名前変更のない場合、主人公名は長良(ながれ)になります。
雨
長良
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ーーー…大水害に見舞われた村では、密かに龍神を祀り続けていた。
「…しかしその水害をきっかけに封印が解かれ
偶然にも長良(ナガレ)さんに憑依してしまった、と…」
「…あの最高僧による報告は、そんなとこだ。」
ーーー…三蔵は額に手をあてる。
「………
生き残りは最高僧、紅燐が救い出した長良、唯一人。
本人は事故の衝撃で記憶が無く、証言はとれねえ。」
考える程、よく出来た話だ。
ーーー…三蔵は目を閉じた。
八戒は窓の外に目をやる。
(…宿のある街でラッキーだったな…)
外は大雨だ。
「ーーームっチャクチャ怪しいってソレ!
なんで長良以外のヤツは1人も助かってねーんだ!?」
「水害の起こる当日にたまたま龍神サマの祀られてる村に立ち寄っててェ?
長良チャンが憑依される場面を確認して確保っつーのは流石に話がうますぎんだろ。」
ーーー…出発直前、あの最高僧の態度をみて
全員が、不吉な予感を考えずにはいられない。
「…三仏神から受けた追伸をそのまま返すならば
あの最高僧は、以前から村と親交があったことを認めている。
だがそれが“何故”であったのかは、
…今回の報告を経て再調査するそうだ。
彼女の龍神に対する信仰心は、これまで情報になかったと。」
「…情報隔離されてそうなお寺でしたもんねェ…」
「あの寺自体、発見されたのはここ数十年の話だそうだ。
発見当初は高度な結界が張り巡らされ、天界の目さえも掻い潜っていたらしい。」
……
突如発見された寺 緑縁寺には、
最高僧・紅燐(コウリン)と、その弟子が数名従えているのみ。
「既に百年以上、代替えせずあの僧侶が長を務め続けているんだと」
「な…何歳…??」
…今日…
俺達が寺の領域に入った途端、
各々感じたあの“気”の濃さ。
「…常に強い結界で森ごと覆い邪気を祓っている。
故に貴重な深緑は守られ、大概の生き物は通常“寺が在ることを悟れない”そうだ。」
「…超つえーじゃん。」
ーーー…僧侶でありながらこれほどの術を成せる、
「術式に関して、手広く知識を持つ実力者には違いねえな。」
「…確かに大事故に巻き込まれたご老体の割にゃピンっピンしてたもんなァ。
村の災害は一年前っつったか。」
フー…と一服して天井を仰ぐ悟浄。
…相当渋りながらも
あの僧侶は今回、天界の意向に従い長良を手放した。
それ程の力がありながら…
何故?
何かを
…期待して、“泳がせている”のか…?
「…水害に見舞われた区域は今、」
八戒がお茶を淹れながら切り出す
「封印の解かれた痕跡はおろか、村があった跡形すら残っていないということですから
…証拠も無いうえ、
最高僧様が本日までその実力をもって、龍神の力を悪用も暴走もさせず彼女を保護し続けていた、となれば
まさか黒幕などと判断するには、情報が無さすぎたんでしょう。」
ーーー…そしておそらく、それは今後も上手くやってのけられる。
そう、お茶を5つ淹れながら考えた。
ーーーー…部屋には、4人しかいない。
結局、
長良には別途個室をとった。
本人は焦ったように『端にでもおいてください』と言ったが、
三蔵が一蹴したのだ。
「甘えとけ。
他人(ヒト)のカードだ。」
『。』