「星々は、何億光年もの時を経え…」




暗い部屋の天井に映し出される星と、星の歴史を語るナレーション。



素敵…



この無になってぼーっと星を眺める時間が好きなんだよね。



日々の忙しさから解放される感じ…



ちらっと横を見ると、同じように真剣に星を見上げる保科副隊長。



穏やかで、優しそうな横顔…




昨日の討伐の時の副隊長とは大違いだな。




まぁ…それはそうか。



彼は命と隣り合わせで戦う場所にいるんだもんね。



そんな事を思いながら再び星を見あげると、ズルっと横から音がする…



ん？




それと同時に左肩にずしっとした重みを感じた。




え…



鼻を掠めたサラサラの黒髪…



保科副隊長の頭が私の肩に乗っている…




「……え…あ…ほ、保科…ふく、たいちょ？」




小さな声で呼びかけてみるが反応がない…




も、もしや…



ちらっと顔を覗きこむと、スピースピーと静かな寝息…




う、嘘でしょ？




さっき真剣に星を見ていたように感じたのに…寝てたの？




「…………」




ど、どうしよう……




鼻を掠める彼のシャンプーの香りに妙に胸がざわつく。



いい匂い……


って、違う違う……



というより…こんな体制でよく寝れるな…



もう一度ちらっと彼の顔を見下ろす。



綺麗な肌……



思わず吸い込まれるように頬に触れそうになったが、慌てて手を引っ込めた。





……きっと…凄く疲れてたんだな…




急な副隊長としての着任、まだ慣れない場所での任務…



副隊長としてやるべき事も沢山あって…



ゆっくり休めてなかったのかも…



ただでさえ、防衛隊は常に気を引き締め続けなければならない仕事だ。



怪獣はいつ襲ってくるか分からないから…




私は少し体をねじって、しっかり彼の頭が乗るようにする。



少しでも彼の負担にならないように…