AKATSUKI
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料理も酒も大分進み、メンバー全員が気持ちよくなり始めた頃。
さすがに落ちないシリウスメンバーに嫌気がさしたのか、
女達はリュウガに取り巻く数人を残し、いなくなってしまった。
それにしてもリュウガはどうしてこんなにも女の扱いが上手いのだろう。
取り巻いてる女も商売女だろうに…。
ヒロインはリュウガを見つめて、考えていると
不意に椅子の上に置いていた手に、ナギの手が重なる感触がした。
ヒロインの胸はドキリと高鳴り、ナギを振り返ろうとした。
ナギ
「…そのままにしてろ…」
ヒロインにしか聞こえないような声で囁かれ、さらに心臓がドキドキと音を立てる。
自分とナギ以外、誰も気付いていない。
こんな公衆の場でナギがこんな事をするなんて信じられない。
でもヒロインは嬉しくて顔がニヤケてしまいそうになる。
トワ
「? ヒロインさん、顔赤くないですか?」
トワの問いかけにドキッとしてしまう。
ヒロイン
「そ、そうかな? お酒飲みすぎたかな…?」
隣にいるナギからはぁ…というタメ息が聞こえた。
なんでお前はそんなに顔にでるんだと、心の声が聞こえてきそうだ。
ソウシ
「船長、そろそろ船に戻りませんか?
もういい時間ですよ?」
リュウガはメンバーそっちのけで、女達とイチャついていた。
リュウガ
「…だとよ?
悪いな!また今度相手してやるから!」
女達は名残惜しそうにリュウガに絡みつく。
リュウガ
「がははっ、なんだかわいいヤツらだなぁ
だが、オレには決まったヤツがいるんだ
勘弁してくれ」
リュウガのその言葉にメンバー全員が顔を上げて
リュウガを見つめた。
リュウガ
「んぅ?なんだぁ?
ほら行くんじゃねぇのかよ? 金はいくらだ?」
とてつもない重大発言をしたのに、当の本人はケロッとしている。
いつもの冗談か?
女好きのリュウガが、この状況で女を断るなんて信じられない。
シン
「…明日は嵐になるかもな…」
シリウスメンバーは船を目指し、酒場を後にした。
メンバーの一番後ろを歩くナギとヒロイン。
ヒロインは、ナギをじっと見つめた。
ナギ
「…なんだ…?」
ヒロイン
「…ナギ…どうしたの?
いつもあんな事しないのに…」
ナギ
「嫌だったのかよ?」
ヒロイン
「や、嫌じゃないよ!嬉しかっ…たよ?」
もじもじと照れながらいうヒロイン。
ナギはアサヒと会ってから、なぜか不安な気持ちが晴れないでいた。
ヒロインが自分を紹介した時の
アサヒのあの笑みが気になっていた。
ヒロイン
「ナギ?」
ナギ
「…ふっ、お前のごまかそうとする必死な顔見たかったんだ」
ヒロイン
「!?」
そういうとヒロインはナギの肩をポスッと叩いた。
ヒロイン
「いじわる!」
ヒロインのその声がかわいくて、ナギはまた抱きしめたい衝動に駆られる。
抱きしめて、腕に閉じ込めて…
もう自分以外の誰のトコにも行かせないようにしたい。
そしたらこの不安な気持ちは消えるだろうか…
ナギは横を歩くヒロインを見つめ歩いた。
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次の日になり、ヒロインとアサヒが会う時間が近づいてきた。
ヒロイン
「じゃあ行ってきます!」
メンバーが揃う甲板の前で、ドレスの裾を軽く掴み
港へと掛かっている板梯子へと歩いて行った。
その後ろ姿を見送りながら、ナギは強引にでも引き止めればよかったと後悔していた。
ドレス姿のヒロインは、いつもの可愛さに磨きがかかり
大人の女の色気が増していた。
アップにした髪も、きれいなうなじも
少し開いている背中のラインも…
全部アサヒの為にしている事だと思うと腹が立つ。
ハヤテ
「それにしても、スゲー偶然だよな!」
トワ
「ホントですね! こんなに世界は広いのに!」
ソウシ
「幼馴染みの彼ってどんな人なの?」
トワ
「なんか爽やかな感じでしたよ?
…でも、僕はナギさんの方がお似合いだと思います!」
ナギに気を使ったのか、トワは興奮気味に言ってきた。
自分でも気付かなかったが、もしかしたら自分もヒロインのように
感情が表に出ているんじゃないかと
慌てて平静を保とうとした。
ヒロインと付き合う前では考えられない事だが、
確かに今は色んな感情が沸いてくる。
現に今、嫉妬で狂ってしまいそうだ。
ナギはトワの頭に手を置くと、ガシガシっとトワの頭を撫でた。
ソウシ
「ヒロインちゃんの初恋の相手だったりして!」
ソウシの言葉に、ナギの手の動きは止まった。
シン
「フン、なんだ?
ヒロインは、全部お前が初めてだと思ったのか?」
シンは意地悪な笑みを浮かべてナギを見た。
ナギはシンを睨む。
リュウガ
「ふっ、ナギもそんなに惚れてんかよ?
まぁアイツも初恋くらいするだろ」
リュウガは少し呆れたような目で見つめた。
ナギはその視線に気付き、何も言わずに船内へと入って行った。
ソウシ
「船長…ナギをいじめて…」
リュウガは笑いながら答えた。
リュウガ
「まぁあんなヒロイン見ちゃぁ、男だったら心配だよな…
オレも…心配だしな…」
リュウガは意味深な言葉を残し、「酒でも飲むか」と言いながら
船長室へと歩いて行った。