変態に恋された 相手:涅マユリ
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4.食べちゃうぞが冗談に聞こえません
セクハラ、ストーカー、盗撮。
NEW!不法侵入!
「ぜっんぜん嬉しくない」
心の中にぽんっと浮かんだワードに対して、手をぱっぱと振り軽く否定した。
そんな事を執務室でやっていたもんだから、隊長たちに「何してんだ」って顔された。
「レイちゃんどうしたの~?」
テーブルの奥からひょっこりと顔を出してきたやちるちゃんに、ちょっと癒される。
「いやーなんでもないですよ、大丈夫大丈夫!」
「マユマユに何か言われたの?」
ぎくっ
子どもって感がいいのか、すぐに確信をつかれた。
あ、ちなみにマユマユっていうのは涅隊長のことらしい。
涅隊長の話になった途端、あからさまに表情が変わった私を見ると弓親さんは「ははーん…」ってにやつきだした。
「さては、告白でもされちゃったのかな?なーんて」
ちょっと冗談っぽく言ってきたけど、まさにその通りすぎて私は「はははっ…」と視線を明後日の方向へ向けた。
その瞬間皆がぎょっとして、驚いた顔でこっちを見てきた。
そしてまた憐れんだ目でこっちを見てきた。
「な、何ですか…そんな目で見ないでくださいよ」
「いや、うん…なんかごめんね」
弓親さん、謝らないで、顔背けないで!
「これから大変だな…お前」
「こればっかりは俺もどうしようもねぇな」
一角さん、やめて、そんな可哀想なものを見る目しないで!
そして隊長!諦めないで!!
「でもレイちゃんマユマユのこと好きだから両想いだね!」
やちるちゃんがそう言った瞬間、その場は静まりかえって、私は本当に子どもって怖いもの知らずだと思った。
遠からず当たっている答えなんだけど、今それを言っちゃいますか!
段々と気まずくなってきた私は「ちょっと用事思い出したので外行って来まーす」とその場から逃げ出した。
正直、あの場に留まっていてもやちるちゃんから質問攻めにあいそうだったし、これ以上涅隊長との事を詮索されたくなかった。
同じ変態だと思われてしまいそうで(遠い目)
「にしても…今日はこれからどうしましょ」
外に出てきたのはいいものの、別に仕事があるわけでもなし。
とりあえず、やちるちゃんがこれ以上誰かに涅隊長とのことを話さないように口止めすべく、金平糖でも買おうか考え菓子店に足を進めた。
まぁ今更遅いのかもしれないけど…。
やらないよりマシだよね!
あと自分の分も金平糖欲しいし!
堂々とサボれると思い、ちょっと嬉しくなっていると突如後ろから誰かに抱きしめられて、頭が柔らかいナニかに包まれた。
「なーに1人でニヤついてんのよレイ!サボりかしら~?」
「ら、乱菊さん!?ちょ、やめてください!」
誰かは乱菊さんで、ナニかは乱菊さんのお胸だった……おっきいな、ちくせう。
すぐに乱菊さんのお胸から解放され、やれやれと振り向くと乱菊さんの隣りには日番谷隊長もいた。
…凄く気まずそう、というか恥ずかしそうな表情である…。
「どうも…」
「…おう…」
お互いなんだか気まずくなって短めに挨拶を交わしていると、空気を読まない乱菊さんは「そう言えば!」と新たに話を切りだしてきた。
「アンタ、あの涅隊長と付き合ってるんだって!?」
あっれれー?まだ付き合ってるとかじゃないんですけどー?
つか何で知ってんねん。
あ、いや、犯人は十中八九やちるちゃんだわ。
「…一応何で知ってるのか聞いてもいいですか」
「あら、否定しないのね。やちるがさっきから言い回ってるわよ?」
ほらね!ほらね!!
そして日番谷隊長も更に気まずくなってるし!!
あっけらかんとして話す乱菊さんを目の前に、私は「もうやだ」と両手で顔面を覆った。
「もうお嫁にいけなくなっちゃう…」
「なーに言ってんの、涅隊長が貰ってくれるでしょうに」
「いや、んー…うん、もうそれでいいや」
段々と訂正したりするのが面倒になってきて、私はがっくりとうなだれるしかなかった。
「で?本当に付き合ってるの?」
「んー友達以上恋人未満?みたいな感じですが…」
一応事の真意を確かめてくれた乱菊さん。
「まぁ、やちるちゃんが言い回ってるなら訂正してもあんまり意味ないですけどね」と呟くと、それもそうだと肯定されてしまった。
「でもあれよね、いつかはこうなると思ってたわよ?涅隊長にしては珍しいアプローチしてると思ってたし」
「あ、やっぱりアレってアプローチだったんだ」
「きっとこの話が広まる頃には、アンタ涅隊長においしく食べられちゃうんじゃない?」
ニヤニヤと笑って乱菊さんがからかってくるが、冗談に聞こえなくて困る(遠い目)
そんな会話を聞いてられないと思ったのか、日番谷隊長は顔を赤くしてこちらに背を向けてきた。
うぶですなー。
「もー、嫌なこと言わないでくださいよ乱菊さん。それよりも日番谷隊長が大人な会話に入ってこれずに気まずそうにしてますよ」
「ばっ…!そんなんじゃねぇ!」
「もー、たいちょーったら~、話に混ざりたいなら混ざってくれても良かったんですよ?」
恥ずかしそうにしてる日番谷隊長を分かっていながら、乱菊さんと2人でからかっていると「うるさい!」と真っ赤な顔のまま日番谷隊長は素早く消え去って行った。
後を追うように、乱菊さんも笑ってその場を後にした。
2人が去るのを見送って、嵐が去ったと溜め息を1つついて後ろ髪を軽く掻いた。
少なからず今日明日にでも、涅隊長にもこの話が広まっていることが耳に届くだろう。
別に嫌じゃないけど、なんか複雑な気持ちだ。
…あれ?そう言えば今日はまだ涅隊長に会ってないけど…どうかしたのかな?
昨日は自分の部屋に誘う気満々でいたっていうのに、と思ったがこんな日もあるかと楽観的に考えて、その日は少し散歩してから自分の金平糖だけを買って隊舎へ戻った。
すぐに言いまわるやちるちゃんには…金平糖なし!