【とうらぶ】短編小説
○いち→みか
○馬→みか
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三日月はよく色々な存在に好かれるが、一期にとっての目下のライバルはこの馬たちだろう。この馬たちは普段は気性が荒いというのに三日月がやって来ると途端に大人しくなり、我が我がと三日月に構ってもらおうと髪や服を柔らかく噛むのだ。
普通ライバルというと人間や同じ刀になりそうなものだが、この本丸の審神者は刀たちに恋をするような人間ではないし、刀たちは三日月に好意を持ったとしても友情の感覚のため一期のライバルにはならない。
だから、一期にとってライバルといえるのは馬たちなのである。
「はっはっはっ。馬に好かれて困る」
折角三日月と同じ馬当番になれたというのに、馬たちによって牽制されてしまうことに一期は嘆息を漏らす。
「うん?こらこら、離しておくれ。掃除が出来んぞ」
「…三日月殿はそのまま馬たちの相手をお願いいたします。掃除は私が…」
一期がそう提案すると三日月は困った顔をして「あい分かった」と頷いた。三日月に頼りにされるだけでも一期は嬉しいと思う自分が情けないと感じなくもなかった。黙々と掃除をしていると、後方から三日月の焦ったような声が聞こえてくる。
「ま、待て、引っ張るな…」
また馬にもみくちゃにされて困っているのだろうかと後ろを振り向くと、何と三日月が馬たちによって服を引ん剥かれそうになっているではないか。作業着の上着は既に剥かれた三日月はその下に着ていたセーターとズボンを抑えながら、馬たちを宥めようとしている。片想いをしている相手の服が剥かれそうになっている姿を目撃してしまった一期は思わず声にならない叫び声を上げた。
「み、三日月殿!!」
一期は三日月と馬たちの間に割って入り、ついでに三日月の作業着を馬から取り返した。一期を睨みつけながらも大人しく四方に分散する馬たちに一期は溜息を吐いてから、三日月の乱れた服装を直してやる。
「何故あんなことになってしまったのですか…」
「さあ…?気付いたら服を取られそうになっていたな。俺の服装が暑そうだったから彼らが気を利かせてくれたのだろうか」
だが流石の俺もここで裸になるのは少し困ってしまうなぁと笑う三日月に一期は脱力をしてしまう。後で三日月の夏用の内番服を審神者に用意するよう頼んでおこうと決意して、一期は何だか痛む頭を押さえた。
「三日月殿の天然なところは今に始まった話ではないですが、もう少し危機感を持つべきです。…もし私が急に貴方の服を脱がそうとしたら嫌でしょう?」
「……一期になら、俺は別に構わないが…」
三日月に危機感を持たせようと例え話を出したつもりだった一期は、三日月の思いもよらない返答に硬直した。三日月は恥ずかしそうに手で口元を隠して、一期から目線を外す。その顔は仄かに桜色に染まっていた。
「え…」
思わず一期の顔も三日月に負けず劣らず顔を赤く染めていった。馬たちはふたりのどこか甘酸っぱい空気につまらなそうに息を吐くのだった。
○馬→みか
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三日月はよく色々な存在に好かれるが、一期にとっての目下のライバルはこの馬たちだろう。この馬たちは普段は気性が荒いというのに三日月がやって来ると途端に大人しくなり、我が我がと三日月に構ってもらおうと髪や服を柔らかく噛むのだ。
普通ライバルというと人間や同じ刀になりそうなものだが、この本丸の審神者は刀たちに恋をするような人間ではないし、刀たちは三日月に好意を持ったとしても友情の感覚のため一期のライバルにはならない。
だから、一期にとってライバルといえるのは馬たちなのである。
「はっはっはっ。馬に好かれて困る」
折角三日月と同じ馬当番になれたというのに、馬たちによって牽制されてしまうことに一期は嘆息を漏らす。
「うん?こらこら、離しておくれ。掃除が出来んぞ」
「…三日月殿はそのまま馬たちの相手をお願いいたします。掃除は私が…」
一期がそう提案すると三日月は困った顔をして「あい分かった」と頷いた。三日月に頼りにされるだけでも一期は嬉しいと思う自分が情けないと感じなくもなかった。黙々と掃除をしていると、後方から三日月の焦ったような声が聞こえてくる。
「ま、待て、引っ張るな…」
また馬にもみくちゃにされて困っているのだろうかと後ろを振り向くと、何と三日月が馬たちによって服を引ん剥かれそうになっているではないか。作業着の上着は既に剥かれた三日月はその下に着ていたセーターとズボンを抑えながら、馬たちを宥めようとしている。片想いをしている相手の服が剥かれそうになっている姿を目撃してしまった一期は思わず声にならない叫び声を上げた。
「み、三日月殿!!」
一期は三日月と馬たちの間に割って入り、ついでに三日月の作業着を馬から取り返した。一期を睨みつけながらも大人しく四方に分散する馬たちに一期は溜息を吐いてから、三日月の乱れた服装を直してやる。
「何故あんなことになってしまったのですか…」
「さあ…?気付いたら服を取られそうになっていたな。俺の服装が暑そうだったから彼らが気を利かせてくれたのだろうか」
だが流石の俺もここで裸になるのは少し困ってしまうなぁと笑う三日月に一期は脱力をしてしまう。後で三日月の夏用の内番服を審神者に用意するよう頼んでおこうと決意して、一期は何だか痛む頭を押さえた。
「三日月殿の天然なところは今に始まった話ではないですが、もう少し危機感を持つべきです。…もし私が急に貴方の服を脱がそうとしたら嫌でしょう?」
「……一期になら、俺は別に構わないが…」
三日月に危機感を持たせようと例え話を出したつもりだった一期は、三日月の思いもよらない返答に硬直した。三日月は恥ずかしそうに手で口元を隠して、一期から目線を外す。その顔は仄かに桜色に染まっていた。
「え…」
思わず一期の顔も三日月に負けず劣らず顔を赤く染めていった。馬たちはふたりのどこか甘酸っぱい空気につまらなそうに息を吐くのだった。
