他ジャンル小説
○遙→凛←宗
○三人称小説っぽい(やや宗介目線寄り描写多め)
******************************************
何でこうなった…。
遙と宗介は顔を見合わせて同時に溜息を吐いた。
普段はこれでもかというくらいに息が合わないふたりだが、今日この瞬間に考えたことは共通の内容だった。
「何で山崎もここにいるんだ」
「それはこっちの台詞だ」
買い言葉に売り言葉、そんな文句を言い合うもそれらは小声だ。
ふたりは目の前で楽しそうな顔をしている人物の前で不穏な空気を作りたくなったのだ。
「ハル、宗介!チケット取れたぞ」
自慢げに水族館のチケットを目の前にかざしているのは松岡凛。
今日は偶然にも岩鳶水泳部も鮫柄水泳部も休みが重なった。
そして、凛とふたりきりで遊びたいという考えが一緒だったらしく、偶然にも遙と宗介は凛を誘う事がブッキングした。
俺が先に誘ったと無言で争う二人に対して凛が出した結論は、3人で水族館に行こうというものだ。
ふたりの無言の争いには全く気付かない鈍感な善意が生み出した悲劇だった。
「…凛、次何か買う時は俺か七瀬が買ってくるからな」
宗介は遙とふたりきりにされたくない故にそんな提案をしてそれに遙も頷いていたけれど、凛は「水族館が良いって言ったのは俺だからこれくらいいいよ」と遠慮する。
(…凛が楽しそうならいいか)
今回は我慢してやる、そうお互いにそう思っているから案外意見は合うのかもしれない。
そんな微妙な雰囲気の中、しかも男グループのみで休日のカップルやファミリーがひしめく水族館に突撃する3人は周囲から奇異の目で見られていたが3人のうち誰もそんなことは気にしている者はいなかった。
*
休日ということもあってか、館内は人であふれていた。
特に魚を見てはしゃぐ子供たちの甲高い声が響いて、それがいっそうにぎやかにさせていた。
そんな子供たちに交じって凛も顔を輝かせる。
「あっちも行ってみようぜ!鮫がいるって!」
「…凛、そんなに水族館好きだったか?」
妙にテンションが高い凛に思わず宗介が突っ込みを入れる。
「この一面広い水槽に魚が泳いでるのが好きなんだよな。俺も魚と泳いでみたい」
「分かるぞ凛。こんな広大な水は海以外だとこういうところだけだ」
遙が同意しているが、若干着眼点がズレている。
しかし、そこに触れるものは誰も居なかった。
「まぁ…確かに気持ちよさそうに泳いでるな」
気儘なもんだ、宗介の頭の片隅にそんな考えもよぎるけれど、楽しそうな凛の目の前でそれを言うのは止めておいた。
その後妙なテンションの凛に引っ張られた遙と宗介は水族館を回りきるころには疲れ切ってしまう。
それを申し訳ないと思ったのか凛は休憩スペースにふたりを残して飲み物を買いに行った。
ふたりきりにして欲しくないと遙も宗介も思ったけれど、凛の勢いは止められなかった。
「…次は俺が行くって言ったのにな」
疲れたような宗介の声だけが休憩スペースに響いた。
偶然にもあまり広いとは言えない休憩スペースには遙と宗介のふたりしかいなかった。
溜息を吐いた宗介は遙が眉をひそめて若干険しい顔をしていることに気付き、どうしたのかと尋ねた。
「サバがいない」
「いても食べられないからな」
理由は宗助的にはどうでも良い内容だったが、遙本人には納得出来ない返しだったらしくまた一触即発の雰囲気となる。
凛を間に挟まないふたりは大体こうなってしまう。
「凛は…今日楽しんでるんだよな?」
突然遙がそんなことを言い出す。
宗介は若干面を食らいながらも遙の言葉を受けて今日の凛を思い出す。
無駄にハイテンションな凛は見た目ではとても楽しそうだった。
もしかしたら喧嘩しそうな俺たちを気遣ってあんな振る舞いをしていたのだろうか。
そんな考えが浮かんでしまう。
遙も宗介と同じことを考えてしまったのだろう。
「…楽しんでるんだろ。多分」
そうじゃなかったらそもそも3人で遊ぼうなんて言わないはずだ、その言葉は口にしなかった。
やがて戻ってきた凛はペットボトルを3本抱えて戻って来た。
凛は「奢りだ」と言ってそれぞれにペットボトルを渡す。
ペットボトルの中身は何の味付けも色も付いていないただの水だった。
「何かケチくさいぞ、凛」
「文句を言うなら自分で買って来いよな」
文句を言った宗介をその一言で切る凛は無情だった。
因みに遙は特に文句もなく黙々と水を飲んでいる。
「ところで今日の凛は妙にハイテンションだったけど、何でだ?」
「だってお前らと出掛けるなんて初めてじゃないか?お前ら仲悪いと思ってたけど結構話したりしてるんだって安心した。また3人で遊ぼうな」
そう言って水を口に含む凛に遙も宗介もある意味敵わないなと思うのだった。
そして、この3人だけで遊ぶのはしばらくは遠慮したいと遙と宗介は同時に肩を竦めるのだった。
○三人称小説っぽい(やや宗介目線寄り描写多め)
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何でこうなった…。
遙と宗介は顔を見合わせて同時に溜息を吐いた。
普段はこれでもかというくらいに息が合わないふたりだが、今日この瞬間に考えたことは共通の内容だった。
「何で山崎もここにいるんだ」
「それはこっちの台詞だ」
買い言葉に売り言葉、そんな文句を言い合うもそれらは小声だ。
ふたりは目の前で楽しそうな顔をしている人物の前で不穏な空気を作りたくなったのだ。
「ハル、宗介!チケット取れたぞ」
自慢げに水族館のチケットを目の前にかざしているのは松岡凛。
今日は偶然にも岩鳶水泳部も鮫柄水泳部も休みが重なった。
そして、凛とふたりきりで遊びたいという考えが一緒だったらしく、偶然にも遙と宗介は凛を誘う事がブッキングした。
俺が先に誘ったと無言で争う二人に対して凛が出した結論は、3人で水族館に行こうというものだ。
ふたりの無言の争いには全く気付かない鈍感な善意が生み出した悲劇だった。
「…凛、次何か買う時は俺か七瀬が買ってくるからな」
宗介は遙とふたりきりにされたくない故にそんな提案をしてそれに遙も頷いていたけれど、凛は「水族館が良いって言ったのは俺だからこれくらいいいよ」と遠慮する。
(…凛が楽しそうならいいか)
今回は我慢してやる、そうお互いにそう思っているから案外意見は合うのかもしれない。
そんな微妙な雰囲気の中、しかも男グループのみで休日のカップルやファミリーがひしめく水族館に突撃する3人は周囲から奇異の目で見られていたが3人のうち誰もそんなことは気にしている者はいなかった。
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休日ということもあってか、館内は人であふれていた。
特に魚を見てはしゃぐ子供たちの甲高い声が響いて、それがいっそうにぎやかにさせていた。
そんな子供たちに交じって凛も顔を輝かせる。
「あっちも行ってみようぜ!鮫がいるって!」
「…凛、そんなに水族館好きだったか?」
妙にテンションが高い凛に思わず宗介が突っ込みを入れる。
「この一面広い水槽に魚が泳いでるのが好きなんだよな。俺も魚と泳いでみたい」
「分かるぞ凛。こんな広大な水は海以外だとこういうところだけだ」
遙が同意しているが、若干着眼点がズレている。
しかし、そこに触れるものは誰も居なかった。
「まぁ…確かに気持ちよさそうに泳いでるな」
気儘なもんだ、宗介の頭の片隅にそんな考えもよぎるけれど、楽しそうな凛の目の前でそれを言うのは止めておいた。
その後妙なテンションの凛に引っ張られた遙と宗介は水族館を回りきるころには疲れ切ってしまう。
それを申し訳ないと思ったのか凛は休憩スペースにふたりを残して飲み物を買いに行った。
ふたりきりにして欲しくないと遙も宗介も思ったけれど、凛の勢いは止められなかった。
「…次は俺が行くって言ったのにな」
疲れたような宗介の声だけが休憩スペースに響いた。
偶然にもあまり広いとは言えない休憩スペースには遙と宗介のふたりしかいなかった。
溜息を吐いた宗介は遙が眉をひそめて若干険しい顔をしていることに気付き、どうしたのかと尋ねた。
「サバがいない」
「いても食べられないからな」
理由は宗助的にはどうでも良い内容だったが、遙本人には納得出来ない返しだったらしくまた一触即発の雰囲気となる。
凛を間に挟まないふたりは大体こうなってしまう。
「凛は…今日楽しんでるんだよな?」
突然遙がそんなことを言い出す。
宗介は若干面を食らいながらも遙の言葉を受けて今日の凛を思い出す。
無駄にハイテンションな凛は見た目ではとても楽しそうだった。
もしかしたら喧嘩しそうな俺たちを気遣ってあんな振る舞いをしていたのだろうか。
そんな考えが浮かんでしまう。
遙も宗介と同じことを考えてしまったのだろう。
「…楽しんでるんだろ。多分」
そうじゃなかったらそもそも3人で遊ぼうなんて言わないはずだ、その言葉は口にしなかった。
やがて戻ってきた凛はペットボトルを3本抱えて戻って来た。
凛は「奢りだ」と言ってそれぞれにペットボトルを渡す。
ペットボトルの中身は何の味付けも色も付いていないただの水だった。
「何かケチくさいぞ、凛」
「文句を言うなら自分で買って来いよな」
文句を言った宗介をその一言で切る凛は無情だった。
因みに遙は特に文句もなく黙々と水を飲んでいる。
「ところで今日の凛は妙にハイテンションだったけど、何でだ?」
「だってお前らと出掛けるなんて初めてじゃないか?お前ら仲悪いと思ってたけど結構話したりしてるんだって安心した。また3人で遊ぼうな」
そう言って水を口に含む凛に遙も宗介もある意味敵わないなと思うのだった。
そして、この3人だけで遊ぶのはしばらくは遠慮したいと遙と宗介は同時に肩を竦めるのだった。
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