2019 クリスマス短編
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時計の針が夕方の5時を回った頃。
一日もかけずに作れるはずの、クリスマス定番のモノが作れた。
正直、ここまでお菓子作りに時間かかるなんて思わなかった。
おかしいな…クック〇ッドだともっと早く出来上がるはずなんだが…←
「でもまぁ、これで皆をようやく呼べる!」
よし!と意気込んで、私はメールで皆に連絡を入れた。
メリークリスマス 全員ver
メールを入れてから10分後、はじめに到着したのはルパンだった。
流石、女性の誘いには早い反応を見せてくれる。
「名前ちゃんきたよ~♪『とっておきのプレゼントをあげるよ』な~んて言われたら俺嬉しくって急いできちゃったよ♡」
「えへへ、ありがとルパン!」
リビングの中に入ってきたルパンは嬉しそうにしていた。
「プレゼントはどれ?名前ちゃん?」なんて言っていたけど、少し待つように伝えると「むふふ~楽しみだよ♡」って…何考えてるのか大体想像のつくにやけ面をしていた。
ルパンが到着してまた10分位した頃、次元と五ェ門が一緒にやってきた。
「おぅ、なんだ名前。予定があるとか言っておきながら結局呼んで…ってルパンもいるのかよ」
「げ、次元に五ェ門…。なぁ~んでお前らまで来るかなー」
入ってきて早々次元とルパンはお互い「うげー」って顔で文句を言っていた。
五ェ門は黙ってリビングのソファに着席した。
「名前ちゃーん、なんでこいつらまで呼んだのさ~。俺と2人きりでよかったのに」
それにプレゼントもまだだし、とルパンはため息を1つ吐く。
「プレゼントはまだひーみーつー。もう1人特別ゲスト呼んでるからもうちょい待っててw」
ふっふっふー!と意地の悪い顔で笑う私を見て、3人は頭にハテナを浮かべていた。
修羅場にならなきゃいいけどー、と思いながら3人をリビングのソファに座らせて待たせる。
シャンパンの準備でもするかな、と思った矢先にリビングの扉が勢いよく開かれた。
「るぱぁ~~~ん!…じゃなかった。ルパンの仲間の名字名前!貴様何故ワシのケータイのアドレスを知っておる!!」
犯人は銭形のとっつぁんである。
そう、招待メールは銭形のとっつぁんにも送ったのである。
…以下銭形でいいかな、うん。
銭形がリビングに入ってきた途端、私以外の全員が顔を見合わせてびっくりしていた。
「銭形のとっつぁ~ん!?なぁんでとっつぁんがここに!?」
「それはこっちのセリフだルパーン!」
一瞬その場に沈黙が走ったが、ハッとしたルパンは銭形を指さし、銭形もルパンを指さす。
こらこら、人を指さしちゃいけませんって教わらなかったのか、いい齢した大人たちよ。
それに合わせてか次元は腰のマグナムに手を伸ばし、五ェ門は斬鉄剣に手を伸ばす。
やっぱり修羅場になりそうだった。
「名前!これはどういうこった!」
「何故銭形がここに来ている!」
「え、そりゃクリスマスパーティーに招待したからに決まってるじゃん」
荒ぶる4人のセリフを一気に黙らせるが如く、私は平然とそう言ってのけた。
「え?今…なんて言ったの?名前ちゃん…」
「だーかーらー。私が銭形のとっつぁんも招待したの、ここに」
目をぱちくりさせているルパンは、ぽかーんとした表情に変わった。
他の3人も同じみたいだ。
そう、我ながら強引かな、とは思ったけど、ただクリスマスパーティーをしたいが為に銭形まで声を掛けたのだ。
あ、もちろんこうなるだろうなーと面白半分だったけど←
「ほらっ、皆面白い顔してないで座ろう。特別なプレゼントを用意してるから!」
4人にソファへ座るように促した。
銭形警部は「い、いやワシは…」と慌てているようだったが、気にしないで背中を押してソファに座らせた。
その後、ルパン達はまだ納得いかないといった顔で渋々席についた。
皆が座ったのを確認できた私はキッチンから例のアレを、ゆっくりと崩れないように持ってくる。
5号サイズ位の手作りクリスマスケーキだ。
「おぉー!」
「なるほどな…」
「けーき、だと…?」
「ほぉ~」
皆がそれぞれ違う反応をしてくれてて、なんか嬉しくてついついにやけてしまった。
ルパンは嬉しそうに驚いて、次元に至っては私が「今日予定が」って言った意味が理解できた、顔してる。
五ェ門はまだ少し状況に追いついていないのかケーキの意味が分からないのか首を傾げ、銭形は感心してくれていた。
「名前様の手作りクリスマスケーキなのだ!皆ありがたくいただくのだぞ」
ちょっと鼻高々に説明したら、次元が「いつも料理しねぇお前がよく作れたな」と厭味ったらしく言ってきた。
悪かったな、いつもルパンにご飯任せっきりで←
「残念ながら不二子ちゃんは予定あるから誘えなかったんだけど、どうせならいつものメンバーでクリスマス過ごしたいなーって思ってさ」
「だからって何もとっつぁんを呼ばなくても~」
ちょっと不服そうにしていたルパンだが「たまーにお世話になってるんだから、ちょっと位はいいじゃんか」と返すと「ちぇー」っと子供のように拗ねた。
「いや、しかしだな…!ワシは貴様らを逮捕するのが役目だぞ!?」
「私はとっつぁんともクリスマス過ごしたかったよ?だからメアド調べて招待したんじゃんか」
パソコンをカタカタ打つ真似をして、ニヤニヤしながらそう返すと「ハッキングしたのかよ」とボソリと次元の一言。
ハッキングー?そんなのしりましぇーん。
手が勝手に動きましたー←
「それにさ、たまにはいいでしょ、こういうのも。こういうのがないと、集まれないし。なんと言うか、忘年会…みたいな感じ?」
ちょっと恥ずかしそうに照れ笑いとして私がそう言うと、4人はそれぞれ笑い出してしまった。
クリスマスという日がそうさせたのか、それとも私があまりにも恥ずかしそうにそんなことを言ったのがそんなにも面白かったのか。
「ルパン!今日は見逃す形になるが、次は容赦せんからな!」と銭形も乗り気になり、ルパンも「期待して待ってるぜ~とっつぁん」と返して楽しそうにしていた。
その後は私の我儘が通ってクリスマスパーティーが開始された。
別にケーキ以外のプレゼントはないが、一応オードブルを店で買ってきたものを出して、お酒はシャンパンを用意した。
途中他のお酒も買いに行って、どんどんと皆酔っていく。
最終的にルパンと銭形は肩を組んで歌を歌い始めた。
次元も五ェ門もそこはかとなく酔っているようだった。
今年はいいクリスマスになってよかった、って心底思った。
来年も、皆元気でありますように。
願わくば、来年も再来年もずっとずっと先も、今度は不二子ちゃんも入れて皆でパーティーしようね。
日付が変わって、先に酔いつぶれて床に寝転がる酒瓶を抱いたルパンと同じく酒瓶を抱いた銭形の二人に毛布を掛けて私はそう思った。
おまけ(不二子Ver)
クリスマスが終わった翌日の朝。
不二子が自分の泊まっているホテルの一室へ戻ってきた。
「ふぅ…。今日は中々なお相手だったわ…ってあら?」
シャワーを浴び、水を取るために冷蔵庫を開けると、そこには自分には見覚えのない小さな白い箱が1つ。
何かしら?と開けると、そこには1人で食べきれる程の小さなカップケーキが手紙と共にあった。
「手紙…?誰からかしら?」
手紙を開いて不二子は「ふふっ」と笑みをこぼし、水ではなく紅茶の準備を始めた。
手紙には「メリクリ不二子ちゃん!こちらは色々と修羅場になりましたが、楽しめました!来年は一緒に騒ごうねw」と無記名で書かれていた。
「あの子のことだから急いで届けにきたのね。名前を忘れるくらいだもの」
名前が書いていなくても、不二子には誰からの贈り物かは分かっていた。
「来年、ね。先に予定に入れておかなきゃね。楽しみにしてるわ、名前」
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こんな日がほんとに在ればいいのにって願望。
ほのぼのしてるように見えたら幸いです。
メリークリスマス。