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他ジャンル小説

百太郎誕生日で書いた小説です。
鮫柄は人数多いけど二期見ていた限り仲良さそうなのでこういうのもありかなと思って書いてみました。
百太郎視点ですがキャラブレしてますので細かいこと気にしない人向けです。


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「今月の誕生日は百だけだけど、みんな面倒がらずに祝ってやれよ」

凛先輩のひどい挨拶から始まったこのパーティーは誕生日を祝うものだ。
そして今日祝われているのは俺、御子柴百太郎だ。
鮫柄高校水泳部がよくミーティングするそんなに広いとは言えない一室に、部員のほぼ全員が揃っている。
中央に机を並べて、菓子や飲み物を持ち寄って行われる誕生日パーティーは、パーティーという名前にそぐわない地味なものだ。
だけどまるで小学生の時のように大勢の人に祝われるのは嬉しいものがある。

「じゃあ電気消すぞー」
「百一発で吹き消せよ」
「部長、音頭をお願いしますね」

証明が落された部屋を照らすのは、俺の目の前のケーキに刺さっている5本の蝋燭の頼りない灯りだけだ。
俺はそれを言われた通り一発で吹き消そうと気合を入れて、凛先輩の言葉を待つ。
凛先輩は部員が静まるのを待ってから大きく口を開いた。

「百、誕生日おめでとう!」

凛先輩に続いて部員たちも俺に対してお祝いの言葉を口にする。
俺はその言葉に後押しされるように目の前の蝋燭に思いっきり息を吹きかけて火を消した。
一発で消えて真っ暗になったその部屋で部員たちは異様なまでの盛り上がりを見せる。

「ありがとうございまーす!」

その盛り上がりに応えて大きく腕を振りながらお礼を言うと、横に座っている魚住先輩に頭を乱暴に撫でられた。
それから電気がつけられてみんなでお菓子を食べる。
先輩の話ではこの誕生日パーティーが始まったのは去年兄ちゃんが部長になってかららしい。
切っ掛けは4月の最初のミーティングの日に副部長が誕生日だと発覚し、勢いで4月生まれを祝ったことだったそうだ。
4月生まれだけ祝うのは不公平だろうという兄ちゃんの考えから、誕生日パーティーは毎月開催されることになったということだ。
そしてそれは凛先輩にも続けるように兄ちゃんが半ば強要したらしく、凛先輩は毎月予算と睨めっこしながらケーキを用意している。
別に兄ちゃんに言われたからって続ける必要はないんじゃないかと凛先輩に言ってみたことがあったけれど、凛先輩は「俺も祝ってもらったからなぁ…」と言葉を濁していた。
凛先輩のそういう義理堅いところは良いところだけど、時に自分の首を絞めてしまう不器用な面でもあるんだなとその時認識した。

「はい、百くんの分だよ」

そう言って俺に切り分けられたケーキを渡して来たのは似鳥先輩だった。
ご丁寧に「百誕生日おめでとう」と書かれたホワイトチョコレートのプレートが添えられている。
ケーキを人数分用意されたところでここからは俺の誕生日を祝う場ではなく、各々好きにケーキとお菓子を食べるためのどんちゃん騒ぎの場へと変わる。
俺が入部してから今回の俺の誕生日パーティーまでの計8回のパーティーもこんな騒ぎだった。
特にゲームとかの企画があるわけでもないし、プレゼントとかも贈りたい人は贈るくらいで強制ではない。
祝われる立場になるとおめでとうと言われるだけで終わるとなるとちょっと味気ないような気もするけれど、男子高校生の誕生日なんてこんなもんなのかなとも思いながらケーキを口に運んだ。

「百くん何だかさっきから元気ないみたいだけど大丈夫?」
「え?そんなことないッスよ!だって今日祝ってもらえるの俺だけだし、何か得した感じ」
「そういえば12月生まれって百くんだけだもんね」
「夏生まれなんてかぶりすぎてて祝われた気がしなさそーだなって思ってたんスよね。魚住先輩、その辺はどうでした?」

似鳥先輩との会話の流れで、横に座っている夏生まれの魚住先輩に話を振る。
魚住先輩は周りの2年の先輩たちと話していたけれど、俺たちの話も聞いていたらしく「まぁ…祝ってもらえたのは嬉しかったぞ?」と疑問詞で返してきた。
正直微妙な気持ちだったんだなと似鳥先輩と苦笑いをしていると、俺の頭上に影が出来た。

「凛、御子柴が随分好き勝手に言ってるぞ」
「へ?」

慌てて振り向くとそこには仁王立ちをする凛先輩の姿があった。
茶化したように口を挟んできた山崎先輩は凛先輩の後ろに立ってニヤニヤしている。

「え、えーと、凛先輩」
「ごめんな百。こんな微妙な誕生日パーティーで。でもこのパーティーの言いだしっぺはお前の兄貴だぞ」
「あ、はいスンマセーン!」

凛先輩の言葉に思わず立ち上がりながら謝る。
すると先輩は「別に怒ってねーぞ」と溜息を吐きながら、俺の目の前のテーブルにケーキを乗せた皿を置く。

「まぁ、お前らが微妙と思っても不思議じゃないしな。誕生日要素ケーキだけだし。詫びとしてこのケーキの一切れやるよ」
「え!?マジッスか!?」

特に甘いものが好きというわけではないけれど、貰えるものは貰っておきたいものだ。
それが食べ物なら尚更。

「詫びっていうか…押し付けただけだろそれ」
「凛先輩甘いもの苦手ですもんね」
「うるせーぞ外野」

俺が喜んでいるところ横やりを入れてくる山崎先輩と似鳥先輩と凛先輩のやり取りに思わず笑っていると、最終的に俺が凛先輩からデコピンをくらうことになったのだった。
こうして俺の騒がしい誕生日パーティーは幕を閉じていったのだった。



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こういうの書いておいて何ですが、他鮫柄メンバーの誕生日パーティーの時の小説を書く気は一切ないという…。
百太郎のキャラクターの性質上こうした多人数でワイワイの方が良いかなと思いました。
まぁ、魚住先輩以外のモブたちは細かく描写されてないですが…。
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