ネタメモ

【とうらぶ/三日月中心/CPなし】世界を蓋で塞いで

2026/04/29 11:37
カップリングなしでシリアスな小説書いてみたいな~で珍しくプロットをちゃんと書いたネタメモを見つけたので、ちょっと手直ししてそのまま投稿します。

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○三日月が本丸と世界の秘密に迫りつつも何も出来ない話
○闇落ち描写あり
○刀剣破壊の描写あり
○バッドエンド気味
○「X」「結城友奈は勇者である」の世界観を参考にしている




 三日月は常々この本丸はおかしいのではないだろうかと考えていた。主たる審神者の姿を見たことが一度もないからだ。審神者の声は聞いたことはある。ただしそれは審神者の部屋越しではあるが。
 この疑問を誰に聞いてもそんなことはない、主は体が弱いからと皆疑問に思っていないようだった。そんな中三日月は初期刀である歌仙から審神者のことを探るのは止せと釘を刺される。




 歌仙を隊長に小夜、江雪、石切丸、蛍丸と共に三日月は新たに歴史修正主義者に狙われているらしい江戸へと向かう。極短刀に苦しめられるものの歩みを進めて行く。
 もう少しで目的地というところで現れた規格外の強さを持つ打刀によって、小夜を庇った歌仙が折られてしまう。三日月と石切丸と蛍丸が何とか打刀を破壊して撤退をする。
 三日月にはその場に崩れた打刀がどこか和泉守に見えたことに胸がざわついていた。




 初期刀である歌仙が折られてしまった本丸は悲しみで包まれた。特に歌仙と喋ることも多く、庇われた小夜の落ち込みようは痛々しいものであった。三日月はというと初期刀が折れたというのに悲しむこともなく部屋に籠る審神者に不信感を募らせていく。
 歌仙が折れて日が浅いうちに今度は山姥切を隊長に、小夜と江雪を和泉守と堀川を隊に加えて再び江戸へと向かう三日月たち。本丸を出る直前に三日月は今度は山姥切から審神者に対する不信感に釘を刺される。




 再び江戸へと赴いた三日月と石切丸と蛍丸は前回訪れた時よりも重い空気を感じる。それを山姥切は歴史修正主義者たちの力が増していると断言した。何故そんなことをいち刀剣男士である山姥切が断言することが出来るのか三日月には不思議でならなかった。
 今度は無事目的地に辿りついた小隊は別本丸の小隊と鉢合わせた。彼らは歴修正主義者が謎の亜空間に吸い込まれ、自分たちも巻き込まれそうになったと焦っていた。直後その謎の亜空間がその場にも展開され、運悪く三日月はそれに飲まれてしまった。




 目を覚ました三日月は日本と思わしき風景の場所に居た。日本の無人神社で目を覚ました三日月はそこが歴史修正主義者たちと戦いを繰り広げている過去の時代とも、本丸を構えている時代とも違うことを理解した。自分の本体の意識を感じたからだ。
 三日月は審神者の介助なしに次元を超えてしまった疲労で体を引きずりながら、人気のない道を選んで他に宛てがないため取り敢えず本体がある場所を目指す。




 三日月の本体を含め刀剣男士として政府に協力している刀は国会の地下に安置されていた。初期刀と称される5本を除いて。
 審神者に肉体を与えられた三日月の出現に付喪神たちはざわつく。その中で三日月の本体は自分の分身とも言える刀剣男士に興味を示し、「滅びつつある世界のためにご苦労なことだな」と労りの言葉を掛けるのだった。




 滅びつつある世界とはどういうことかと三日月が尋ねると本体は微笑みながら三日月に触れる。周りの付喪神に止められても気にせず、三日月の頭に触れる。
 その瞬間に三日月の視界が揺れる。頭をおさえる三日月に本体は外へと行ってみろと静かに、そして諦めたような瞳を携えて微笑んだ。言われた通りに国会議事堂の外へと出た三日月が見たものは砂に飲み込まれた世界だった。





 戻った三日月に本体たちは世界の現状を説明した。
 世界は災害が相次いで人口が減ってしまった。その災害をなかったことにしようと歴史を変えようとしている者たちが歴史修正主義者であり、政府は変にそれを良しとせずに審神者という存在を作り上げた。
 政府は歴史を変えても必ずどこかで悲劇が起こり、滅びゆく定めに軌道修正されることを把握しており、もしかしたらより酷い状況に陥ることを防ぐために歴史の修正を阻んでいた。
 初めは優勢だった審神者も、終わりゆく世界に憂い、やがては歴史修正主義へと下る者も現れるようになる。それは刀剣男士たちも同じだった。三日月が遭遇したあの打刀はどこかの本丸で真実に気付いてしまい、歴史修正主義者に寝返った元刀剣男士の和泉守だったのだ。





 話し終わった本体は「これを聞いたお前はどうするのだろうな」と哀れみを携えた顔で三日月を本丸がある時空へと送り返した。帰った三日月は衝動のままに審神者の元へ向かい、その扉を開けた。そこに審神者の姿はなく、ただパソコンが青白く点滅しているだけだった。
 驚愕する三日月の後ろから声を掛けたのは折れたはずの歌仙だった。折れた歌仙のメモリーを読み込むのに時間を掛かったという彼は新しい刀剣男士ではなく、三日月がよく知っている歌仙のようだった。





 歌仙に手を引かれ、審神者の部屋へと踏み込んだ三日月はパソコンと相対した。パソコンの音声は確かに審神者の声である。
 絶対に裏切らず、かつ優秀な審神者を育てることは難しい。そこで政府は審神者を機械化させることで裏切らないようにしたのだ。そして、それが刀剣男士に漏れないように初期刀たちの意識を弄り、審神者の補佐をさせるようにしたのだと歌仙が語る。
 疑問に思っていたことが解けた三日月を待っていたのは秘密を共有し、共に守っていくという制約だった。三日月は一瞬戸惑うものの、その制約を違えないと誓う。





 隊長を任された三日月はその日も歴史修正主義者と戦っていた。三日月が切り伏せていくのは誰もかれも見たことがある姿だ。真実を知ってしまった三日月には、歴史修正主義者に賛同した元刀剣男士の姿が見えていた。
 滅びゆく世界を守る己よりも、一縷の望みを掛けて世界の終焉を食い止めようとする彼らの方が正しいのではないだろうか。三日月はそんな気持ちに蓋をして今日も彼らを切り捨てていくのだった。

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