名前変更のない場合、主人公名は長良(ながれ)になります。
地に落ちる
長良
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ーーーー右肩が、
ドクドクと強く、脈打っている。
そこが一番“千切れて”るんだろう。
うつ伏せに倒れた身体のもう動かない手のひらが、
自分自身から吹き出す
ベッタリとした熱を感じ取った。
意思に関係なく身体は悪寒に犯されて
ビク、ビク、と、不規則に痙攣し続けている。
「これがアナタの答えですか。」
アノヒトの
声だ。
力を振り絞り、ズルリ、ズルリと
そちらへ首を傾ける
定まらない視点がようやく
冷たく、鋭い眼差しで見下ろす
かつての恩師を捉えた。
『…ァ、』
その瞳にある影を
…拭えるんじゃ、ないかって…
『げ…ン、 す、ッ…』
肺に溜まった血が空回り
掠れた声は、吐血と共にゴポリと吐き出された。
洒落にならないほどの激痛のはすが、
既にその感覚すら感じる段階には無く
僅かに上げていた頭部も、まもなく血の中へ落ちてしまった。
「ーーーーーァ …、」
ーーーーー〝あなたに、会えて良かった。〟
なんて
そんな台詞を言いかけて、ふと思う。
…だめだ
“良かった”…なんて…
…まだ、言え、な
《あ 終わる 。》
ーーー…信号的にそのコトバが過ぎると
身体が、ゆっくりと
呼吸を諦めてゆくのがわかった。
「ーーーーーーー……」
そうして、
むかしある軍人が、
意識を、手放した。
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