三日月ドロップ(前編)
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ヒロイン
「えっ?」
ヒロインが聞き返すも、ナギはすぐにサラシに手を掛けて
せっかくキレイに巻きつけたのにスルスルと解いていく。
ヒロイン
「ちょっナギ!何してっ…
あっダメ!これ以上取ったら!!」
ハラリとサラシが床に落ち、ヒロインは慌てて両手で胸を隠した。
恥ずかし過ぎてナギを見る事が出来ない。
ナギ
「…しばらく男になるんだよな…?」
ヒロイン
「え…?」
ナギはヒロインの両手を取り、細い首筋にキスをした。
ヒロイン
「ナ…ギぃ…ダメ…」
ナギは唇を下へとずらしていく。
その感触にヒロインはゾクゾクと全身が反応してしまう。
柔らかい膨らみに唇が当たると、ナギは色の白い肌にギュッと吸いついた。
ヒロイン
「…っ! ナギ…何して…?」
手を持たれたまま、ヒロインは胸に走るピリッとした痛みに耐える。
ナギの顔が胸から離れると、ナギはヒロインの顔を見つめ優しく微笑んだ。
ナギ
「…オレのもんって印…つけといたからな?
ホラ、後ろ向け! サラシ巻いてやる」
ヒロインは何の事か分からずに、熱を帯びた目でナギを見つめ返す。
ナギ
「早くしろ! これ以上そんな目でオレを見るな!!」
顔を赤くしながらナギはグイッとヒロインを後ろに向かせる。
上半身裸のヒロインの背中。
明るい所でしっかり見るのは初めてだ。
細く小さい背中…こんな体をいつも抱いているのかと
ナギは下半身に血液が集まる感覚が走る。
そっと手を触れるとヒロインの背中はビクッと反応する。
ヒロイン
「ナギっくすぐったいよ!」
なんでこんなにも煽る行動をするのか…
ナギはこのまま後ろにあるベッドへヒロインを押し倒してしまおうかと思ってしまう。
ヒロイン
「ナギ? 早くしないと港着いちゃう!」
ヒロインに言われ、ナギはハッと冷静な気持ちを取り戻してサラシを巻き付けた。
やっぱり人にやってもらうと、サラシがギュッと締まり、
ずり落ちる心配がなくなった。
ヒロインはシャツを着ると、ナギの方に向き直った。
ヒロイン
「ど?」
パッと見は華奢な男に見えるが、果たして役人を欺けられるのか…
不安がよぎる。
ナギ
「男に見えなくもない…
何があってもオレが必ず守るから、安心しろ」
ナギにそう言われると、なんでも出来る気になる。
ヒロインはとびきりの笑顔をナギに見せると、ナギの手を取って甲板へと向かった。
(だから…その顔誰にも見せるなって…)
ナギはヒロインの背中に向かって、何度も何度も念じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・
船が港へ入ると、待っていたかのように島の役人がドカドカと乗り込んでくる。
船内を荒らしながら調べていく。
リュウガ
「おいおい~随分ひでぇ調べ方じゃねぇか」
リュウガのその言葉に反応した役人が、持っていた銃をリュウガに向ける。
リュウガ
「あぁ~はいはい…オラ、お前らそこに並べ」
やれやれといった感じでリュウガは両手を軽く上げ、
メンバーを一列に並ばせた。
ヒロインはついにこの時が来た!と胸がドキドキと音を立てる。
トワの横に並び、メンバーの一番端に立つヒロイン。
役人はリュウガから順に、メンバーを調べていく。
この役人、こんなに近くにリュウガを見ているというのに
シリウス海賊団という事が分かってないようだ。
その事にも少し安心したヒロイン。
足も止めずにトワの所まできた役人は、ヒロインの前に来た途端、急に足を止めた。
内心「ひぇ~」と、冷や汗ものの叫び声を上げたヒロイン。
みんな冷静な顔つきをしているが、メンバー全員が息を飲んでいた。
役人
「おい!お前…お前やけに小さいな…」
役人はヒロインのアゴを掴み、グッと上を向かす。
その行動にナギはピクッと体が反応するが、隣にいたソウシに手を掴まれ、静止させられた。
役人
「ん~? 随分キレイな顔してんなぁ…
男でもお前なら抱いてやってもいいぞ」
ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべ、顔を近づける役人。
ヒロインはアゴに掛かった役人の手をバッと払いのけた。
ヒロイン
「ふ、ふざけんな! 気安く触んじゃねぇ!!」
ヒロインはハヤテに習ったばかりの言葉使いを早速使った。
(こ、これでいいの?ハヤテさん~~~)
すがるような思いで、ヒロインはキッと役人を睨んだ。
役人
「ガキのクセに一丁前にプライドなんか持ってやがる」
役人は鼻で笑う。
リュウガ
「もういいだろ?」
役人
「あぁ…だが入港できたからと言っても、行動は慎めよ」
そう言い残すと役人は船を降りて行った。
最後の役人が船を降りるのを見送ると、ヒロインはヘナヘナとその場に両手をついてヘタれ込んでしまった。
ヒロイン
「はぁぁぁ~」
ナギ
「ヒロイン!」
トワ
「ヒロインさん大丈夫ですか?!」
メンバー全員がヒロインを取り囲み、
ナギは傍に来て膝をついて顔を覗き込んだ。
ヒロイン
「……わ、私…男らしかったですか…?」
そういうと一瞬の沈黙が流れた後…
「ぷっ…」
「あははははっ」
ヒロインを囲んだメンバーが笑いだした。
ヒロイン
「???」
キョトンとみんなを見上げていると、目の前のナギが手を引いて
立ち上がらせてくれた。
ハヤテ
「あははっ!お前スゲェよ!!」
ハヤテは涙目で、オナカを抱えながら笑ってる。
リュウガ
「なかなか良かったぞ!」
リュウガに頭をガシガシと撫でられる。
ヒロインはナギの顔を見ると、優しく笑っていた。
その顔を見て、ようやく安心した。
みんなに迷惑を掛けずになんとか入港出来たと…