愛しき君に、花束を…(怪獣8号長編)
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「本獣は、C地区よりD地区に移動との報告あり。C地区には数体の余獣が留まっている様子です。
B地区からE地区までの住民の避難は済んでいます。」
コントロールルームで作戦会議が始まる。
「ヘリの着陸場ですが、C地区付近に大きな孤児院がありますのでそこの運動場に着陸許可をとってあります」
孤児院……
「D地区には私が向かう。C地区の余獣は保科に指揮を任せる」
「了」
「各員、健闘を祈る」
敬礼し、部屋を出ようとした所で亜白隊長に呼び止められた。
「保科」
「はい」
「分かってると思うが、作戦に私事は挟むな…」
「…分かってます」
自分がやるべき事をやるだけや。
「……でも……花音は…私にとって…大切な友達だ……」
「!」
「だから……」
亜白隊長は僕に背を向ける。
「……頼んだ」
2人の関係は…僕がここに来る前から始まっていた。
仲がいいのは分かっていたが…
2人の間に何があったのかまでは知らない。
でもたしかにある2人の絆……
僕は再度敬礼すると部屋を後にした。
頭が…クラクラしてきた…
血が流れて、水溜まりのようになっている。
出血多量ってやつだ…
これ以上出続けたらやばいな…
「…先生…ごめんなさい」
「ん?」
わたる君が膝を抱えたまま謝ってくる。
「…僕を助けに来なきゃ…先生…怪我しなかった…」
「わたる君…」
「僕は…悪い子なんだ……だから……
だからお母さん…僕を捨てたんだね」
「!違う!それは違うよ!絶対に違う!…ぅ…」
「先生!」
吐き気がして、その場に倒れ込む。
「わたる、君…」
私は彼の腕を優しく掴む。
「あのね……私が怪我をした事も、わたる君がここにいるのも……わたる君が悪いわけじゃないんだよ。」
「でも…」
「絶対に、絶対に絶対に…わたる君のせいなんかじゃない。
私もね……同じように、思ってた…
お母さんが迎えに来ないのは、自分の事が嫌いで、きっと私が悪い子だからって……」
ずっとずっとそう思って
生きてきた。
「…だからね…ずっと私は、私が嫌いで…こんな自分は誰からも愛されないって思ってたし、私も心から愛したことなんてなかった。
ううん…できなかったの。
でも……
ある人に出会って…
最近
少しだけ……
自分を好きになれた気がするんだ。」
「先生の…大切な、人?」
「うん。彼は…素直で前向きで…自分がどんなに否定されても自分を信じて貫いて生きてきた強い人…
彼に……思いをもらうと……
幸せな気持ちが溢れてくる」
感じたことのない…
暖かな気持ち。
「わたる君にも…いつかきっと……そんな人が現れたら……
自分を好きになれる日がくる。
だから……今はどんなに辛くても苦しくても…
自分を悪い子だなんて、嫌いだなんて思わないで……
私は…わたる君は優しい子だと思ってる。
だって…こうやって私を心配してくれてるじゃない。
あなたは…心が綺麗で優しい子…」
B地区からE地区までの住民の避難は済んでいます。」
コントロールルームで作戦会議が始まる。
「ヘリの着陸場ですが、C地区付近に大きな孤児院がありますのでそこの運動場に着陸許可をとってあります」
孤児院……
「D地区には私が向かう。C地区の余獣は保科に指揮を任せる」
「了」
「各員、健闘を祈る」
敬礼し、部屋を出ようとした所で亜白隊長に呼び止められた。
「保科」
「はい」
「分かってると思うが、作戦に私事は挟むな…」
「…分かってます」
自分がやるべき事をやるだけや。
「……でも……花音は…私にとって…大切な友達だ……」
「!」
「だから……」
亜白隊長は僕に背を向ける。
「……頼んだ」
2人の関係は…僕がここに来る前から始まっていた。
仲がいいのは分かっていたが…
2人の間に何があったのかまでは知らない。
でもたしかにある2人の絆……
僕は再度敬礼すると部屋を後にした。
頭が…クラクラしてきた…
血が流れて、水溜まりのようになっている。
出血多量ってやつだ…
これ以上出続けたらやばいな…
「…先生…ごめんなさい」
「ん?」
わたる君が膝を抱えたまま謝ってくる。
「…僕を助けに来なきゃ…先生…怪我しなかった…」
「わたる君…」
「僕は…悪い子なんだ……だから……
だからお母さん…僕を捨てたんだね」
「!違う!それは違うよ!絶対に違う!…ぅ…」
「先生!」
吐き気がして、その場に倒れ込む。
「わたる、君…」
私は彼の腕を優しく掴む。
「あのね……私が怪我をした事も、わたる君がここにいるのも……わたる君が悪いわけじゃないんだよ。」
「でも…」
「絶対に、絶対に絶対に…わたる君のせいなんかじゃない。
私もね……同じように、思ってた…
お母さんが迎えに来ないのは、自分の事が嫌いで、きっと私が悪い子だからって……」
ずっとずっとそう思って
生きてきた。
「…だからね…ずっと私は、私が嫌いで…こんな自分は誰からも愛されないって思ってたし、私も心から愛したことなんてなかった。
ううん…できなかったの。
でも……
ある人に出会って…
最近
少しだけ……
自分を好きになれた気がするんだ。」
「先生の…大切な、人?」
「うん。彼は…素直で前向きで…自分がどんなに否定されても自分を信じて貫いて生きてきた強い人…
彼に……思いをもらうと……
幸せな気持ちが溢れてくる」
感じたことのない…
暖かな気持ち。
「わたる君にも…いつかきっと……そんな人が現れたら……
自分を好きになれる日がくる。
だから……今はどんなに辛くても苦しくても…
自分を悪い子だなんて、嫌いだなんて思わないで……
私は…わたる君は優しい子だと思ってる。
だって…こうやって私を心配してくれてるじゃない。
あなたは…心が綺麗で優しい子…」