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「仕事が1つ片付いたことだし、次は日本にでも行こうっかな~」
ルパンはいきなりそう言った。
俺も五ェ門も、鳩が豆鉄砲くらったような顔をしちまった。
今回のスパンは随分と短いじゃねぇか。
「いきなりどうしたのだ。お主、そこまで仕事熱心だったか?」
俺よりも先に五ェ門が切りだした。
するとヤツときたら「な~んか掘り出しものがあるらしいのよん」とにやにやと笑ってやがる。
はぁ…どーせまた不二子にでも何か強請られてんだろうよ。
別に俺も五ェ門も何か用事があったわけじゃないし、久々に日本にも行っておきたかったから仕事への参加を了承した。
それが、つい1週間前の出来事だ。
ー 1日目 美術館へ 次元サイド -
日本のアジトの1つに着くと、ルパンがパソコンで見せてきたのはとある画像だった。
それはまるで銃弾のような…。
「なんだ、そりゃあ」
「これが今回狙ってるお宝ちゃんよ」
この銃弾がか?と言うとルパンは「宝石だぜ、これ」と訂正してくる。
宝石?これがか?
「実はここからそう遠くない場所にある美術館に、今日から暫く展示されるらしんだよね~」
「なるほど、だからこのアジトにしたのか」
日本に来てもあんまり使ってなかったアジトだったんだが。
これで合点がいくな。
俺は煙草を一本取り出して火をつける。
それからルパンは「下見に行こうぜ」と俺と五ェ門をその美術館へ連れ出す。
もちろん、一応変装はして、だ。
「あ、それと念のため外国のお年寄り~ってことで英語での会話を頼むぜ。さっすがに日本に来て早々とっつぁんに会うことはないだろうけどな。誰かに会話を聞かれて通報でもされたら面倒だからよ」
そんなに銭形のとっつぁんに会ってたらそれこそやべぇけどな。
確かに面倒は避けたい。
アジトでそんな会話をした暫く後、俺たちは美術館へ着いていた。
一通り内部の下見を終えて、その後肝心のお宝を見に行く。
人が多くて近くではしっかりと見れずに3人で壁際に揃っていた。
宝石の見た目は、俺のマグナムの弾と形や大きさは大差ないようだった。
「んで、ルパン。あれが今回の目当てのお宝か?」
「そっそっそっ♪ガンマンなお前としちゃ、なぁ~んかそそるもんがあるんじゃなぁ~い?」
「どうだかな」
興味がないと言ったらウソになるがな。
「いきなり日本の美術館へ行きたいと申して、来てみたかと思えば…。いつもどこから情報を手に入れているのだ」
「そんなのどこだってい~じゃないの五ェ門!久しぶりの和食にもありつけるし嬉しいっしょ?」
「む…それは確かに…」
おいおい、和食に丸め込まれてんじゃねぇよ…。
コイツの魂胆なんて、ちょっと考えりゃ分かるこったろうよ。
「まさか、またあの女が絡んでるとか言わねぇよな?」
「ん?それはどうかな~?てか次元、不二子ちゃんのことあの女呼ばわりすんのは頂けねぇな」
「俺は一言も不二子のことだなんて言ってねぇぞ」
バカだなコイツは。
自分で墓穴を掘っておいて「あちゃ~」って笑ってやがる。
ほんと食えねぇやつだ。
「ぶふぅ…!」
ここまで会話をしていると、近くで誰かが咽る…というか噴き出す声が聞こえた。
不信に思って周りを見ると、俺たちが会話している場所の近くに一人の女がしゃがみ込んでいた。
震えていかにも咽ました、って感じを出していた。
手で顔を隠してはいたが、隙間から見えていた顔はにやにやと笑みを浮かべて気持ち悪かった…。
「(なんだありゃ…)」
「んんっ!げふん!」
そう咳払いをすると女は足早にその場を去っていった。
「な~んか今の子、俺たちの会話聞こえちゃってたっぽいよね~」
「うむ…」
俺だけじゃなく、ルパンも五ェ門も不信に思っていたのかそう切り出してきた。
あんだけ怪しい行動してりゃそうだろうな。
「どうすんだ、ルパン」
「どうもしないさ。見た感じ普通の女の子みたいだし。まぁただ通報される前に退散しときますか~」
そう言うとルパンはくるりと方向転換し、出口へ歩き出した。
だが、外に出るまでも出てからも、特に警察が来るなんてことはなかった。
女が通報しなかったのか。
通報するほどの頭が回らなかったのか。
そんなのはどうでもいいことか、と煙草を一本ふかしてアジトへ戻った。