはやっと立ち止まった。
ナギ
「どうした?」
ヒロインの顔を覗き込むと、何かに反応した真っ赤な顔をしている。
ヒロインがこういう顔する時は、何かある。
ナギは、はぁ…とタメ息をつくと、ヒロインの手を引いて
浜辺へと連れて行った。