空色バレット
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レイちゃんの家からの帰り道。
次元の奴にはどーやって恋のキューピットとして動いてやろうかと考えていると、途中で閑静な住宅街にはとてもじゃないが似合わない、怪しげな車を見つけた。
外車の黒塗りで、窓はスモークガラス。
そんな車が止まっていたのは、レイちゃんの家がそれなりに見える所で、少し坂になっている道の途中だ。
望遠鏡なんかがあれば、容易にあの家の玄関先やら部屋やらが覗けるんじゃないかって場所。
なんだってそんな怪しい車が…と思ったが、俺はまさかなーって嫌な事を想像した。
その嫌な事ってーのが、レイちゃんが俺らと関わってるのをどっかの誰かさんが知って、彼女に何かちょっかいかけようとしてる、ってこと。
単なる考えすぎならいいんだけっともな?
一体どこの誰なんだかはまだ分からないが、今回の仕事絡み…ってことだろうな…。
「モテる男ってーのは辛いもんだね~」
内心穏やかだったわけじゃないが、今はそう軽く流した。
そしてまずは、情報でも集めるべく俺はアジトまでの帰路を急いだ。
7日目 赤の訪問(2)―ルパンサイド―
アジトへ戻ると、まだ次元の機嫌が悪かった。
リビングのテーブルにある灰皿を見ると、そりゃもー灰皿じゃあ受けきれない程の煙草の吸い殻があるわあるわ…。
あっちは素直なのに、こっちと来たら…。
そう思うと、俺はがっくしと肩を落とした。
そん時にため息を一緒についたからか、俺が戻った事に気づいた次元がソファから声を掛けてきた。
「よぉ、戻ってたのか、ルパン」
「今戻ったところ~。…って次元ちゃんさー、何だってそんなに機嫌が悪いのよ」
もちろん原因は分かっちゃいるけどね?
聞かずにはいられないのが俺なのよ。
と言うか、こんだけ機嫌が悪い次元と一緒にいるのが気まずいったらありゃしない!
ひとまず次元に声を掛けつつ俺は、向かいのソファに座って両手を頭の後ろに組んで、わざとらしくどこか遠くを見るフリをした。
チラッと目線だけ次元の方を見ると、次元は更に顔をむすーっとさせてやんの!
「別に、俺はいつだってこんなだろうよ」
「そうかね~?」
ほーんと、素直じゃない。
「そー言えば、さっきまで俺がどこに行ってたか気にならない?」
俺はちょっとしたイジワルで次元にそう聞いた。
次元は興味がないと言った感じに「さぁな」と軽く流してきた。
「ふーん…。素直でかわい子ちゃんのとこに行ってきたんだけどな~」
「・・・」
「にしても、寝起き姿が可愛かったな~、レイちゃん♡」
そこまで言うと、次元が少し反応を示した。
そこまで分かりやすく反応してくれっと、俺も面白くて仕方ないわけ。
平然を装っている次元を見て少しにやっと笑うと、次元はふいっと俺から顔を逸らしてきた。
「俺が家に行ったら急いで髪の毛とか整えちゃってさ~。それに、ほっぺたも柔らかいのなんの!」
次元の反応が面白くなってきた俺は、ニヤニヤと笑いながら手をわきわきと動かして話をした。
時々次元が肩を揺らして反応してきたが、どうやらもうひと押しあればもっといい反応が見れそうだ、と思い最後に一言言ってやった。
「あとはキッスした時の反応も良かったな~!ムフフフ~♡レイちゃんの照れる顔ときたら!今度俺がお持ち帰りしちゃおうかね~」
そこまで言ったとこで、次元はアジトの古い床をダンッと踏み鳴らして立ち上がった。
一瞬俺はビビっちまったが、ふと見上げた時に見えた次元の顔を見たら自然と顔がにやけてきちまった。
「なんだ、ルパン。さっきから随分と調子がいいようじゃねぇか」
「次元ちゃんってばそんなに怒らない怒らな~い。嫉妬に狂う男はみっともないぜ?」
レイちゃんの話をしてきたのがよっぽど堪えたのか、次元はすぐにでもマグナムを俺に抜くんじゃねぇか、って顔をしてた。
まぁ、ここで俺に怒ったりしたら、自分でレイちゃんの事が気になってる、ってのを認める事になっちまう。
それが分かってるからか、次元はこんな風に不機嫌さをMAXにして訴えてきてるわけ!
「ハンッ!俺が怒る?何にだよ」
あくまで嫉妬したってことを認めない次元。
流石にあんまり茶化しすぎると撃ってきそうな勢いだったが、見てるこっちの尻の穴が痒くなる関係な2人。
ここは俺が一肌脱いであげましょ、ってことにして極めつけの一言を放った。
「あのさー次元ちゃんや。女の子はいつだって本気なの?分かる?あんまりレイちゃんの事待たせたりほっとくようなら俺が貰っちゃうからな?」
「だから、なんでそこでアイツの名前が…」
「俺は、本気だぜ?俺ならあの子を愛してやれる自信があっけどな~」
お前さんはどうなのよ?と付け加えて話すと、次元は言葉を詰まらせて俺から顔を背けた。
「…知るか」
それだけ言うと次元は静かにアジトから出て行った。
俺はそんな次元を呼びとめもしないし、追いもしないで後ろ姿だけを睨んで「本気だかんなー!」と叫んでやった。
素直じゃないね~。
ほっんと素直じゃない!
でもまぁ、これだけ言ってやったんだ。
あとはアイツ自身がどうにかするデショ。
俺はやれやれと一息ついて、朝から色々ありすぎて疲れた身体を労わるように、ソファに身を沈めて目を閉じた。
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あとがき
絶賛風邪引き中。
カメ更新が更にカメになる。
皆さんも気を付けてくだしあ。
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