「さ………佐野君…と…龍宮寺君…」


教室から丁度出てきた所で声を掛けると廊下にいた人達がバッと皆振り返った。



「え？学級委員…あの2人に声掛けた？」



「まじ？」



「「「死ぬんじゃない……」」




ヒソヒソ声聞こえてますからね！！


でも、もう声掛けちゃったから後には引けぬ…



「ちょ……ちょっとだけ、いい？」



「あ？」



パキッと首を鳴らした龍宮寺君に私は心の中で思う。


視線だけで殺される事とかあるんだろうか……




「あ、あの……も、もうすぐ…ぶぶぶぶ文化祭が…あって…です、ね…

ふ、ふふふふふ2人にも…その…


て……ててて手伝いを…して…


ほしくて、ですね…」





先生のバカヤロー！！！！




この2人がはい、そうですか、なんて言うわけないじゃん！！！




「…無理」



ほらね…




「んな、だせぇ事できるかよ」



「………」



「何？けんちん？」



「あ？学級委員長が文化祭の手伝いしろとよ」




「……ふ〜ん…」




「んな、くだらねぇ事やってられっかって話を…」





「……くだら、ない？ださ、い？」





私はぎゅーっと拳を握る。




「くだらないって…何？…ダサいって…何？」



「は？」




中学生活最後の文化祭……




皆が一弾となって力を合わせて頑張ってるのに…




そんな言い方………





腹が立つ。





「おい」




「…やらない、じゃないのよ…


やるんだっっての！！！！！」




急に叫んだ私に当然2人も、廊下にいた生徒達もビックリしてる。




「中学最後の文化祭！！みんな1弾になって思い出作って卒業しようと思って頑張ってやってんのに、何！？その言いぐさ！！！

そんな事言ってる方がめっちゃダサイから！！！」




はぁはぁと肩で息をしながら言い切った私に、周りがシーンとなっていて……私はハッとする。




し、ししししししししまった！！！




恐る恐る2人を見ると………




ヒッ！！！




あきらかにブチっと額に青筋が浮きでている龍宮寺君………



き、キレてらっしゃる………よ、ね…




「おい、てめぇ…」




こ、殺される！！！






「けんちーん、早く行こうぜ」



「あぁ！？マイキー！てめぇ、だせぇとか言われて何呑気に、」



佐野君はふぁ、と欠伸をすると私を見てニコッ、と笑う。




「ばいばーい、学級委員長〜」




え……？



ヒラヒラ手を振った佐野君にキョトンとする。




「あーたい焼き食いてー」



「あ、おい！待てよ！マイキー！」