First Love
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`+:*1話*:+`
いつも同じ毎日
会社に出勤し溜まっている業務を片付ける
昼は近くの定食屋さんに行き
今日はどの定食にしようか迷う瞬間が少しの楽しみ
午後は残業がなければ18時定時で帰社し
そのまま一人暮らしのマンションに直行
高校生の時
幽助が提案した魔界統一トーナメントで
俺は人間界で南野秀一として生きることを決めた
こんな毎日を過ごすなんて
昔の俺には考えられないな…
今年も10月に入り
毎年この時期にふとそんなことを思う
「南野さ〜ん」
「どうしたんだ?」
職場の後輩山田が声を掛けてきた
「どうしたって今日は金曜日ですよ〜!今日こそは俺と飲みに行ってください!」
「…いや俺は…」
「はい!だめで〜す!強制で〜す!」
俺の言葉を遮り強引に繁華街に連行された
山田は人懐っこい性格だが少し強引なところがあり苦手なんだよね
ん…まぁでもたまにはいいか
しかし…
山田が連れてきた場所は…
「山田くん…ここは?」
「え?俺おすすめのガールズバーですよ」
いやですよって…
繁華街の路地裏に
古びたビルの一角にある少し小さめのガールズバー
「山田くん…すまない…俺こういう店は苦手で…」
「南野さん!大丈夫っすよ!俺が着いてますって!ささっ行きますよ」
ほんと山田のこういう強引なとこ苦手だ…
山田を先頭に店の中に入っていく
「…え〜っと…あっ!いたいた!こまたろちゃ〜ん!!」
山田はお目当ての女性を見つけたのか入口付近で手を振っている
「あっ!山田さん!今日も来てくれたんですね!」
今日もって山田は毎日来てるのか…?
山田のお目当ての女性…少し気になるな
「ね!ね!こまたろちゃん!昨日話した南野さん連れてきたよ〜」
俺…?
「ほんとに?早く入って座ってください!」
「さっ南野さん!」
「あ…あぁ」
山田に招かれ俺はお店の中に入った
すると目の前に
【こまたろちゃん】という女性が笑顔で迎えてくれた
「南野さん!初めましてこまたろです!」
「……あ…初めまして…南野です」
彼女は
目がくりっとしていて
髪は清潔感のあるウェーブかかったロングヘア
露出控えめなタイトワンピースを着ていた
幼いような…
でも少し大人びた雰囲気の女性だ
「山田さんから南野さんのお話聞いてます!お会いできて嬉しいです!」
彼女はにっこり笑った
その彼女の笑った顔が目に焼き付いて離れない
「カウンターにどうぞ!何飲みますか?」
「えっと…ハイボールでお願いします」
彼女ははい!と返事をしてお酒を作る準備を始めた
「ねね!南野さん!こまたろちゃん可愛いでしょ?」
「え?あ…うん…そうだね…」
もちろん可愛いと思う
「…はい!南野さん!ハイボールです」
でも…
なんだか
彼女に見つめられると…
目が…
離せなくなる…
「あ…の…南野さん?」
「…あっすまない…
とても綺麗な瞳だなと思ってつい見入ってしまった」
「あー南野さん!こまたろちゃんを狙ってます?」
あー山田…今絡んでこないで…
「ふふ…ありがとうございます。でも南野さんの瞳も翡翠色でとても綺麗ですよね」
彼女はそう言い俺の顔を覗き込んできた
トクンと心臓が鳴る音が身体中に響いた
見つめ合っている時間が少し止まっているような錯覚がした
「…ふふ…さっ乾杯しましょ!ほら山田さんも!」
彼女の一言で我に返った
その時は
彼女の可愛らしい見た目に少し惹かれたのだと思い
今日が終われば明日には忘れてしまうんだと…
俺はその時間を楽しむことにした
続く
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