AKATSUKI
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ヒロインの体がふわりと夜の海に浮くと、
シリウス号にいるナギがその体をしっかりと抱きとめた。
アサヒはその姿を確認すると、何も言わずに船を港へと引き返させた。
ナギ
「…っい…てぇ… ヒロイン大丈夫か?」
飛び込んできたヒロインの勢いに負けて、ナギはヒロインを抱えたまま
甲板の床に倒れ込んでしまった。
そっと体を起こし、右手をヒロインの髪に通し
顔にかかる髪を耳に掛けた。
俯いているが、怪我をしたり痛がっている様子はない。
ナギは安心すると、思いっきり怒鳴った。
ナギ
「このバカ!! なに考えてんだ!
夜の海だぞ!?もし落ちたらどうしてたんだ!!!」
ナギの大声にビクッと肩を上げるヒロイン。
しかしヒロインはナギを睨んだ。
ナギはその表情に目を見開く。
ヒロイン
「バカはナギだよ!!
私の事嫌いになったの?大切じゃなくなった!?」
自分の足の上に乗りながら、今まで見た事ないほどの
怒りをぶつけてくるヒロイン。
ナギ
「大切に決まってるだろ!?
じゃなきゃお前を置いていかねぇよ!!
幸せになって欲しいに決まって…」
ヒロイン
「…幸せ?
私の幸せをナギが勝手に決めないで!!
ナギは海賊でしょ!?
海賊なのに大切な物、簡単に渡さないで!!!」
そこまで言うとヒロインは我慢していた涙がこぼれてしまった。
ヒロイン
「…ヒッ…ナギと一緒じゃなきゃ…ヒッ
幸せになれないよぉ…」
ナギは目の前で泣く大好きなヒロインが、自分をこんなにも想っていれくれたのかと
胸がいっぱいになった。
そっと背中に手を回し、優しくヒロインを抱きしめた。
もう二度と抱きしめられないと諦めていたヒロインを
こうしてまた抱きしめている。
自分を追い掛け、船を飛び越えて会いに来た。
ナギは泣きじゃくるヒロインを、さらにギュッと抱きしめた。
ナギ
「…ごめんな?」
この小さい体のどこにあんな大胆な行動を起こす力があるのだろう。
アサヒを振って、自分を選んでくれた事に
ナギは愛しさを感じた。
ハヤテ
「な!言ったろ?
ヒロインは絶対追い掛けてくるって!!」
トワ
「う~~! まさかこんなに早く来るとは
さすがですヒロインさん!!」
シン
「フン、賭けはオレとハヤテの勝ちだな」
ソウシ
「おかえりヒロインちゃん」
甲板での騒動を聞きつけ、シリウスメンバーは
いつの間にか
2人を取り囲んでいた。
ナギの膝の上で抱きしめられていたヒロインは、恥ずかしくなりパッとナギから離れて
立ち上がった。
ヒロイン
「皆さん!ただいまです!!
お騒がせして…?」
みんなの視線が足元へと向いている。
ナギはそれに気付き、着ていたシャツを脱ぐとヒロインの腰に巻きつけた。
リュウガ
「がーはっは!
なんだよきれいな足してんじゃねぇかヒロイン!!」
ナギ
「…チッ
お前らなんの賭けしてたか知らねぇけど
全員朝メシ抜きだからな」
ハヤテ&トワ
「えーーー!??」
リュウガ
「待てナギ!オレは賭けに乗ってねぇぞ?」
シン
「船長今さら卑怯ですよ?
賭けのタイミングでいなかっただけですよね?」
ソウシ
「そうそう! 言い出したのは船長だし」
ナギは大きなタメ息をつくと、ヒロインを抱きかかえ
部屋へと向かった。
・・・・・・・・・・・・・・
ナギはそっとベッドへヒロインを降ろした。
ヒロイン
「ありがとう…ナギ…」
ヒロインは目の前で、膝をついて同じ目線の高さにいるナギを見つめた。
やっぱりアサヒに感じる感情とは全く違う。
自分は何度ナギに恋をしてしまうのだろうかと
ヒロインの胸はドキドキと鳴りだした。
ナギ
「…そんな顔すんなよ…」
ヒロイン
「え?」
ナギはヒロインの両手に手を重ねた。
ナギ
「…本当にオレでいいのか?
オレはアイツみたいに、お前に普通の幸せをさせてあげられないぞ…」
ナギの真剣な眼差しに、ヒロインはふふっと笑った。
ヒロイン
「ナギ? 私はナギといるだけで幸せだよ?
それって普通じゃない??
こうして私の事見てくれて、手を繋いでくれるだけで
もう…幸せだよ?」
その言葉にナギの胸はキュンと高鳴る。
この子は何度自分を喜ばせれば気が済むのだろう。
ナギは堪らずギュッとヒロインを抱きしめた。
ナギ
「もう…離せっていっても離さないからな?」
ヒロイン
「うん! ナギも置いていっても無駄って分かったでしょ?」
ナギ
「ふっ…そうだな
でももうあんな無茶するなよ?
お前が思ってる以上に、オレは心配性だって今回分かった…」
ヒロインはナギの胸から抜けだすと、ナギを見つめた。
少し照れてるその表情に笑みがこぼれる。
ナギ
「…なんだよ…」
ヒロイン
「ふふふっナギって…んっ!」
言葉を遮るように唇を塞がれたヒロイン。
ナギの唇の感触に全身がしびれる。
ナギ
「かわいいとか言うんじゃねぇぞ?
…お前…自分がどれだけオレを煽ってるか分かってんのか?」
ヒロイン
「…ナギ…もう離さないでね?」
ナギ
「あぁ…」
ナギの唇が近づき、さっきよりもさらに深いキスをする。
何度キスをしても決して慣れる事のない感覚。
ヒロインは、ナギに全てを委ねて
ベッドへと身を沈めた。
☆END☆ おまけ&あとがき⇒