First Love
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
`+:*3話*:+`
電車の乗るたびに
彼女に会えるんじゃないかと期待している自分がいる
だがその期待は裏切り続け
彼女に会うことはなかった…
「南野さ〜ん!最近帰るの早くないですか〜?
俺もっと南野さんとおしゃべりしたいんですけどぉ〜」
山田…
なんだその話し方は…
「と言うわけで…今日は俺と飲みに行ってください!」
「……」
「はい!だめで〜す!強制で…「うん…いいよ」
「え……ええぇぇぇーーーー」
…うるさい…
「あの顔も良くて頭も良くて仕事が出来る南野さんが…
俺と飲みに行きたいって言ってるー!!」
いや…言っていない…
「顔は少し嫌そうだったけど…そんな南野さんのことも…俺っ好きっす!!!」
…
「山田くん…行かないんですか?」
「行くっす!!俺一生南野さんに付いて行くっす!!」
山田のこういう素直なとこは嫌いじゃないんだよな…
山田と会社を出て近くの居酒屋に入った
「それじゃあ南野さん!乾杯!!」
「うん…乾杯」
俺はビールを一口
山田はビールを一気飲みした
「…ぷはー!あー美味しい」
「ふふ…いい飲みっぷりだね」
俺はメニュー表を片手にどれを頼もうか選び始めた
「…南野さん…聞いてくださいよ〜」
「ん?どうしたんですか?」
空になったジョッキに手を添え山田が口を開いた
「…こまたろちゃん…覚えてます?」
「…あ…あぁ」
こまたろちゃんという名前に少し動揺してしまった
「こまたろちゃん…好きな人がいるみたいなんですよ〜」
メニュー表を捲る手が止まった…
「俺ぇ〜こまたろちゃんに告白しようと思って…好きな人いないか探りいれたんすよ〜
そしたら高校生のときからずっと同じ人を想ってるみたいなんすよね〜」
そう…なんだ…
「なんか危ないところを助けてもらってとかで〜
…そんなずっと想われているなんて…なんて贅沢な奴!!ね!南野さん」
「えっあ…あぁ…まぁ早めに知れて良かったんじゃないかな」
…自分に言い聞かせてるみたいだ…
「そうすかね〜なんかこう…そいつよりも俺のほうが良いってことを知ってもらうとか出来ないですかね〜」
「はは…本気で好きになる前で良かったじゃない…」
「俺は本気でこまたろちゃんのことが好きですよ〜」
それから
山田がずっとこまたろちゃんのことを話していたが…
俺はずっと上の空だった…
「…ふぅ〜終電に間に合った…」
あれから山田に2件目も付き合わされ
酔いつぶれてしまった山田をタクシーに押し込み
俺も駆け足で終電に乗り込んだ
「ふぅ…」
最寄り駅に着き
今日あったことを思い出す
好きな人がいる…か…
いや…俺には関係ない…
…関係…ないよ…
「あ!南野さんだ!」
声をした方に目線をやると…
彼女だった…
「わ〜!また会えましたね!今まで飲んでたんですか?」
「あ…あぁ」
あ…なんか今会いたくなかった…かも…
「え〜飲んでたんでしたらお店寄ってくれれば良かったのに〜」
「はは…山田が酔いつぶれてしまったからね…」
どうにか言い訳をしてこの場を立ち去りたかったが…
「…南野さん…少し時間ありますか?」
「…え?」
「あの…少しお話したくて…」
俺は今は会いたくなかったかもと思いながらも…
彼女からの誘いに嫌と言えず…
「…いいよ」
と返事をした
続く