スノーフレーク
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ナギと一緒にいるヒロインがやけに可愛く見えて、
もしナギが自分だったらと何度も想像した。
一緒に仕事をする時間や、2人きりになって楽しく話したり
ハヤテと3人でふざけ合ったり…
自分に姉というものがいたら、こんな感じかと思って過ごしていたが
きっと姉にはこんな感情は抱かない。
さっきあのままキスしてしまいたかったのが、何よりの証拠だ。
トワは思い返すと段々とソウシの言った意味が理解でき、
こんなに分かりやすい行動や態度をしていて
皆はどう思っていたのかと、恥ずかしくなった。
ヒロインはどう思っただろうか?
ソウシ
「ふふふっトワ、大丈夫だよ?
多分ヒロインちゃんは気付いてないと思うよ?」
トワ
「!!?」
ソウシ
「それにそういう気持ちって、大切だよ?」
ソウシは泣き出しそうなトワを見つめ、優しく頭を撫でた。
するとコンコンッとドアをノックする音がした。
ソウシ
「どうぞ」
ナギ
「トワ、風呂あいたぞ?」
トワ
「あっは、はい!!」
トワはナギになんだか申し訳ない事をしてしまったような気持ちになった。
ナギがヒロインをどれだけ大切にしているか分かっていたはずなのに…
ナギ
「どうした?」
トワ
「あっいえ、じゃお風呂いきます!
ソウシ先生ありがとうございました!」
ペコリとお辞儀をすると、慌てて部屋を飛びだしていくトワ。
その後ろ姿を見つめソウシは呟いた。
ソウシ
「…若いっていいね…ふふっ自分の感情を素直に表に出せて…」
ナギ
「………」
ナギはチラッとソウシを見たが、
何も言わずにそのまま部屋を出た。
・・・・・・・・・・・・・・・・
ヒロインはお風呂から上がり、部屋の中でぼんやりとしていた。
さっきのトワはなんだったのだろう…
まさか自分にキスをしようとしていたのか?
トワがそんな事をするなんて考えられない。
姉弟のような関係だと思っていたのに…
キスされると思ったのは、きっと自分の勘違いに違いない。
ヒロインはそう思う事に決めた。
ベッドの縁で座りこんでいると、ナギが部屋に戻ってきた。
ナギ
「!! お前まだ髪乾かしてなかったのか?」
ナギに言われて初めて気がついた。
タオルを肩に掛けたまま、髪はお風呂から上がったままの状態で
ポタポタと水滴がしたたっていた。
トワが待っていると思い、早く上がらなくてはと
慌ててお風呂から出てきたからだ。
ヒロイン
「あっうん、今するね」
ナギはタオルを肩からはずすヒロインを見つめた。
(分かりやすいヤツ…)
トワと何があったかは分からないが、トワの事を考えてたくらいは分かる。
ナギはベッドへと足を向けた。
ナギ
「ほら、貸せよタオル。」
ヒロイン
「え?」
キョトンとした表情を浮かべ、見上げるヒロイン。
ナギはベッドへと上がると、ヒロインを向かい合わせに座らせ
ヒロインの髪をガシガシと拭いた。
ヒロイン
「わっ!ナギ~優しく~!!!」
ナギ
「…何考えてた?」
ヒロイン
「………」
ナギの一言でヒロインは固まってしまった。
トワの事を考えていた…でもその話をナギにしたらどうなるだろうか?
ナギの事だからトワに何かをする事は絶対にないだろう。
それに自分の思い過ごしかもしれない。
あんなにかわいいトワが、わざわざ自分を好きになるなんて考えられない事だ。
ヒロイン
「え…と、保存食のビンほとんど割れちゃったから、
どうしようかな…って」
ナギの目をとても見る事ができない。
しかもなんて陳腐なウソなのだろう…
ナギにはきっと分かってしまうに決まっている。
するとナギは頭を拭いていた手を止め、ヒロインの頭に掛かるタオルをグッと引き寄せ、
そのまま優しくキスをした。
突然の事に驚くヒロイン。
ヒロイン
「ん…ナギ?ど…したの…」
ナギ
「アホ…」
ナギはそれ以上何も聞いてこなかった。
そのナギの優しさがなんだか嬉しくて、やっぱりこの人を好きになって良かったと思った。
さっきも船が揺れた時、真っ先に駆けつけてくれた。
ヒロインは目の前にいるナギをうっとりと見つめていた。
ナギ
「…なんだよその顔…これ以上して欲しいのか?」
タオルに包まれたままのヒロイン。
顔はボッと赤くなるが、このままもっとナギを感じたい…
トワの事を考えないくらいナギでいっぱいにして欲しいと思った。
ナギはそんなヒロインの表情を悟ったのか、ギュッと抱きしめてきた。
ナギ
「ヒロイン…」
ナギとこうしているだけで、安心する。
それだけで考えていた事が、ウソのように消えた。
ナギ
「仕事戻れそうか? もう少し部屋にいるか?」
ヒロイン
「うん…大丈夫!」
ナギ
「ふっそうか…じゃぁ…」
ナギは元気な声が聞こえ、笑みがこぼれた。
部屋を出る前にもう一度ヒロインの唇を感じようと
アゴに手を掛け、上を向かせた。
ヒロイン
「…クシュッ!!」
唇が触れる直前に、ヒロインは顔を背け
我慢できずにクシャミをしてしまった。
ナギ
「…お前…」
ヒロイン
「ご、ごめんね?」
ヒロインは慌てて謝ったが、ナギは呆れ顔で見つめてくる。
ヒロイン
「…もうキス…おしまい?」
寂しそうな声をするヒロインにナギは、可愛くて何度でもキスをしたくなった。
だが、ナギはヒロインのオデコを軽く突くと
ニコッと笑った。
ナギ
「して欲しかったら、ちゃんと髪乾かして
温かい格好しろ!」
そしてオデコにチュッとキスをすると、ベッドから降り
そのまま部屋を出て行ってしまった。
ヒロインはなんだかお預けを食らったかのように、
体も心もナギに思い切り反応してしまってい
しばらくナギの去ったドアをぼんやりと眺めていた。
仕方なくヒロインはナギに言われた通り
しっかりと髪を乾かし、上着も着込むと
「よし!」と気合を入れて、部屋を出た。