三日月ドロップ(前編)
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・・・・・・・・・・・・・・
ドサッ
ヒロインはシンの肩から降ろされ、ベッドの上に座らされた。
ここはどこの部屋なのか…相変わらずクラクラする頭。
シンに担がれ、走って宿へ帰った為
ヒロインの見ている世界は、船の上のようにユラユラと揺れている。
シン
「ったく、お前は役者になれるぞ!」
シンは腕組みをして、ベッドでうなだれるヒロインに冷たく言葉を浴びせる。
ヒロイン
「…えっ…?」
トワ
「見たかったですー!!」
リュウガ
「ホントだな! でもヒロインが襲われなくて良かったじゃねぇか!
で、シン!地図はどうした?」
リュウガは早く出せと言わんばかりに、シンに詰め寄る。
シン
「オレは地図…手に入れてません」
リュウガ
「なんだと!!?
お前手に入れたからこうして…
…なんだよ手に入れてないのかよ!?」
リュウガはがっかりした表情で、部屋の椅子にドカッと座った。
シン
「船長…『オレは』って言ったんです」
シンの意味深な言葉に、リュウガは顔を上げる。
シン
「ヒロインのお手柄ですよ…
オイ!ヒロイン、出せよ」
ヒロイン
「???」
シン
「地図!!」
そのやり取りを見て、メンバーは「えぇ!!」と声を上げる。
てっきり女をまく為の演技をしたのだとばかり思っていたメンバーは、
度肝を抜かれた。
その反応にヒロインは少し酔いが覚め、慌ててパタパタと体中のポケットに手を当てて
地図のありかを探す。
ヒロイン
「え…えっと…こっちのポケット?
あれ…?あっ!これ…ですか?」
ピラッと紙を見せると、リュウガはベッドに座るヒロインを抱き上げた。
リュウガ
「わーはっはっ! お前はホントにすげぇ女だな!!」
リュウガは嬉しさのあまり、ヒロインをユサユサと揺する。
ヒロイン
「は…」
リュウガ
「ん?どうしたヒロイン?」
ヒロイン
「は…」
リュウガ
「は?」
ヒロイン
「…吐く…」
・・・・・・・・・・・・・・
そこから先の事は何も覚えてない。
ぼんやりとする意識の中、体がフワフワと浮いて
フカフカのベッドに寝かされた。
ナギが連れてきてくれたの?
隣で寝てるのはナギ? …でも今日は戻らないって…
考えようとするも睡魔に襲われてしまい、目も開ける事ができないヒロイン。
なんだか今日は色んな事があり過ぎて、疲れきった上に
酔いが全身に回っている。
ヒロインはいつものようにナギに甘えた。
ヒロイン
「…ギュッてして?」
暗い部屋の中で、優しく髪を撫でながら抱いてくれた。
ヒロイン
「…だいすき…」
…シンはヒロインに言われるがまま、体をそっと抱きしめた。
あの後、パタリと意識を飛ばしてしまったヒロインを運び出そうと
抱き上げるも、シンのシャツを掴んだまま離さない。
ソウシにもあまり動かさない方がいいと言われ、
そのままシンの部屋で一緒に寝る事になってしまった。
それにしても、ヒロインはナギと2人きりになると
こんなにも甘えた声で、ナギにお願いするのか?
『だいすき』が自分に向けられた言葉ではない事くらい分かってる。
自分の腕の中で可愛い寝顔を見せるヒロインに、
シンは押さえていた感情が、止まらなくなる。
そっと頬に手をかけると、ヒロインは寝苦しそうに顔をしかめた。
シンはシャツのボタンを2つ外してやった。
すると胸元にあるキスマークが見えた。
(チッ、ナギとどこまでしてやがる…)
妙な嫉妬心が沸き、全部脱がしてどこにキスマークがついているのか
調べてやろうかと、黒い感情に支配される。
シンはヒロインのシャツのボタンを更に外し、
グッと胸の位置までシャツを開いた。
てっきりヒロインの白い肌と柔らかそうな胸が拝めると思っていたシンは
目を見開いた。
(コイツこれで胸を隠していたのか…寝苦しい訳だ…)
シンはすっかり黒い感情が消え、ヒロインが必死に男になろうとしていた事に感心した。
起こさないように、そっとサラシを緩めてあげると、
心なしか安心したような表情を浮かべ、スヤスヤと寝息を立て始めた。
その顔をじっと見つめるシン。
この女…ホントたいしたヤツだ…
オレの腕の中で、他の男を想いながら安心して寝てやがる…
シンはふっと小さく笑った。
無理矢理にでも奪ってしまう事は簡単だが、そこまでして
ヒロインを傷つけてしまう事はしたくない。
でも…夜が明けないでこのまま時間が止まってもいい…
シンはヒロインの寝顔を見つめている内に、段々と下半身が反応してきてしまった。
(クソッどうしたんだ! このオレがこんなガキに…!!)
認めたくないが、シンはヒロインとベッドを共にしただけで
そうなってしまった。
思春期のガキか…と、シンはタメ息をつき仰向けになった。