AKATSUKI
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ソウシ
「あれ…?お邪魔だったかな…」
そこにはニッコリ笑うソウシが立っていた。
ヒロインは慌ててナギから離れた。
ヒロイン
「ソ、ソウシさん!」
ソウシ
「ふふ、様子見に来たんだけどな…
その様子じゃ、はかどってないみたいだね?」
クスクスと笑うソウシに、ヒロインは顔が熱くなる。
確かに全く買い出しの整理が進んでいない。
ナギ
「もうみんな戻ってくるのか?」
ソウシ
「いや、まだいるよ」
ナギはザッと買い出した物に目をやる。
ナギ
「魚だけやったら行くから、
ヒロイン、ドクターと先に行ってろ」
ヒロイン
「え? 手伝うよ?」
ナギ
「すぐ終わるから大丈夫だ。」
ナギと一緒にいたかったが、これ以上言うとワガママになりそうで
ヒロインは、その気持ちをグッと押さえて頷いた。
・・・・・・・・・・・・
ソウシ
「ヒロインちゃん、寒くない?」
船を出てシリウスメンバーがいる酒場まで一緒に歩いているソウシとヒロイン。
ヒロイン
「あっはい! わぁスゴイですね!!
こんなに人がいるなんて!!」
昼の市場もスゴイ人の数だったが、夜の街も負けずに賑わっていた。
ソウシ
「そうだね、 おっと!
ほらよそ見してると危ないよ?」
目の前に人が来ていた事に気付かなかったヒロインは、
ソウシに手を引かれた。
ヒロイン
「す、すみません!」
ソウシ
「ふふ、危なっかしいなヒロインちゃんは」
ソウシはふわっと微笑むと、そのまま手を繋いで歩き始めた。
ヒロイン
「あ、あの!ソウシさん!!
手…大丈夫で…す」
グッと手を引こうとしても、ソウシは離してくれない。
ソウシ
「人多いから、はぐれないように
こうさせて? ね?」
優しく諭され、ヒロインは何も言えなくなってしまった。
ソウシの手はナギよりも少し小さく、指も細い…
ソウシと手を繋いでいるのに、ナギの事ばかり考えてしまう。
ソウシ
「ヒロインちゃんって、こんなに手小さいんだね。
ふふ、なんだかこうして繋いでると恋人同士に見えるかなぁ?」
優しく微笑むソウシを見つめ、ヒロインはなんだか照れてしまう。
ヒロイン
「な、何言ってるんですか!
ソウシさんは、私みたいなのよりもっと素敵な人がお似合いです!!」
必死にそう答えるヒロインに、ソウシは少し不機嫌になる。
ソウシ
「…私はヒロインちゃんがいいんだけどな…」
ヒロイン
「え?」
足を止めてソウシの言った言葉の意味を
頭の中でグルグルと考えていると、ソウシはその顔を見て笑ってしまった。
ソウシ
「あはっごめんね?
困らせるつもりじゃなかったんだ? クスクス…
でもこうして手を繋げて少し得した気分」
ヒロインはその笑顔にポッと顔を赤める。
ソウシはその顔を横目に見ると、微笑みながら酒場へと歩き始めた。
・・・・・・・・・・・・・
酒場に着くと、ひときわ盛り上がっているテーブルが目に入った。
そのテーブルには派手な衣装を着た女達が群がっており、
ヒロインは一目でシリウスメンバーのテーブルと分かった。
ソウシ
「おやおや、これはまたスゴイね」
女
「きゃ~ん!この人も仲間なの?」
リュウガ
「おう!来たか!! ナギはどうした?」
ソウシ
「すぐ追い掛けてきます。
それにしてもどうしてこんな…」
ヒロインがこの場にいるのが気まずいくらい、きれいな女の人に囲まれている。
『この女何?』とキツイ目線で、その場にいる女達に睨まれるヒロイン。
リュウガ
「まぁいいじゃねぇか、賑やかで!!」
リュウガは嬉しそうに両手に女を侍らせ、ニカッと笑った。
その横でシンが女の絡みを一切無視しながらお酒を飲んでいる。
ハヤテとトワは、数人の女に絡まれている。
ここにナギが来たら、さらにスゴイ事になり
その光景を想像するだけで、とても嫌な気分になる。
ヒロインは、おずおずとシンの横に腰を降ろした。
色気をたっぷり出した女を無視してシンはヒロインに話しかける。
シン
「おい、何を気にしてる?
お前が対抗心を燃やしてどうこうなる事じゃないだろう」
シンは意地悪な笑みを浮かべながら、ヒロインの胸へと目線を送る。
ヒロインは、バッと両手で両腕を抱き、胸を隠した。
ヒロイン
「シンさん!!」
ヒロインの反応に満足したのか、シンは笑いながら店員を呼んでヒロインの食べ物を注文してくれた。
それにしても何という光景だろう。
こんな中に自分がいるのが信じられない。
ソウシは笑いながら、うまく誘いを交わしてる。
ナギはこういう時どう反応するのだろう。
ヒロインの心配をよそに、ドカッと横にナギが座ってきた。
ヒロイン
「ナギ!」
ナギ
「うるせぇ店だな…」
周りの女達が全く目に入っていないかのように話しだすナギ。
しかし女達は、またしても顔立ちのいい男が現れ、
我先にと群がる。
女
「ねぇお兄さん、私と今夜遊ぼうよぉ」
視界に入らないようにしているが、ナギの横で女の人がピッタリとくっついてる。
早くどっかに行って欲しい…。
ギュッとスカートを握りしめた。
シン
「おい!飲み物きたぞ!」
その声にハッと顔を上げてシンの方を向くと、
シンにも色気たっぷりの女が絡みついていた。
これでもかと言わんばかりに、豊かな胸をシンの腕に押し付け
甘えた声でシンを誘惑している。
しかしシンは一切聞き入れず、もう一度ヒロインに声を掛ける。
シン
「おい!聞いてるのか?!」
ヒロインはその女に見入っていて、シンの声はぼんやりと遠くの方で聞こえていた。
シンは自分を通り越して、後ろの女に注がれるヒロインの視線に「チッ」と舌打ちをした。
そしてグッとヒロインのアゴを掴んで、自分の方へと向かせた。
シン
「お前、このオレを無視するとはいい度胸してるな?」
シンの顔が目の前にあり、ヒロインは驚いて目を丸くした。
ヒロイン
「シ、シンさん近っ…わっ!!」
シンとの距離に驚いていると、右の肩に手が回されて
グイッとナギの胸に引き寄せられた。
ナギ
「…触るな」
ナギとシンに絡んでいた女達は、そのやり取りを見て
すっかり戦意がなくなったのか、ヒロインへ冷たい視線を向けて去っていった。
何が起きたのかとナギの胸のもたれたまま、ぼんやりとしていると
自分で抱き寄せてきたナギが、ヒロインの頭をグッと押し返し
元の位置に戻した。
ヒロインはキョトンとした顔でナギを見る。
ソウシ
「ふふふ、恥ずかしいならしなきゃいいのに」
目の前に座るソウシが、おもしろそうに笑っている。
ナギ
「チッ」
ナギは照れ隠しに舌打ちをすると、運ばれてきた料理を食べ始めた。