First Love
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`+:*4話*:+`
遅くまで営業しているお店が近場になく
俺たちは駅近くにある公園へと場所を移した
「…寒くないですか…?」
「あっはい…大丈夫です」
自販機があり温かい飲み物を買って
ベンチに並んで腰を掛けた
「……」
「……」
沈黙が続く
10月も終わろうとしているこの時期
夜は気温が低く身体が冷えてしまう
さっき買った温かい飲み物も既にぬるくなっていた
「……すみません…私から誘ったのに…」
「…いや…」
(こまたろちゃん好きな人がいるみたいなんですよね〜)
(高校生のときからずっと同じ人を想っているみたいなんですよね)
さっきの山田が言ってたことが何度も頭の中に流れる
「…すみません…その…南野さんは盟王学園高校の出身ですか?」
「うん…?そうだけど…」
俺がそう答えると彼女の顔がぱぁっと明るくなった
「よかった!当たってた!」
「どうしてそんなこと聞くの?」
彼女をじっと見つめた
「あの……実は私…す…好きな人がいて…」
彼女は手元の飲み物を見つめながら話続けた
「その人が盟王学園高校出身の人なんです…」
「…そう…」
「はい…高校生のとき変な人に追い掛けられて、もうだめだぁってときに…その人に助けてもらったんです…」
「…」
「あのときはちゃんとお礼が言えなかったんです…
…だから今度会えたときお礼を言おうって…おもっ…て…」
彼女は俺の顔を見た…
「あ…の…」
「あ…えっと……」
俺…今どんな顔してた…?
「こまたろちゃん…すまない…俺用事思い出したよ…帰りますね」
「えっ?!南野さん…!」
俺は恥ずかしげもなくその場を去った…
「南野…さ…ん…」
マンションに帰り
俺はシャワーを頭から被った…
どこか…
身体のどこかが…
…苦しい…
「…はぁ…」
なんだこれは…
俺はあの後ベッドに潜り
いつの間にか眠りについていた…
日が昇ると共に目が覚め
昨日彼女の口から聞いたことを思い出す…
「…好きな人…か…」
この言葉に
俺は…ショックを受けたんだろう…
まさか…な…
彼女のことを好きなのか…?
「…いや…まだ出会って日も浅い…」
好きな訳…ない
そうだ…
俺は南野秀一であって妖狐蔵馬だ…
人間の女と一緒になったところで
俺は幸せに出来ない…
それから俺は
仕事に集中し、電車ではなくバスで帰るようにして
彼女と会わないようにした
山田にも何度か誘って貰ったが…
「…やっぱりこの前…俺迷惑掛けちゃったから嫌われたんだ…」
…いや…そうじゃないけど…
山田の誘いも断っていた
はじめの頃は少し時間があると
彼女のことをふと思い出していたが…
最近は彼女のことを想う時間も少なくなっていた
そんなある日
久々に幽助と桑原くんから飲みの誘いがあり
俺は2人と今度の金曜日に会うことになった
続く
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