名前変更のない場合、主人公名は長良(ながれ)になります。
地に落ちる
長良
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「ドラゴンが取り憑いた女を移送だァ!?」
「龍神だ。叫ぶな頭痛が増すだろうが。」
〜〜つったって…
大袈裟に後ろへもたれる、声の主 沙悟浄。
彼を乗せたジープは、ソレに動じる様子もなく平然と山道を進み続ける。
「三仏神からの新たな依頼、ですか。」
「西へ向かう〝ついで〟だそうだ。
この先の寺で対象の人物を引き受け、所定の場所まで届けるようにと」
淡々と語る、が、
腕組みしたその指先がトントンと、明らかな「苛立ち」を示している、
玄奘三蔵法師。
そんな助席の様子をちらりと確認したのち、
運転を続けながら
猪八戒も意見する。
「ついでって…女性、なんですよね?
僕らただでさえ敵に追われてますし、わざわざ危険に晒しながら旅をするなんて気が引けるんですが…
日常生活だって、
…女性相手に気遣いができるかどうか」
、なァんで俺を見んのよ。とバックミラー越しに悟浄。
「そりゃー絶世の美女!か弱いレディをお預かりするとなりゃあ、誰かが旅のノウハウを手取り足取り」
「最重要事項として真っ先にお前との接近禁止令を出してやる。案ずるな。」
「お、ま、え、ね…!」
、その反論を遮る大ーーーきなため息を漏らして
三蔵が続けた。
「ーーーー特有の力をある程度操れるそうだ。戦闘能力は俺達の実力同等、それ以上に相当する、故に護衛する必要はなく、あくまで移送だと。
宿代や食費分のかさむ分にはカードで賄って構わないとよ」
「それってェ…
大食いムキムキマッチョ説もあるってことでねーーの?」
「アナタさっきから容姿の事ばかりじゃないですか。」
、情報少ないんだからそりゃー
会話も想像で膨らますしかないでしょーよ。
by悟浄。
ーーー…話はさておき…
だんだんと気になってきたことが、ひとつ。
「ーーーーー……。」
…全ッ然話にノってこねえな、“サル”。
旅路に他人が加わるなど前代未聞の大ニュース。
間違いなく良い食いつきを見せてくれるであろう、ハズの、孫悟空が。
いくら経ってもぼんやりした表情で、景色なんか見て、…んのか見てないのか。
「子ザルチャーーン??
なァーにさっきからダンマリしちゃってんの。
人員削減対象でジープ降ろされるって察したー?」
「え…ッ!? ぁ、
ち、ちっげーーーーよ!!!
おめーが降りろよなクソ河童!!」
ーーー…名指しされて、やっと反撃。
彼らしからぬ、だいぶもたついたリアクションだ。
バックミラーへ目を落とした三蔵が
静かに問う。
「何だ。何が気になってる。」
ぎく。
「い、いや…」
悟空は目を泳がせながら。
「なんか…」
…ヘンなんださっきから。
「?」
“さっきから”?
ナニが??
とりあえずひらりと、悟浄が周囲を見渡してみる。
「?特に敵の気配もねえし…」
「ちがくて!!なんか、なんか、っ
…な、泣きそうっていうか」
「、
???」
予想外すぎる回答に一同、思考停止。
泣きそう?
あった??今このうっっすい会話の中に。泣くとこ。