変態に恋された 相手:涅マユリ
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1.スキンシップじゃなくてセクハラです
あれは、私が四番隊から十一番隊への異例の配属が決まった後からの事だった。
十一番隊はしょっちゅう怪我をする人がいて、その上治療を拒否したり四番隊で暴れたり、挙句四番隊をバカにすることが多々あった。
それを愁いた卯ノ花隊長が、人柱…いや生贄、いやいや治療がある程度出来る人材を異動させることに決めたのだ。
それが私だ。(遠い目)
「貴女ならあそこでもやっていけますよ。お願いしますね」
なんて卯ノ花隊長に言われてしまっては断ることすら出来ない。
と言うか、行けと言わんばかりの笑顔だったのを今でも忘れない←
まぁ、そんな経緯があって私は十一番隊に配属になった。
始めの内は元四番隊と言う事もあってか、皆が皆私を遠巻きにバカにしてきた。
やれ治療しか出来ない無能だの、お荷物だの、女のくせにだの…。
あまりの言われようにぷっちーんと来た私は、とある鍛錬日に末席の人からフルボッコにしてあげた←
「いいか!あくまで四番隊は治療に長けてるだけで戦闘が出来ないわけじゃないんだからな!」
その時の私は、木刀を肩にトントンとさせて仁王立ちして、気付けばそう言い放っていた。
伊達に四番隊で死線(という名の治療繁忙期)を過ごしてなんていないさ!
体力には自信ありまくりだぜ!
流石に三席の一角さん相手では苦戦して負けてしまったが、筋が良い褒められた。
ちなみに、五席の弓親さんには汗かくからやりたくない、って断られた…。
まぁ、その一連の出来事があってからと言うもの、色々と周りの環境は変わった。
私のやり方を面白がった更木隊長が、四席に推薦してきて席官となったり、フルボッコにした人達からは「姐さん!」って不本意ながら呼ばれたり。
挙句の果てにはストーカーが出来た←
さてさて、そのストーカーと言うのがこちら、十二番隊隊長で技術開発局局長でもある涅マユリ殿だ。
「ホゥ、レイは随分と綺麗な字を書くのだネ」
「ありがとうございます涅隊長。ですがここは十一番隊隊舎なのですが」
書類整理をしている私の机の前に居座る涅隊長。
遠回しに自分の隊舎に戻れと言うが聞くはずもなく「ハテ?」とすっとぼける。
なんでも今までの出来事を聞いた涅隊長は、私に興味が出たらしくほぼ毎日と言っていいほど十一番隊へ通い私の観察をしているという噂を聞いた。
いい…いや悪い迷惑、つまりただただ迷惑だ。
なんならサラッと下の名前で呼んでくる始末。
なんなんだこの人。
怖さ半分呆れ半分な私は、時々更木隊長達に助けてくれと視線を送るが、面倒なのか助けてくれるはずもなく…。
こうして私の1日は涅隊長の観察の為に消費されていく。
とある昼下がり。
その日は隊長達がいなく、1人で執務室で仕事をしていた。
「あれ…もうちょい…!とど、けっ」
棚の上にある資料が必要になり、身長の小さい私は頑張って背伸びをしていた。
あともう少し、と言う所で中々それに手が届かなくてぷるぷるしていると、後ろからスッと白い手が伸びてきた。
一瞬驚いてしまったが、嗅ぎ慣れた薬品の匂いで誰が後ろにいるのか分かった。
その手は、私が取ろうとしていた資料を取ると「これかネ?」と渡してきた。
「ありがとうございます。…涅隊長」
言わずもなが、そこにいたのは涅隊長である。
また十一番隊の隊舎に侵入してるのは突っ込まないぞ。
振り向くと意外にも涅隊長が近くにいて、少し顔を逸らす。
頑張って背伸びしていた現場を見られた恥ずかしさもあってか、ちょっと顔が熱い。
「フム、顔が赤いようだネ」
すると、熱でもあるんじゃないカ?と涅隊長は私の額に手を当ててきた。
ひんやりとしていて気持ちいい、なんて一瞬思ったがすぐにハッとして後ろに下がった。
まぁ、下がった所で棚があってそんなに下がれなかったけど。
「せ、セクハラ紛いな事は控えてください!」
「ハテ?キミのとこでは額に手を添えるだけでセクハラと言うのかネ?」
首を傾げてそう聞いてくる涅隊長。
もちろんこれ位でセクハラなんて思ってない。
ただ単に恥ずかしかっただけです、なんて言えない!つか言えるか!
「も、申し訳ありません。ですが過度なスキンシップは…」
そこまで私が言うと、涅隊長は私の頬に手を添えてきた。
一瞬ドキッとして「あれ?何このシチュエーション」ってときめいたけど、次の瞬間にはそんな考えを持った自分に呆れた。
「それにしてもレイは肉付きがいいようだネ。ワタシとしてはもう少し胸の辺りにもほしい位だが…まぁそこはいいとしようじゃないカ」
「……はい?」
いきなり何をおっしゃっているのだろうか、この人は。
ああ、今なら卯ノ花隊長の微笑みを真似できそうだわ。
にっこり笑って私が聞き返すが、涅隊長はこれっっっっっぽっちも悪びれておらず、ぺちぺちと私の頬を触り続けていた。
この人、本当に何がしたいんだよ。
「お帰りください」
流石にもう我慢が出来なくなった私はぴしゃりとそう言い放つと、すぐにその場を立ち去り、ひとまず隊員たちのいる鍛錬場へ足早に向かった。
残された涅隊長が後ろで「ハテ?」なんて間抜けた声を出していたけど気にするもんか!
訂正、あれはスキンシップじゃない。
立派なセクハラだった!
少しでもときめいた私のバカ!
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あとがき
『恋人がドS』の2人が恋人になる前の話です。
卯ノ花隊長の笑顔が怖い。
マユリが変態で、そうじゃないと感じる方がいたらすみません。
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