空色バレット
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昨日、ふいっと行った美術館で驚いた。
変装していたとは言え、ルパン一味に会えるなんて…。
「えへへ…嬉しいな。やっぱり、たまに色々出かけるのは大切だね」
昨日の教訓もあってか、私はイソイソと今日も出かける準備をした。
あの美術館で、あんな会話をしていた、ということはそう遠くない未来に、ルパン一味はあの宝石を盗むんだと思ったから。
つまりは暫くの間は日本にいる可能性がある!(どやっ!)
「と!言うわけでいざ出陣!ルパン一味、そして一番に次元大介捜索し隊!」
まぁ、隊って言っても自分一人なんだけどね、と自分にツッコミを小さくした後、私は家を出た。
ー 2日目 バーにて ー
「やっぱり見つからないよねぇ…はぁー」
ため息をつきながら街をぶらついていた。
まぁ、なんというかそんな簡単にルパン一味が見つかるわけはなかった。
探す、と言っても美術館近くの駅や、街の中心部の駅近くを歩いていただけなのだ。
流石に駅内のお土産屋さんも見て回ったけど、いるはずもなく小さなため息を吐いた。
「寒いなー。でも、このまま帰るのもなんだしなぁー」
折角外に出たのだから、とどこかに寄り道したいと考える。
その時「あぁそう言えば」とあることを思い出す。
両親の知り合いが経営しているバーのことだ。
お酒を提供する場所だったけど、小さい頃から連れて行ってもらってたっけ。
もちろん両親が突如消えてからも、時々顔は出してるけど…。
(あの能天気おバカさん達の情報が入ってきてないか聞くために)
「今日もあそこ行ってみようかな。久しぶりにマスターの作ったカシオレ飲みたいし!」
胸の近くで小さくガッツポーズを決めると、私はバーへ向かうべく自宅近くの駅まで戻った。
バーが家との反対方向だから時々めんどいと思ってしまう今日この頃。
しかもバーの近くの路地は薄暗い時が多く、なんというか…正直危ないんじゃないかと思う。
「(まぁこんなのが狙われたら世も末だけど)」
駅を降りて、行き慣れたその道をすいすいーっと歩いて、数十分。
寒空の下、腕時計を改めて確認するともう夕方の6時も迫ってた頃だった。
カランカラン…。
洒落た店ならある?店の扉の鈴が低い音を鳴らした。
「マスターお久しぶりー。カシオレくーださい」
店内に入り、マスターが私の確認をすると「はいよ」とにこやかに準備をしてくれた。
バーは静かなジャズが流れており、店内のお客は自分ともう一人、男性しかいない状況だった。
「(珍しいなー…人が少ないの)…って…へ?」
店内を見て不思議に思った矢先、カウンターに座っていたもう一人のお客に気づいて、私は間抜けな声が出た。
そこにいたのは、夢にまで見た次元大介その人だったのだ。
「!?!?!?!?」
声に出ない叫びが頭の中で飛び交う。
嬉しすぎて鳥肌が立った。
相手はというと、ちらりとこちらを見てからまたお酒を飲みだす。
嬉しさと緊張がごちゃごちゃしていたけど、私はカウンターにいる彼の隣りに行った。
「あ、あの!次元大介さん…ですよね?!」
あ、今なんか声が変に跳ね上がった気がする←
「・・・」
返事はない、ただのしかb…ってんなわけあるか!(ツッコミ)
返事をもらえず一瞬ガッカリしたけど、私は彼の隣りにそのまま座った。
あっちからしたら鬱陶しいだろうな…←
少しするとマスターが私にカシスオレンジを出してきた為、歩き疲れて喉が渇いていた自分はぐびぐびと飲み始めた。
それからすぐに2杯目のカシスオレンジが出てきて、飲み始める。
ペースが早いなーとか、今日はいつもより気分がいいなーとか思った。
きっと次元が隣りにいるからだろうね!うん!
「(あ~、にやついた顔が戻らない…!)あの!私次元さんのファンなんです!ずっとファンで!その!あ~…なんと言えばいいのやらぁ~…/////」
酔い始めたのか、勢いでそんなことを言い始める自分。
大好き次元が隣りにいる、という幸せな現状の為かカウンターにうつ伏してデロデロに溶けてしまう私。
ええ、そりゃもうどろっどろに溶けてます。
隣りに座っている次元は少し呆れた様子で小さなため息をついていた。
呆れた姿も素敵だ…!(重症)
と心の中でガッツポーズを決める。
「おいランドル、こいつどうにかしろ」
「まぁ…悪い子じゃないから」
ランドル、っていうのはここのマスターの名前…だったっけ?
名前で呼んでないから知らんかった←てか外人だったのね、マスター
と言うか、2人でため息つかないで、いくら私でも傷つくわ。
「次元さんもマスターも酷いぃ…。私はただ一緒に飲みたいだけなのにぃ…」
「俺は許可した覚えはねぇ」
まともに返事をくれたと思ったらそっけない。
だがそれもいい。(ぇ
「そもそもここは子どもが来るところじゃねぇ」
そう言うと次元は飲んでいたバーボンを傾けた。
こ ど も じゃ な い !!(酔ってますね)
「子どもじゃないです!もう立派な成人、おーけー!?」
「うるせぇ…」
それから暫く私は騒いでたと…思う。
途中から眠っていた為か記憶が曖昧なのだ。
それでも次元は隣りにいてくれていたのを、うっすら覚えている。
それだけで嬉しくて、私は更に溶けていった。