意識
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「振られた...」
私が今いるのは幼馴染の秀ちゃんの部屋
「それは残念だったね」
秀ちゃんは机に向かって学校で出た宿題をやりながら言う
「んもー!秀ちゃん!私振られたんだよ。冷たくない?
...初めての彼氏だったのになぁ」
いつも通り秀ちゃんのベッドに腰掛け
宿題をしている秀ちゃんの背中に訴える
秀ちゃんとは幼稚園から一緒で家も隣
母親同士も仲が良く私たちも気づけば一緒にいた
中学までは一緒に登下校もしてて
秀ちゃんはいつも笑顔で私の話聞いてくれて
自然と何でも話すようになっていた
「まっこまたろがそんなに落ち込んなくて安心したよ」
宿題が終わったのかパタンとノートを閉じ
ようやく目線をこちらに向けた
「え...。これでも落ち込んでるんですけど...」
「え?そうなの?」
キョトンとした顔で私を見る秀ちゃん
「そうなの!もーそこはさぁ幼馴染なんだから大丈夫?とか俺の胸かそうか?とか心配してくれてもいいじゃない」
口を尖らせぷいっと秀ちゃんのいない方に顔を向けた
するとふわりと頭に大きくて温かい感触
「ちょっ秀ちゃん?」
秀ちゃんが少し前屈みになって私の頭を撫でた
「よしよし」
子ども扱いしないでよと言いながらも
秀ちゃんのこの大きくてあったかい手で頭を撫でられるの
実は結構好きなんだよね
「大丈夫?」
「へ?」
「だから大丈夫なの?」
秀ちゃんは優しい瞳で私を見つめる
「う...うん。大丈夫」
なぜかその瞳に一瞬どきっとしてしまい目を逸らした
秀ちゃんは私の隣に腰掛け
私の頭を撫でていた手をするっと髪に絡め
自分の口元に持っていき軽く口付けをした
「し...秀ちゃん?」
私の呼びかけに目線が合う
「...俺の胸かそうか?」
「え?」
「こまたろが言ったんだよ」
秀ちゃんはくすりと笑いながら両腕を軽く広げる
「そうだけど!!そうですけれども...!!」
まさか秀ちゃんがそんなこと言うと思ってなかったし
どうしよ...なんかこの雰囲気にのまれて
鼓動が早くなっている気がする
私があたふたしていると秀ちゃんがほらっと私の左腕を引っ張る
「わっ」
バランスを崩して私は秀ちゃん腕の中にすっぽり入った
秀ちゃんの右手は私の背中に
左手は後頭部に添えられる形で抱きしめられた
「あああのっえっと...秀一さん!」
秀ちゃんは返事の代わりに頭をぽんぽんと撫でる
どうしよ
私今すごく顔赤いと思う
うわー心臓の鼓動もさっきより早くなってる
なんか恥ずかしくて変な汗かいてきた...
それにしても秀ちゃんっていい香りがするな
そういえば秀ちゃんって髪長いし顔も綺麗で落ち着いていて
あんまり男性って意識したことなかったけど...
力強い腕
硬い胸
そして華奢だけど大きい背中
「俺のこと少しは意識してくれた?」
耳元で秀ちゃんが囁く
お互いの身体を少し離し
至近距離で見つめ合う
綺麗な翡翠色の瞳が少しずつ近づいてくる
あ...私秀ちゃんとキスするんだ...
自然と目を閉じたとき
...ちゅっ
秀ちゃんは私の頬に軽く口付けをした
ぽかんとする私を見て秀ちゃんはくすくす笑う
そしてふわりと微笑み
「いつかこっちにしたいな」
そう言いながら
私の顎に手を添え親指で唇をなぞる
「...秀ちゃん、それってどういう意味?」
「さてね」
秀ちゃんはまたふわりと微笑みながら立ち上がり
「お腹空いてるでしょ?
母さんがこまたろ分の夕飯も作ってるからそろそろ行こう」
手を左右にひらひら振り
先に部屋を出て行ってしまった
「秀ちゃん!」
あれって...
私は秀ちゃんに触れられた部分を触る
「秀ちゃん、ずるいよ...」
あんなにドキドキさせられたら
意識しちゃうよ...
End
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