変態に恋された 相手:涅マユリ
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2.盗撮が犯罪って知ってますか?
現世に任務に行った時のこと。
ふと街中を見ていたら、どう見ても不審者丸出しな男が、可愛い女の子の後をつけていた。
「あれば俗に言うストーカーってやつかー…」
って、その時はのん気に思ってた。
今思えば、私も同じようなことされてたっけ。
瀞霊廷内を散歩しながらそう考えていると、後ろの方でカメラのシャッター音が聞こえた。
振り向くが、誰もいない。
あ、いや、正確にはいるけど見えない、だ。
「はぁ…涅隊長、いらっしゃるんですよね?」
溜め息混じりで私がそう言うと、白壁の一部にぼんやりと人影が現れ、それはとても見覚えのある姿になった。
毎度おなじみ、涅隊長だ。
「さすがワタシのレイだヨ。よくワタシの居場所が分かったじゃないカ!」
「誰が貴方のですか、誰が」
涅隊長はカメラを首からぶら下げており、嬉しそうにこちらに近づいてきた。
つかカメラなんてどこで手に入れた、この人。
最近、ストーキングだけでなく盗撮も始めた涅隊長。
この人に犯罪の概念はないのだろうか?
段々とこの人を隊長格の1人として見れなくなってきた私がいる。
「涅隊長、盗撮は犯罪なのですよ?ご存知ですか?」
「そんなに他人行儀にならずともいいじゃないカ。キミとワタシの仲ダ」
どんな仲だ!
ああ言えばこう言う。
この人に言葉は通じないのか!
周りにも何人か死神が通っていたが、皆関わり合いになりたくないのか私たちを避けて歩いていた。
また1つ溜め息をついて、私は涅隊長を無視して歩き始める。
今日は折角の午後休なんだからそっとしておいてほしかった。
だがそんな願いは涅隊長に伝わるはずもなく、彼は私の後ろをついて回って来た。
そんな異様な光景は、ここ最近では瀞霊廷では慣れた景色と一緒になっているらしく、皆一瞬驚いたような顔をするが、すぐに顔を逸らして避けていく。
さようなら、私の平和な死神ライフ…。
「(あ、いや、11番隊に配属になった時点で平和でもないのか?)」
「考えこむレイの顔もいいものだネ。何か悩みでもあるならワタシが相談にでも乗ろうじゃないカ!」
カシャっとカメラの音が1つ。
いつの間にか目の前にきていた涅隊長は、レンズを見ないでカメラのシャッターを切っていた。
器用だなー、とか思いながらも「目の前に立たないで下さい。歩くのに邪魔です」とすかさず私は隊長格を邪魔扱いをしていた。
別にそれで涅隊長が怒ることはなく、素直にどいてくれて今度は隣りを歩いてきた。
一体この人は何がしたいんだ?
以前から思っていた疑問。
いい機会だし聞いてみるかと思い、私は立ち止まって涅隊長に声を掛けた。
「涅隊長、聞きたいことがあるんですけどいいですか?」
「ン?なんだネ?何でも聞き給エ!」
何故そんなに嬉しそうな顏をするのか分からないけど、一瞬涅隊長のことを可愛いとか思ってしまった。
「(目の錯覚目の錯覚…)えっと、失礼は承知で聞きますが、何故涅隊長は私に付きまとうのですか?噂では、私に対して興味が出て観察していると聞きますが」
そう聞くと、涅隊長は首を傾げて「フム」と考えこんだ。
そうやって黙ってるとかっこいい方なんだけどなぁ、とか思っていると涅隊長の中で答えがまとまったようで視線が合った。
「はじめは、あの十一番隊に珍しく女が入ったと聞いてバカにしてやろうとしたのだヨ」
「…はぁ」
「どんなヤツかと思って、無論観察と実験を兼ねてだが、見に行けば面白い位にワタシの興味が引かれていた」
「…はぁ」
そこまで話すと、涅隊長は少し黙った。
真剣な顏をして話しているが、やっぱり観察してあわよくば実験しようとしていたのか、と私は軽く流して聞いていた。
そして涅隊長は、次にこう続けた。
「始めこそ研究者として興味を持っていたが、今は違うのだヨ。…この意味がキミには分かるかネ?」
いきなり意味が分かるかと言われても、分からなかった私は自然と首を傾げていた。
「ちょっと、何を言ってるのか分からないです…」
「…そうカ」
それだけ言うと、涅隊長は少ししょんぼりした様子で「今日はこれで失礼するヨ」と去って行った。
未だに涅隊長の真意が読めていない私は頭を悩ませる。
つまりどういうことだってばよ??