彼女が…


何故こんなにも弱さを見せないのか



今日…


あんな事があって




泣きたいはずなのに…



弱音をはきたいはずなのに…





彼女の背中は小さいけれど…




強さを感じる。



でも同時に……



いつか崩れ落ちてしまうのではないかと



思うぐらい不安定で……



思わず手を伸ばして



その小さな体を、抱きしめたくなる。





「……やっと…理解できました」



「え？」



「先生が…なんで泣かへんのか。強くあろうとするのか」



「………」



それは寂しさからきた…



寂しさから



自分を守るための防衛…




「知れて、嬉しいです」



彼女の背景を知って



僕は……




彼女を……




南野花音という女性を





守りたいと思った。




その鎧を




下ろさせてあげたい。




僕は




初めてあったあの日から




もう彼女に




心を奪われてたんやな…



今更再実感…




「南野先生」



「はい」




真っ直ぐ僕を見つめる瞳…



その瞳にうつっている自分に…



胸がドキドキした。




僕はそれを隠すように一度空を見あげて…



深呼吸すると、再び彼女を見た。




「そろそろ、敬語……やめません？」













「で……って……全員泣いてるし！」



話し終えて、目の前の6人を見るとドバドバと涙を流してる…



宗四郎が気持ち悪いからやめてくれ、と戸惑っていた。




「ど、どんだけいい話なんすか～」



「日比野君、鼻水鼻水…」



「ずいばぜぇん…」



手渡したティッシュで思いっきり鼻をかむ日比野君。




「保科副隊長の事、変態なんて言ってすみませんでした」



「誰が変態や！」