空色バレット
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朝、目が覚めてリビングに行くとルパンがエプロン姿で朝食を作ってやがった。
何が嬉しくて朝からコイツのエプロン姿を拝まなきゃいけねぇのか分からねぇ。
「おー次元ちゃ~ん。昨日は随分と帰りが遅かったんじゃないの~?」
「まぁな。日本の知り合いのとこで飲んでたんだ」
ニヤついた顔で何か続きを言いたげだったルパン。
コイツの考えていることは大体分かるが、期待に沿えなくて残念だったな。
そういや昨日のアイツ…レイとか言ったな。
まさか今日も来るってことはないだろうな…。
まぁ会うことがあれば、酒の飲み方に一言言ってやるか。
またああやって酔われたら、たまったもんじゃねぇ。
一応あの2人のガキだ、日本にいる間くらいは面倒見てやるさ。
2日目 再会 ―次元サイド―
「はぁー?なんだよ文句あんのか?」
「いってぇー、これぜってぇ折れてるわー」
「…はぁ…」
夜、ランドルの店へ行く途中の路地。
騒ぐ声が聞こえて、何事か路の角から覗いてみるとあの女がいた。
レイだ。
まさか早々に会うとはな…。
どうやら男2人に絡まれているようだったが、当の本人はアホ面して突っ立っている。
咥えていた煙草を吸ってからため息を1つ吐くと、煙がその場に軽く広がる。
「このアマ、舐め腐った目でいやがって、調子乗ってんじゃねぇぞ」
「どうすっかなぁ~。このまま帰すのもあれだよな」
ジンと杏のガキだから腕が立つとでも思いきや、そうでもないらしい。
男に胸倉を掴まれたレイは、さっきまでのアホ面がサッと青くなりだし小さく震えだした。
「…たす、けて…」
今にも消えそうなその言葉が聞こえてきて、俺は煙草を消して男共の方へ近づいた。
1人は俺が近づいたのを気づいたが、まさか俺に何かされるとは思わなかったんだろうな。
隙がありすぎて、簡単に後ろ手に捻り上げることができた。
「ぐっ…!いでででで!!」
その声に気づいたもう1人が、レイから手を離して俺の方を向いた。
まぁソイツから手を離せばこの男に用はない。
腕から手を離して横に軽く放った。
この2人、酔ってるのか?随分と酒くせぇ…。
「なんだてめぇ、俺のツレに何してくれんだ!」
「悪かったな。通行の邪魔だったんでどけてもらったぜ」
新しい煙草を取り出して火をつけてそう言うと、今度は俺が男に胸倉を掴まれた。
おーおー、最近の若者ってのは元気なもんだな。
「やめとけ。酔ってんならさっさとお家に帰るんだな」
「んだとぉ!」
酔っ払い程厄介なもんはねぇな。
女運だけじゃなく酒運も悪ぃっていうのか俺は。
そんな事を思っていると「かっこいい…」とレイの小さな声が聞こえてきた。
この状況でそれが言えるコイツはホントにバカなのかと思ったくらいだ。
「このっ…人を馬鹿にしやがって…」
酔っ払いの男は俺から手を離して、またレイの方へ行こうとした。
面倒は避けたかったが…いつまでも酔っ払いの相手をしてることの方が今の俺には一番面倒だった。
静かに腰からマグナムを取り出した俺は、振り向いた男の後頭部にその銃口を突きつける。
「悪ぃな、そいつは俺の連れでな」
脅しに使うようで気ノリはしねぇが、実際撃たなけりゃこんな路地では誰も銃の存在に気づきやしねぇ。
「ほ、本物なわけ…ない…よな?」
目の前の男は、これでもかっていう程震えた声で聞いてきた。
「試してみるか?」
軽く笑いがこみ上げてきて、少し銃口を頭に押し当ててやった。
すると、男は慌てて連れの男と一緒に路地の外へと走り出した。
まぁ、どうせあのまま警察に行っても、酔っ払いの戯言で片づけられるだろうよ。
「あの、次元さん!ありがとうございました!」
さっきまでの小さい声とは打って変わって、レイは声を張り上げて傍に駆け寄ってきた。
まるで尻尾をめいいっぱい振る子犬みたいだな。
「ガキがこんなとこウロウロしてんじゃねぇ」
親が親ならガキもガキだ。
この能天気なとこはジンにでも似たのか?
レイの頭を軽く叩くと「いてっ」と言いながら少し嬉しそうにしてやがる。
…こういうところもジンに似てるかもしれねぇな。
「ガキじゃないです!もう成人してる立派な大人です!」
「ハッ、どう見てもガキじゃねぇか」
成人してると言われて、軽く体型に目をやったが…まぁ不二子の奴とは比べものにはならない位、色々と軽そうだ。
俺は目線に気づかれないように、吸い終わりそうな煙草を消して誤魔化した。
どうせコイツもまたランドルの所に行くんだろうな。
また変な輩に絡まれる位なら連れて行くか、と思って歩き出すがレイが付いてくる気配はない。
振り向くとまた軽くアホ面をしていた。
「ランドルんとこ行くんじゃねぇのか」
「え、あ、そうですけど」
「ついでだ」
そこまで言って、俺はまたバーへ向かおうとする。
歩く様子がねぇな…。
「行かねぇなら置いてくぞ」
「まっ、行きます行きます!一緒に行かせてください!」
慌てた様子で俺の横にレイが走ってきた。
チラッと目をやると、両手を頬に当ててだらしない顔を隠しきれずにいた。
ほんとにコロコロと表情が変わる奴だ。
そう思いながら俺は、今日何本目かの煙草に火をつけた。
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あとがき
ヒロインはおとん似です。
すぐに顔に出ちゃうとことか叩かれて無意識に喜んでるとことか←