世界観

 古代の時代、皇ノ御子は神の子孫として全てを屈服させる神通力より絶大な権威を誇っており、また仁政により民草の心までを掌握していた。
 しかし、度重なる人との婚姻によって神の血が薄まり、ある皇ノ御子の代の時に傲慢な皇彦が臣下によって暗殺される事件が起こってから皇ノ御子の地位は形骸化し、臣下たちの合議制による傀儡政治が行われた。
 さらに時を経て、臣下同士の権力闘争が激化すると、臣下は競って自身の娘を嫁がせ、外戚として権力を握った。長子相続は守られず、反発する皇彦・皇姫は容赦なく廃太子された。
 ある時代に、幼くして即位した皇彦が急逝すると一度直系の皇統が途絶えることになる。すると当時一番の権力者であった臣下が遺言の内容を捻じ曲げて、新たな王朝を立てて国の支配者となった。これにより皇ノ御子は完全に政治の中枢から退く形となるが、ひっそりと地位は引き継がれる。
 新たな王朝は150年ほど続くものの強力な妖勢力の台頭で敗戦を繰り返し、各地の国主からの信頼を失う。また後継者問題で内部分裂しており弱体化していた。そこに再び皇ノ御子を王にしようと画策する勢力が立ち上がる。その時の皇ノ御子は400年以来の神通力を持つ皇姫であり、皇姫の行う儀式は時に雨を呼び寄せ豊穣を招き、時に妖を退けたことから住まう民からは現人神として崇められるようになった。皇ノ御子は王朝を倒すよう各地に号令し黒蝶家を中心とした朝廷軍と王朝軍は戦争ののち朝廷側の勝利に終わる。黒蝶家を宮処を守る守護者としての地位を盤石なものとしていたが、この戦いで更なる戦果を挙げたことで、従三位に叙された。
 以降安定した時代が続く。


---解説---
日本史をベースに歴史を綴りました。
3/3ページ
スキ