名前変更のない場合、主人公名は長良(ながれ)になります。
風上へ
長良
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「長良…うん、覚えた!!
オレ、悟空!!ヨロシクなッ!」
「俺ァ悟浄。長良チャンてさー…悟空と歳一緒くらいよなあ。
なんかあったらいつッでもオニーサンを頼んなさいネ。」
「悪いことは言わんそいつは無視しとけ。手が早い」
三蔵が付け足し、賑やかな言い合いが離れ中に響く。
長良が呆然とそれを見ていると
ちょんちょん、と
“彼”が、そっと肩を突いた。
「…自己紹介、遅れちゃいました。
八戒、といいます。
こんな感じですが根はみんな良い人たちなので、安心して下さいね。」
なんて…説得力あるといーんですが。
そう言って苦笑する。
…嫌じゃない、
キラキラした、雰囲気。
『八戒、さん。』
、皆さん。
「。」
『…今回のこと、引き受けて下さり本当にありがとうございました。
長良といいます。
どうか最後まで、
よろしくお願いします。』
深く頭を下げた。
ーーーーーーーーーー
「さて、と…そんじゃま、本題に入りますか。
…誰がジープ降りて走る?」
なァーほんとに5人で乗れねえの!?!?
「俺と悟浄が詰めるとかさあ!!」
走らされる説 最有力候補の自覚有り(体力面含む)悟空、必死の妥協案。
「それだとだいぶスシ詰め状態になってしまいますねぇ…長良さんが後部座席、というのも心配ですし」
「…だからなァーんで俺を見ながら言うのよ。」
三蔵うしろ来たら!?
「なんっで俺が野郎2人に挟まれなきゃなんねンだよ…!」
「だってもー他にないじゃん。(けろっ。)」
「ぐ…ッ別途タクシーは呼べんのか!?」
「ココまで来れますかねタクシー。」
お?
まさかの、三蔵後部座席案が(措置的に)採用されようとしている…
その時。
『あの!わたし、
ジープくん、乗らなくてもきっと、
自分で用意できると思います!』
「!?」
ぴっ と折り紙を1枚出し、簡単に。
折ったのは、紙飛行機。
八戒をみて微笑む。
『ーーー…このために、
できるようになりたかったんです。
きっと上手くいきます。
ありがとう。』
真上へ向かって勢いよく紙飛行機を飛ばす。
それは高く高く空を登り、その後長良の頭上へ、速度を上げて急降下した。
ギリギリのところで
手を伸ばし、軽く触れる
と…
ヒュ…ッ
「ーーー…??!」
長良の姿は瞬時に消え、
急降下していた紙飛行機は、急に空へと向きを変え浮上した。
「…なんと軽やかなものでしょう…長良」
うっとりとした表情で、最高僧は天を仰ぎ
ーーー…誇らしい口調で続けた。
「あの子には、力のコントロールは勿論
龍神の憑依する能力、そのものも習得させました。」
「ー!?」
電流が
走ったような気がした。
「…憑依する力を、授けた…?」
ゆっくりと繰り返す三蔵の目には、
静かな“怒り”があって。
…最高僧は顔色ひとつ変えず、
空を舞う紙飛行機を眺めながら言う。
「“アレ”には今、長良の総量が加わっています。落ちてくれば大事故になるでしょうね…
ーーー…ただ力を込めるだけでは、憑依した途端飛ぶことはおろか、浮くことさえできなくなってしまう」
しかしそのモノを理解し、
龍神様のお力を過不足なく込めることができたならば、あのような
「ーー…“憑依”も可能となるのです。
アレは次の目的地まで問題なく飛ぶことが出来るでしょう。」
「それっ、て、
今、あの紙ヒコーキ、長良ってこと…?」
悟空の言葉に、最高僧はにっこりと微笑みかけた。
ぞわ…と
身の毛がよだつ。
憑依など、
本来禁忌と考えられる異能。
無論、体得しようと思って出来るものでもない。
しかし長良は
能力者に憑依されて力尽きず、むしろその力を操れる、
“憑依を体得できる可能性”を宿していた。
(…三仏神からの情報にあったが、)
緑縁寺が半年もの間長良を手放さなかった理由として、
最高僧の名前が挙がっていた。
おそらく、
ーーー…この最高僧は根底に龍神への厚い“信仰心”がある。
「…何を意味するか分かっているのか?」
「“長良は”、分かっていませんよ。
今はせいぜい簡易的なモノに憑くので精一杯でしょう。
それに…何を恐れることがありますか?」
長良が道徳の道を逸れず、“逸らされず”、
ただ目的のために力が使われ、恙無く旅が終われば、なんの問題も無い。
「それは三蔵御一行、
あなた方次第なのではありませんか…?」
「…!」
雲ひとつない青い空に、
紙飛行機は、楽しげに弧を描きながら、
ーーーー“彼ら”を待っているようで。
「…チッ」
…言われるまでもねえよ。
「長良は必ず“このまま”水鏡殿へ送り届ける。
…邪な気にあてられる暇も与えん。」
連れてけば良い。
誰にも
ーー…何も奪わせない速度で。
「ふふ…
頼みましたよ、玄奘三蔵殿。」
一行はジープに乗り込む。
前方にひらりと飛ぶ“長良”を捉え、八戒は呟いた。
「…いきましょうか。」
鋭い目つきで、勢いよくエンジンをかける。
先導する紙飛行機を追うように、
ーーー…ジープは緑縁寺を出発した。
オレ、悟空!!ヨロシクなッ!」
「俺ァ悟浄。長良チャンてさー…悟空と歳一緒くらいよなあ。
なんかあったらいつッでもオニーサンを頼んなさいネ。」
「悪いことは言わんそいつは無視しとけ。手が早い」
三蔵が付け足し、賑やかな言い合いが離れ中に響く。
長良が呆然とそれを見ていると
ちょんちょん、と
“彼”が、そっと肩を突いた。
「…自己紹介、遅れちゃいました。
八戒、といいます。
こんな感じですが根はみんな良い人たちなので、安心して下さいね。」
なんて…説得力あるといーんですが。
そう言って苦笑する。
…嫌じゃない、
キラキラした、雰囲気。
『八戒、さん。』
、皆さん。
「。」
『…今回のこと、引き受けて下さり本当にありがとうございました。
長良といいます。
どうか最後まで、
よろしくお願いします。』
深く頭を下げた。
ーーーーーーーーーー
「さて、と…そんじゃま、本題に入りますか。
…誰がジープ降りて走る?」
なァーほんとに5人で乗れねえの!?!?
「俺と悟浄が詰めるとかさあ!!」
走らされる説 最有力候補の自覚有り(体力面含む)悟空、必死の妥協案。
「それだとだいぶスシ詰め状態になってしまいますねぇ…長良さんが後部座席、というのも心配ですし」
「…だからなァーんで俺を見ながら言うのよ。」
三蔵うしろ来たら!?
「なんっで俺が野郎2人に挟まれなきゃなんねンだよ…!」
「だってもー他にないじゃん。(けろっ。)」
「ぐ…ッ別途タクシーは呼べんのか!?」
「ココまで来れますかねタクシー。」
お?
まさかの、三蔵後部座席案が(措置的に)採用されようとしている…
その時。
『あの!わたし、
ジープくん、乗らなくてもきっと、
自分で用意できると思います!』
「!?」
ぴっ と折り紙を1枚出し、簡単に。
折ったのは、紙飛行機。
八戒をみて微笑む。
『ーーー…このために、
できるようになりたかったんです。
きっと上手くいきます。
ありがとう。』
真上へ向かって勢いよく紙飛行機を飛ばす。
それは高く高く空を登り、その後長良の頭上へ、速度を上げて急降下した。
ギリギリのところで
手を伸ばし、軽く触れる
と…
ヒュ…ッ
「ーーー…??!」
長良の姿は瞬時に消え、
急降下していた紙飛行機は、急に空へと向きを変え浮上した。
「…なんと軽やかなものでしょう…長良」
うっとりとした表情で、最高僧は天を仰ぎ
ーーー…誇らしい口調で続けた。
「あの子には、力のコントロールは勿論
龍神の憑依する能力、そのものも習得させました。」
「ー!?」
電流が
走ったような気がした。
「…憑依する力を、授けた…?」
ゆっくりと繰り返す三蔵の目には、
静かな“怒り”があって。
…最高僧は顔色ひとつ変えず、
空を舞う紙飛行機を眺めながら言う。
「“アレ”には今、長良の総量が加わっています。落ちてくれば大事故になるでしょうね…
ーーー…ただ力を込めるだけでは、憑依した途端飛ぶことはおろか、浮くことさえできなくなってしまう」
しかしそのモノを理解し、
龍神様のお力を過不足なく込めることができたならば、あのような
「ーー…“憑依”も可能となるのです。
アレは次の目的地まで問題なく飛ぶことが出来るでしょう。」
「それっ、て、
今、あの紙ヒコーキ、長良ってこと…?」
悟空の言葉に、最高僧はにっこりと微笑みかけた。
ぞわ…と
身の毛がよだつ。
憑依など、
本来禁忌と考えられる異能。
無論、体得しようと思って出来るものでもない。
しかし長良は
能力者に憑依されて力尽きず、むしろその力を操れる、
“憑依を体得できる可能性”を宿していた。
(…三仏神からの情報にあったが、)
緑縁寺が半年もの間長良を手放さなかった理由として、
最高僧の名前が挙がっていた。
おそらく、
ーーー…この最高僧は根底に龍神への厚い“信仰心”がある。
「…何を意味するか分かっているのか?」
「“長良は”、分かっていませんよ。
今はせいぜい簡易的なモノに憑くので精一杯でしょう。
それに…何を恐れることがありますか?」
長良が道徳の道を逸れず、“逸らされず”、
ただ目的のために力が使われ、恙無く旅が終われば、なんの問題も無い。
「それは三蔵御一行、
あなた方次第なのではありませんか…?」
「…!」
雲ひとつない青い空に、
紙飛行機は、楽しげに弧を描きながら、
ーーーー“彼ら”を待っているようで。
「…チッ」
…言われるまでもねえよ。
「長良は必ず“このまま”水鏡殿へ送り届ける。
…邪な気にあてられる暇も与えん。」
連れてけば良い。
誰にも
ーー…何も奪わせない速度で。
「ふふ…
頼みましたよ、玄奘三蔵殿。」
一行はジープに乗り込む。
前方にひらりと飛ぶ“長良”を捉え、八戒は呟いた。
「…いきましょうか。」
鋭い目つきで、勢いよくエンジンをかける。
先導する紙飛行機を追うように、
ーーー…ジープは緑縁寺を出発した。