三日月ドロップ(前編)
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港に降り立つと、聞き慣れた声が飛んできた。
???
「やぁ諸君!君たちも上手く入港できたみたいだな!」
軽やかに登場したのはロイだった。
ロイはメンバーを一瞥すると、案の上ヒロインを探した。
ロイ
「私の真珠ちゃんは…?」
ロイがキョロキョロと辺りを探る。
ナギは背中にそっとヒロインを隠した。
ナギ
「誰がお前のなんだ」
ロイ
「むっバンダナ!また1人占めするつもりだろう!?
どこに隠したんだ!」
ロイはキッとナギを睨みつける。
どうやら背中にいる事に気付いてないようだ。
ナギもヒロインもホッと息をついていると、
後ろから声がした。
ファジー
「なんだい?コイツ新しい仲間かい??」
ヒョコっとナギの後ろから、いとも簡単にヒロインの事を見つけてしまったファジー。
その視線にドキドキしているヒロイン。
ロイ
「ずいぶんと小さい男だな?
まだ子供か? リュウガの好みも変わったな!」
ヒロイン
「!?」
髪を切って印象が変わったせいか、ロイはヒロインと気付いていない。
おずおずとナギの背中から抜けて前へ出ると、
ロイがまじまじと見つめてくる。
ロイ
「ん~?お前誰かに似てるな…」
あまりの顔の近さに、ヒロインはロイの頬を押しのけた。
ヒロイン
「や、やめてください!
わた…オ、オレそういう趣味ないんで!!」
ロイ
「フ、フン!こっちだってそんな趣味…」
シン
「…ロイ…顔が赤いぞ?」
ロイ
「!!? ちっ違う!」
そういうもロイの顔は真っ赤だ。
ハヤテ
「ロイって男でもいいって事か??」
ロイ
「何をバカな!」
ソウシ
「…でもその顔…」
ロイ
「先生まで!! もういい!
ファジー、行くぞ!」
ロイは決まり悪そうに、ファジーを引き連れ街へと消えて行った。
トワ
「…ロイ船長、全く気付きませんでしたね!」
リュウガ
「アイツは鈍感中の鈍感だからな…」
ヒロインはバレなかった事にホッとする。
きっと分かってしまったら、面倒な事になるに決まっている。
リュウガ
「よ~し、じゃ宿決めて夕飯でも食いにいくか!」
辺りはすっかり夕日に包まれていた。
思わぬ足止めをくらい、予定の時間よりも大分遅れての上陸となった。
全員で宿屋を探しに歩いていると、ふとリュウガが思い出したかのように声を上げた。
リュウガ
「そうだ! ナギ、悪いが用事を頼まれてくれるか?」
ナギ
「オレですか?」
リュウガ
「あぁお前が一番適任だ。
この島の南に行った山道に住む男に、酒代のツケを返しに行ってくれないか?」
ナギ
「これからですか?」
リュウガ
「そいつは夜じゃねぇと家にいねぇんだ。
オレは今夜野暮用があってな…」
メンバー全員が『女』だなと確信した。
ナギ
「…分かりました」
リュウガ
「メシ食ってから行くか?」
ナギ
「いや、日が落ちる前に動いた方がいいので今から行きます。
明け方には帰って来れますよね?」
リュウガ
「そうだな。
宿屋まで一緒に行ってそこから行け」
ナギ
「はい」
急な任務にヒロインは不安になる。
ただでさえいつもと違う自分でいる事に慣れないのに
安心させてくれていたナギが今夜傍にいない事…
そして夜中にそんな山道を歩くなんて…
いくら山賊上がりのナギだと言っても、とても心配だ。
ヒロインは急に胸がキュッと締めつけられ、
ナギと離れたくない想いが沸き上がる。
横で元気の無くなったヒロインを見つめ、ナギはふっと微笑んだ。
こんな風に心配してくれる人がいる事で、心が温かくなり
必ず無事で帰って来なくてはと、帰ってきてこの子を抱きしめなくてはと
今までにない感情が浮かぶ。
宿に着き、それぞれが部屋に一度入り
荷物の整理をし始めた。
ナギとヒロインも荷物を置きに部屋へと入る。
ヒロイン
「…ナギ…本当に行くの?」
ナギ
「あぁ…心配か?」
少し意地悪な質問と思いつつも、ナギは不安そうに見上げるヒロインの手を取った。
ヒロイン
「うん…ナギは慣れているのかもしれないけど…
こんな時間から行くなんて…
それにナギと離れて夜を過ごすの、今まであまりなかったから…」
ヒロインは俯きながら答えた。
ナギは手を引きよせ、ヒロインを胸の中に抱きしめた。
ナギ
「大丈夫だ 早く帰ってくるから…
だから今から出るんだ」
ヒロイン
「ん…私も一緒に行きたいけど…」
ナギ
「ヒロイン…」
ナギはヒロインの頬に手を掛け、そっと上を向かす。
今日何度も見ているはずなのに、やはり髪の短いヒロインに胸が疼いてしまう。
ヒロイン
「ナギ…寂しくないように、キス…して?」
ナギ
「!!?」
こんなかわいい顔で、こんな事を言うなんて…
ナギ
「お前…誘うのうま過ぎ…」
そういうとナギの顔が近づき、ヒロインは唇を塞がれた。
柔らかいヒロインの唇をそっと舌でこじ開ける。
いつも戸惑いながらも、ナギの舌に答えようと遠慮がちに舌を絡めてくる。
そのかわいい反応に、つい意地悪をしたくなる。
ナギはヒロインのシャツをズボンから引き出す。
ヒロイン
「んぅ!? はぁ…ナギっ何してっ…ん!」
ナギ
「…はぁ…チュ…寂しくないようにしてやるよ…」
そのままシャツの中へ手を滑り込ませると、ナギはハッとした。
ナギ
「チッ…サラシしてるの忘れてた…」
ヒロインの胸を触ろうと手を入れたものの、さっき自分でしっかりと巻きつけてあげた事を
すっかり忘れていたナギ。
その行動が妙にかわいくてヒロインはクスクスと笑ってしまう。
ナギ
「なんだよ…」
赤い顔をしながらナギは拗ねた表情を見せる。
ヒロイン
「ふふっ、もう寂しくなくなった!
ナギのそんな顔見れたから♡」
そういうとナギはブニッと頬を掴む。
ナギ
「…お前…言うようになったな…」
ヒロイン
「う~!いひゃい!! ナギぃ~!」
ナギ自身もこんなにかわいいヒロインを置いて行くのは心配だ。
リュウガが山道に慣れている自分を指名してきた意味は分かるが、
なぜこのタイミングなのか…
少しの不安がよぎるが、ナギは船長命令と思い出かけていった。