名前変更のない場合、主人公名は長良(ながれ)になります。
地に落ちる
長良
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くるくると、弧を描きながら空を舞う紙飛行機。
ジープが近づくと進路を変え、
寺の奥へ、消えてしまった。
ところが。
「ー…キュイ!」
その後を楽しそうに追いかけるジープ。
「な、ッ
待ちなさい、ジープ!」
想定外。
八戒の呼び声は届かず、ジープは遠のいていく。
「く…ッ」
「ーーーー…八戒………?」
悟空が振り返る。
最後尾に居たはずの
ーーー…八戒の姿は、どこにも無かった。
ーーーーーーー
「…ジープ…?どこに…」
相当広いらしい敷地内の、
坂、石畳、小さな畑を抜け
今八戒は、庭園に立ち尽くしている。
まずいな…
建物の中に入り込んだ?
引き返したら居るかもしれない、
でも、すれ違ってはいない
「ハァ…これって…
立派な不法侵入ですよねェ…」
振り返る。
無我夢中で走り込んだのは、
かなり手を入れられた枯山水の中だったようで。
幅跳びした後くらいのしっかりした足跡が、
趣ある風景に“台無しにしましたサイン”を
残していた。
…これ見つかったら確実に怒られるなー。
「ハァ…」
誰かに遭遇したらきちんと謝って、
三蔵たちのところへ通していただこう。
スイ …
「…!」
ーーーー…また、だ。
それは先程のものとは違う、小さな紙飛行機。
今度は減速し、八戒の足元へパタリと降りた。
拾い上げる。
何の変哲もない紙飛行機だ。
よく見れば…
広い庭園のあちらこちらに、
色とりどりの紙飛行機が落ちてることに気づいた。
(ここから、飛ばしてる…?)
『…っあ、の…!』
「!」
人の声。素早く振り向くと
池を挟んで、
その向こう、
小さな和室の、縁側にしゃがみ込む、
その声の主と、目が合った。