花火大会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「わぁ〜すごい人…」
「あ!こまたろちゃん!こっちこっち!!」
「螢子ちゃん!」
`+:*花火大会*:+`
暗黒武術会が閉幕し
少し落ち着いてきたところ
地元の花火大会があるとのことで螢子ちゃんから皆で行こうとお誘いの連絡をもらった
人混みがちょっと苦手で行こうか迷ったんだけど
螢子ちゃんから…
「蔵馬さんも来るよ」
と聞き行くことを決めた
女の子たちは皆浴衣を着るというので
クローゼットから以前に着たことのある浴衣を引きずり出した
「ごめん待たせちゃって…」
「大丈夫よ!私たちもいま来たとこだし」
ね!と螢子ちゃんは幽助くんを見る
そこには既に幽助くん、桑原くん、静流さん、雪菜ちゃん、コエンマさんにぼたんちゃん
そして…
蔵馬くんもいた
心臓がトクンと音がするのが分かった
(ど…どうしよ…なんか緊張してきちゃった…)
蔵馬くんは桑原くんと話をしていたが
私が来たことに気づいたのかこっちを振り向こうとしていた
(蔵馬くん浴衣姿だ…かっこいいな…)
蔵馬くんの浴衣姿に見惚れていると
こっちに振り向いた蔵馬くんと目が合った
(うわぁ目が合っちゃった…なにか言わないとっっ)
私があたふたしていると
蔵馬くんはすぐにそっぽを向いてしまった
「花火会場は少し先のところです。移動しましょうか」
そう言い蔵馬くんは先頭で花火会場の方へと向かってしまった
(私…何かしちゃった…かな…)
いつもだったら優しく微笑んでくれるのにな…
皆で出店が並ぶ通りを歩く
桑原くんは雪菜ちゃんに良いところを見せようと射的に挑戦し
静流さんはビール片手にふらふら歩き
コエンマさんとぼたんちゃんも出店を1件ずつ見て楽しそうにおしゃべり
私は…
遠くなっていく蔵馬くんを1人眺めるだけ…
なんで今日は目を合わすなりすぐに逸らされてしまったんだろ…
目が合ったこと気づいてなかったのかな…?
「こぉら〜幽助〜」
「こっこまでおいで〜」
私も幽助くんと螢子ちゃんみたいに蔵馬くんと幼馴染だったら
こんなことで悩まないんだろうなぁ…
「はぁ〜…ん?あれ…?」
あれ?ここどこだろ?
皆いない…!
「色々考えごとして歩いてたから皆とはぐれちゃったんだ…!」
どうしよ…
こんな人混みの中皆を探せないよ…
……
このまま帰っちゃおうかな…
私1人いなくても花火大会は楽しめるだろうし…
蔵馬くんも…
今日は全然話せそうにないし…
「ねぇねぇ君1人?」
「え?」
知らない男の人が話しかけてきた
「俺、友達と来てたんだけどはぐれちゃったんだよね〜」
「…あっ私もです!友達とはぐれちゃって…帰ろうかなって思ってたとこで…」
「え!せっかく浴衣来て可愛いのに!
1人だと心細いからさ、一緒に花火会場のほうまで行ってみない?」
そういえば蔵馬くんたちも花火会場のほうに向かってたな…
人混み苦手だし
誰かと会話しながら向かったほうが良いか!
「…はい!お願いします」
「決まりだね!こっちだよ」
私はその男に付いていった
「あの〜ここって…」
男に付いていった場所は何故か花火会場から離れた人影もないところ
「…知らない人について行っちゃダメってお母さんに教えてもらわなかったの?」
「え?」
男は声色が変わった
「君、可愛いよね。知らない人にひょこひょこ付いて来るなんて君も期待してた?」
この人何言ってるの…?
怖い…
逃げなきゃ…
「あっだめだめ、逃げても無駄」
男に腕を捕まれた
「あっ…」
力強い…
振りほどけない…
「こんな人影がない場所ですることって言ったら1つでしょっ!」
「手…話してください…!」
「いやだね」
怖い…
どうしよ…
助けて…
蔵馬くん…
「…いててててぇぇ」
え?
「彼女は俺の連れだ…その手を離せ」
蔵馬くん…?
「あ?なんだこの女みてぇな奴」
男は私の手を話し蔵馬くんに殴りかかろうとする
「蔵馬くん…危ないっ!」
蔵馬くんは男の拳を軽々と避け
男は反動で転んでしまった
「おい…彼女に何かしてみろ…
俺は躊躇なくお前を…殺す…」
「…くそっそんなブス興味ねぇよ!!」
男は去っていった
「ふぅ…こまたろ大丈夫ですか?」
…蔵馬くん…だ…
「急にこまたろがいなくなったから皆で心配して探してたんですよ…でも無事に見つかってよかっ…て‥え?こまたろ?」
「え…?」
蔵馬くんが来てくれて安心したのか私は大粒の涙を流していた
「こまたろ泣かないでください…もう大丈夫ですから」
蔵馬くんが私の頭をぽんぽんしながらなだめてくれた
たぶんこの涙は安心して流れた涙かもしれないけど
蔵馬くんが普通に話しかけてくれて嬉しい涙も混じっていると思う
「…うん…ごめんね…なんか涙出ちゃった」
蔵馬くんを見ると少し困った顔をしていた
そうだよね…
急に泣くんだもん
困っちゃうよね…
「もう大丈夫!早く皆のとこ戻ろっ」
私は涙を拭い先に行こうとした
その時
蔵馬くんが私の腕をつかみ
「そんな顔で行ったら…皆心配するから…
もう少しここにいよう…」
と蔵馬くんはそのまま私をぐいっと引き寄せ抱きしめた
「く…蔵馬くんっ!?」
何が起こっているのか混乱している私の身体を
さっきよりも強く抱きしめる
「…俺が最初から側にいればこんな怖い思いさせなかったのに…すまない…」
「蔵馬くん…」
蔵馬くんの心臓の鼓動が早くなるのが分かる
「その…こまたろの浴衣姿が…可愛くて…
どう会話していいか分からなかったんですよ…」
え?
あのそっぽ向いたのって…
そういうことだったの…?
「でももう自分に素直になるって決めました」
蔵馬くんが少し身体を離し
お互い見つめ合う
「…俺はこまたろのことが好きです」
え…
えぇ…
えええぇぇぇーーーー!!
「…え…あの…こまたろ?何か言ってください」
「えっあっと?」
「ふふ…なんですかそれ」
優しく微笑む蔵馬くんが愛おしくて
私は蔵馬くんを思いっきり抱きしめた
「わっこまたろ?ふふ…痛いですよ」
「蔵馬くん…」
「…はい」
「…あの…私も…蔵馬くんのこと…えっと…す‥好き」
恥ずかしくて蔵馬くんの胸に顔を押し当て隠した
蔵馬くんも私を優しく抱きしめてくれ
「こまたろ…ありがとう…好きだよ」
ヒュ~ … … パァン
ヒュ~ … … パァン
ヒュ~ … … パァン
「あっ花火始まっちゃった」
「ここからでも十分に見えるんですね」
「あはは…あの男の人に感謝だね…」
二人で顔を見合わせくすくす笑う
花火は皆と見たかったけど
蔵馬くんと並んで見れる花火もとても綺麗…
「…こまたろ」
「ん?どうしたの?花火上がってるよ」
蔵馬くんは私の肩に手を添えてきた
「こまたろ…可愛い」
「えっ急に何…!?私可愛くないよ!さっきの男の人もブスって言ってたじゃん」
蔵馬くんはくすりと笑い
「あいつの目は節穴ですよ…こまたろは可愛いです」
蔵馬くんのもう一つの手が私の頬に添えられる
段々と花火の光に照らされた蔵馬くんの顔が近づいてきて
蔵馬くんの唇が私の唇に重なった
〜花火大会後〜
「あっいたー!おい蔵馬ぁ!こまたろー!」
桑原くんが私達を見つけこっちに駆け寄ってきた
「こまたろ見つかったんだな!良かった良かった」
「桑原くん…心配掛けちゃってごめんね」
「おうよ!こまたろがいなくなったっつったらよぉ〜蔵馬が血相変えてまこ探しに行っちまってよ〜」
そうだったんだ…
「まぁ俺らは蔵馬がいるなら大丈夫だろうと安心してたわけよ〜って何でお前ら手繋いでんだ?」
「ん?まあそういうことですよ桑原くん」
「ん?そういうことってどういうことだ?」
桑原くんの後ろで皆にやにやしている
「おい蔵馬、俺に分かるようにちゃんと説明しろ」
「和真ぁ!お前空気を読みなさい!」
「え!?姉貴?いてて離しやがれ!」
静流さんが桑原くんの耳を引っ張りその場から遠ざけてくれた
「…蔵馬さん!」
「螢子ちゃん?」
「こまたろちゃんを大事にしてくださいね!泣かせたら蔵馬さんにも容赦なくビンタしますから!」
「あ〜螢子のビンタはまじ痛いぜ〜蔵馬ぁ」
そうなのかと少し苦笑いになりながらも
蔵馬くんは
「螢子ちゃん…もちろんですよ
絶対悲しませるようなことはしない」
その言葉に安心したのか螢子ちゃんはにこっと笑い
「ほらっ幽助!二人の邪魔になるから私たちも帰るわよ!」
皆が気を遣ってくれ私たちを二人っきりにしてくれた
「俺達も帰ろうか…家まで送るよ」
「…うん」
手を繋いで家までの道を歩いた
蔵馬くんとの時間があっという間ですぐに家に着いてしまった
なんとなくまだ離れたくなくて…
蔵馬くんに
「もう一周する?」
っと言われ私達は家の周りをゆっくりと時間を掛けて歩いた
End