空色バレット
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「じげ~ん、俺今日はさ、夜ちょーっと情報収集でもして遅くなると思うから、次元もよろしくやってくれてもいいからな」
朝、ルパンがにやついた顔でそう話してくる。
今までにも何度か見たような下品なことを考えてる面だ。
こいつの場合はどこまでが本当で、どっからが冗談なのか分からねぇのがむかつくな。
「へいへい、ならお言葉に甘えさせてもらうぜ」
返事が面倒になってそう返すと、ルパンは俺に流されたのが分かったのか「あらま~」とつまらなそうに外へ出かけて行った。
特にすることもないな、と思ったがふとあの女の顔が頭をよぎる。
「別によろしくやるわけじゃねぇが…。顔でも見に行くか」
日本にいるのもあと少し。
毎日会う義理なんてないが、昨日も少しフラフラで結局家まで送ってやったのが気になる。
「ったく…世話がかかるお子ちゃまだな」
面倒だとも思いながらも俺はレイの家へ向かう。
家の前へ到着し、来た理由も曖昧にしていたことから、一服してから呼び鈴でも鳴らすかと玄関前にいると、偶然にもレイが出かける用事でもあったのか出てきた。
またアホ面でもするんだろうな、と思いながら俺はレイに咄嗟に思いついた要件を伝えた。
4日目 デート? ―次元サイド―
街を案内しろって言う話を、案外すんなり受け入れたレイ。
気持ち悪い位に笑顔なのがいっそすがすがしい位だ。
街の中心部をあらかた見て回った後、ふと次に待っている仕事のことを思い出した。
「(そういや今回はルパンに任せっぱなしで美術館の周りの下見はろくにしてねぇな…)」
「次元さん!他に見て回りたいとこありますか?」
「ん?あぁ、そうだな…」
どうせ見て回るなら、と俺は美術館の近辺が見たいとレイに話した。
ルパンのことだから逃走ルートなんかは決めてあるから心配なんざいらねぇだろうけどな。
暫くして、美術館の近くにある広めの公園に到着した。
それから少しの間、レイはまた考え事でもしてんのか?
表情をコロコロと変えていやがった。
「何1人で百面相してんだ」
「ふぁい!あ、いや、なんでもないです!」
不覚にも、慌てる顔も面白いと思っちまった。
ルパンの冗談を真に受けるわけじゃねぇが、これも1つの『よろしくやってる』状態か?
レイが誤魔化すように他に行きたい所を聞いてきたとこで、俺は視線の先に嫌なもんを見つけた。
「確かあれって…」
「銭形のとっつぁんだ」
銭形に見つかると面倒臭い俺の気持ちとは反対に、レイは本物だと喜んで騒ぎだした。
能天気そのものなレイが本格的に騒ぐ前に、俺はレイの口を手で塞いでやった。
黙ってろ、と言うと素直に頷いてきた。
「とりあえず隠れるぞ」
銭形と鉢合わせるのだけは避けたい俺は、レイの手を引いて近くにあった木の陰に身を置くことにした。
「こっちに来ちゃいますけど…ここじゃバレるんじゃないですか?」
「だろうな」
いくら銭形でも、ただ木の陰に隠れていたんじゃ見つかるのも時間の問題だ。
かと言ってこっから逃げれば見つかる可能性はある。
俺だけなら逃げ切れるが…コイツは無理だろうな。
置いて行くのは気が引けるし、もしも銭形に一緒にいるのを気づかれれば更に面倒な事になりそうだ…。
「(どうするか…)…レイ、俺の方にもっと来い」
「へ!?」
「静かにしろ。とっつぁんが行くまでだ、俺に抱き着けって言ってんだ」
俺は悩んだ末に、姿がもし見えても顔さえ見えなきゃ、銭形位やり過ごせるんじゃねぇかと思った。
だが、いつまでもモゴモゴと文句を言ってるレイ。
「早くしろ」
「むぐっ!?/////」
すぐそこまで銭形が近づいていた事もあって、俺はレイの腕を引っ張って引き寄せた。
なんか途中息苦しいのか変な声を出したり、震えたりしてたんだが…後で謝っておけばいいか。
その後すぐに銭形が俺らの傍を通り過ぎた。
「ったく…!最近の若いもんは公共の場と言うものをなんだと思っとるんだ!」
とかなんとか言ってたが…ありゃ俺たちのことか?
まぁ気づいてねぇなら、好きに言わせとけばいいか。
「やっと行ったか…。大丈夫か?」
「え、あ、はい…/////」
銭形が通り過ぎたのを確認してレイを離すが、ずっと俯いてやがる。
「どうした…。あー…悪かったな」
そんなに息苦しかったのかと思ってレイの顔を覗くと、顔だけでなく耳まで赤くして恥ずかしそうにしていた。
ああ、そう言えば前に酔っ払った時に、俺の事が好きとか言ってたな…。
あの時は相当酔っていたから、コイツは自分の言ったことを覚えちゃいねぇだろうがな。
いくら銭形を躱すためとは言え、女相手に抱き着けだなんて言ってたと自覚した俺は、少しバツが悪くなってきた。
レイから顔を逸らして、一旦は沈黙がその場に流れた。
「(知り合いのガキに何やってんだ俺は…)あー…とりあえず…暗くなる前に移動するか」
「で、ですね」
そう言ってその場を離れることにした。
ひとまず、ランドルのとこにでも行ってコイツの好きな酒でも奢ってやるか。
_____
あとがき
次元視点では照れてるようには見えません。
自覚ないので、本人。
困ったらマスター(ランドル)のとこに逃げましょう←
続きはまた今度。