変態に恋された 相手:涅マユリ
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3.くっつかないでください移ります変態が
セクハラ、ストーカー、盗撮。
これまでに幾度となく涅隊長はやらかしてくれた。
先日、なんで付き纏うのか聞いたら訳の分からない解答をされて、私は現在進行形で悩み困っている。
「んーーーー…」
「なになにーどうしたの?」
執務室で腕を組んでうんうん唸っていると、やちるちゃんが机の反対側からひょっこり顔を出してきた。
いつ見てもかわいい←
「いやー、この前涅隊長になんで付き纏うのかようやく聞けたんですよ。そしたら訳の分からない事言われて…」
「なんて言われたの?」
「えっと、確か…前は研究対象で興味があったけど今は違う、って感じでしたかね?」
多分、大体こんな感じであってたはず。
「それがどういう意味か分かるかーって言われたけど分からなくて困ってるんですよね」
そこまで言うと、やちるちゃんを含めて執務室にいた更木隊長、一角さん、弓親さんは揃って「あー…」と呟いて、なんか分かったわって感じの声を出していた。
え…分からないの私だけかい?
「どゆこと??」
「レイ、それは自分で気付かなきゃ意味がないかもしれないよ」
そう弓親さんが諭すように、でもなんか少し憐れむような目線を向けて言ってきた。
まったくもって分からないままの私。
結局そのまま誰にも教えてもらえず1日を終了させた。
次の日、十一番隊隊舎の前でまた涅隊長に出くわした。
挨拶をして隊舎の中に入ろうとしたら、腕を軽く引っ張られ立ち止まる事になった。
「待ち給エ。この間の意味は分かったかネ?」
「え、あー…まだ、ですが…」
朝からどうしたのかと思ったらそれかい!
昨日皆は分かってたけど、結局私だけが分からず仕舞い。
すると涅隊長は、また少ししょんぼりしたような顔になった気がした。
気のせいか?
「あー…やっぱり何回考えても分からないので…どういう意味なのか教えてほしいのですが、ダメですか?」
何故か分からないが、これ以上涅隊長のことを悲しませたくない、と思ってしまった。
だからもう直接聞いてしまえと、そう質問すると涅隊長は少し黙った。
小さな声で何かを答えてきたが、よく聞こえなかったので私は「え?」と聞き返した。
「ワタシが、キミの事を、好きだという意味だヨ」
「…ふぁい?」
突然の告白に、私は思考が追い付かず間抜けた返事をした。
すき?すきってあのすきですか?
「えっと…それはー…らぶなほうで?」
「それ以外何があるのかネ?ン?」
涅隊長は至って真面目な様子で、ちょっと怒ったように眉間に皺を寄せて言ってきた。
あーなんか更木隊長たちが憐れんだ目で見てきた理由が少し分かった気がする。
と言うか、私はこの人に好かれてたのか、異性として。
多分今までのセクハラとかストーカーとか盗撮は、彼なりの愛情表現…だったのか?
それが分かってしまった隊長たちは「あんな奴に好かれてご愁傷様」って意味で憐れんでたんだ。
「それで、返事はどうなのかネ?」
あ、ちゃんと返事を待ってくれてたのね。
そういうとこは…うん、好感を持てる。
「あー…別に私、涅隊長のは嫌いじゃないです。でも、すぐに好きとか付き合うとか…は出来ないので、お友達?からでも、いいですか?」
こんなセリフを更木隊長たちに聞かれたら「変わり者」って言われるんだろうな。
でも、なんでかな、私は別に涅隊長の事を嫌いになれなかった。
なんやかんやストーキングとかされてても楽しんでたのかもしれないなー(遠い目)
返事を伝えると、涅隊長は少し嬉しそうにちょっと笑ってた。
ちょっと可愛いとこもある人だなぁ…。
その日から私と涅隊長の(奇妙な?)お友達以上恋人未満な関係が始まった。
始まったんだけどさ…
「…だからってどうして私の部屋にいらっしゃるんですか、涅隊長」
仕事終わり、部屋へ戻ると涅隊長が不法侵入していた…。
顔を引くつかせて聞くと、彼はさも当たり前かのような顔をして
「ン?互いをよく知る為に決まっているじゃないカ。ああ、心配しなくとも明日はワタシの部屋にレイを招待するつもりだヨ!」
って意気揚揚と答えられた。
しかもスススッと私の横の方に近づいたと思ったら、腰に手を回してきた。
あ、やっぱりこの人言葉通じてないわ。
卯ノ花隊長顔負けのいい笑顔が出来たとこで、私は涅隊長から離れた。
「くっつかないでください。変態がうつりますので」
そしてそのまま部屋の外へ涅隊長を押しやり、強制退場してもらう。
なんか追い出された涅隊長は、何が何だか分からない、って顔してたけど…まぁいいや。
あれだ、今度からこの人には、人との付き合い方を0から教えないとダメなパターンだ。