空色バレット
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結局、昨日は次元に会えずに一日が終わってしまった…。
ガッカリしすぎて、おふとぅんと一体化しちゃいそう←
むむむっと考えながらもベッドに寝転がる私。
元々次元のことは好きだった。
でも、それは会えない人だからこその憧れでもあった。
今はそうじゃない。
何度か会う内に、好きって言う気持ちが抑えられなくなってきた。
「自分がここまでな奴だとは…思いもしなかったなぁ」
自分の気持ちが改めて分かってくると、なんだかどうしようもなく面倒な奴にも感じてきた。
一緒にいたいとか、会いたいとかの気持ちがぐいぐい主張してくるんだ。
ルパン達の予告の日まで後3日。
よし!と意気込んだ私は、ベッドから跳ね起きてパソコンに向き合った。
自分が面倒なのは分かってたことだ!←
今は自分が出来ることをして、それから次元に気持ち伝えて、それから…。
それから…のことは、また追々考えてやる!(投げやり)
6日目 聞きたかったこと、言いたかったこと
「ダメだ…なんもないなぁ…」
自室のパソコンの前。
今にも溶けてしまうんじゃないかという位にぐでーんとうつ伏して、私はため息をついてだらけていた。
何をしていたかと言えば、ルパン達の(と言うか次元の?)為に何かお手伝いが出来ないかと、美術館について色々調べてたりしていた。
でも所詮はネット情報…出てくるのはニュースとかでやっていた情報だったり、本当か?と思えるガセネタのような情報だけ…。
「んー…まぁ別にパソコンが特別出来るわけじゃないしなぁ。これでぱぱーっとハッキングとかしてたらカッコいいけどね!」
キラーンと効果音が出る位に格好つけたポーズを取り、少し沈黙してから「恥ずかし…」と素に戻る。
暫くして、一息をついた私は今日も出かけようかと考える。
どこに、なんてないけど、ずっと家にいることが出来なくなってきた。
「今日は次元に会えるかなぁ…」
出かける準備を済ませて、外へ出る。
そう言えばトイレットペーパーが少なくなってきたなぁ、なんて考えてスマホのメモ帳に今日買うものをポチポチと打っていく。
近くのドラックストアへ向かおうと思って「あと買うもの…」とブツブツと考えていると、なんだか視線を感じた。
昨日…帰り道に感じた視線と似たようなものが。
昼間なのにぶるっと震え、チラッと後ろを振り向くが誰もいない。
ストーカー?
いやいや、私にストーカーってないわ。
普段は家に引きこもって、何してるかさえも分からないニートっ子をストーキングするなんて、相手もただの暇人じゃないか。
歩くのを再開しつつ「んー…」と顎に手を置いて考えるが、どうにも見られる意味が分からなかった。
もちろん、見られている、って言うのが勘違いならそれはいいのだが。
「どうにも怪しいし、怖い話よな」
ため息を一つ吐いて、変な感じだと思いながらも私はひとまずストーカー(仮)のことは放っておくことにした。
現状何もされていないので、被害が出たらどうにかしよう。
そんな甘い考えで。
ある程度買い物を済ませて、一旦家に戻り荷物を片づけ、さてまた出かけようかと時計を見ると、日暮れが近くなっていた。
冬には及ばないが、段々と日が短くなっていく気がする。
夜に出かけると言えば、もちろんのようにマスターの店へ向かう事になる。
昨日次元に会えなかったから、今日こそはと意気込み私はバーへ向かった。
開店の時間にはちょっと早いかな?とは思ったものの、暗い路地を抜けて店へ着くと今日はしっかりと『Open』の看板がぶら下がっていた。
「まっすたー、今日も来ったよー」
店が開いててよかったと思って元気に店内へ入ると、中はまるで次元と店で初めて会った時のようにガラッとしており、客は次元1人だった。
カウンターに座る次元を見つけた私は、嬉しくなってすぐさま隣りの席へ座り、今日もカシオレをマスターに頼んだ。
「一昨日ぶりですね!じ…自分は昨日来ようとしたら開いてなくて、あはは。じ…じ、実家のような安心感的な?なんて思ってたり」
昨日会ってないだけでなんて話したらいいか分からない!
どうしよう!!
そんな事を考えながらも、どうにか次元に話しかけ必死になる。
「じ…じ、自分ってば昨日ニュース見て予告状のこと知って、パソコンで色々調べたんですよ。じ、実際どんな警備態勢とかなのかなぁ、なんて!」
ちなみに、さっきから「じ」で詰まってるのは、ただどもってる訳じゃない。
「(呼び捨てでもいいって言われたけど…どのタイミングで言えばいいんじゃー!!)」
ただ次元をそう呼ぶのに手間取ってるだけなんだ。
そんな私の必死さが伝わってしまったのか、次元はくっくっと笑ってすでに飲んでいたバーボンを傾けた。
「さっきから随分と面白い顔してるな」
「へ!?」
面白い顔と言われ、私は咄嗟に自分の顔を両手で触った。
少し恥ずかしくなって苦笑いをしていると、マスターが助け船とカシオレを出してきた。
「やだなぁ次元。レイちゃんは君の名前を呼ぼうと頑張ってるんじゃないか」
まぁ、どうせ君が何か言ったからこの子はこんな変な顔してるんだろうけど…なんて一言余計なことを話すマスター。
変な顔ってなんだ、変な顔って。
マスターにはバレてたのか、と思っていると次元が「なるほどな」とまた少し笑ってきた。
「別に今まで通り話せばいいだろ」
「あ、いやー…なんと言うか…いざ呼ぼうとしたら恥ずかしくて?」
今更過ぎるかとも思ったけど、なんだかいざ好きだと再認識すると恥ずかしいものがある。
今まではお酒の力でいっぱい話せてたんだなーと改めて実感。
それならば、と私はカシオレを飲もうとコップを傾けた。
一口飲み込んで、ほっと一息つく。
「ほ、本当にさん付けをしなくていいんですか?」
「あぁ」
チラッと次元の方を見て、呼び方に関して再確認をすると次元は片肘をついてこちらを面白そうに見ていた。
なんだか少し揶揄われているのではないか、とも思いながらも本当にいいんだ、と嬉しくなって小さくガッツポーズを作る。
「んんっ、では……じ、次元…」
そこまで言い終えると、一気に恥ずかしくなった私は顔を両手で覆って「ふあぁぁあああ!/////」と奇声を上げていた。
その奇声の方が恥ずかしいんじゃないかって位だったけど、もう別にいいやとも思えた。
そんな私を見て、次元とマスターは面白いと言わんばかりに声を出して笑っていた。
「私頑張って呼んだのに2人ともひどっ!頑張ったのに!」
顔を熱くさせながらも2人に必死の抵抗をすると「悪い悪い」と2人で謝ってきた。
結構頑張った方だと自分では自負しているが、他から見れば名前だけで必死になるのが面白かったらしい。
まぁ…確かに、名前呼んで奇声上げるなんて面白い他ないよね。(遠い目)
複雑な気持ちになりながらも、とりあえずは謝ってもらえたし2人の事は許してお酒をまた飲み始めた。
今日はまだ言いたい事があるから。
お酒の力を借りてでも、少し話しやすくしておきたかったんだ。