第1章
夢小説設定
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「………」
き、きまずい…
オレンジジュースすら喉にうまく通らないぐらいに気まずいし、この2人だけしかいないシーンとした空間…
向こうは対して気にした様子もなくウィスキーをチマチマたまに飲みながらぼーっとしてる。
正直…
家に帰って寝ていたい。
というのが本音だ。
何か話そうにも、私は彼の事を何も知らない。
聞きたいこと…はあるが、裏の人間にプライベートな事を聞いてもいいものかどうか…
「あ、あの…」
「ん?」
「今日は、たい焼き、ご馳走様でした」
考え抜いて考え抜いて…出たこれが精いっぱいだった…
「ああ…」
そう返事した彼はふと思い出したように笑う。
「何年かぶりぐらいにあんな笑ったわ」
「そ、そう…ですか」
そんなに面白かったか?と疑問だが、まぁ笑えたのなら何より、か?
「…今日はさ…あいつ…友達の命日なんだ」
「え?」
突然始まった話に私は彼を見つめる。
手に持ったウィスキーグラスを見つめるその横顔が…急に寂しげにみえた。
「…墓参りにも行った。毎年行くんだ。
けど…その度に、ああ、もういねぇんだな、って実感する。」
「…大切な、友達だったんですね」
「うん。ケンチンは、東卍の創設メンバーの1人でさ、小5の時からの友達。
俺が総長で、あいつは副総長」
副総長…
って事は稀咲鉄太はその当時は彼の右腕ではなかったということか…
東京卍會は元々不良グループだったと聞いている。
稀咲とは中学からの知り合いだとも。
そんなに長い付き合いだから、きっと信頼を1番においてきた人物なのだと思っていた。
「大事なものは…すぐに手から滑り落ちていく。ケンチン…今の俺を見たら、なんて言うんだろうな」
自分の手を見つめて、彼はそう吐いた。
私は、何も言えなかった。
あまりにも彼を知らなさすぎるから。
弁護士をしていたら、大変でしたね。辛かったですね。と声を掛けることがある。
でも、今の彼にかける言葉を私は知らない。
大丈夫だよ、とか、そんな簡単な言葉で済ませられるほど軽い話ではないのだとおもったから。
ただ…
「そのご友人に…献杯」
そう言って私はグラスを持ち上げて彼を見た。
彼は少しだけ微笑むと、ウィスキーのグラスに口をつけた。
き、きまずい…
オレンジジュースすら喉にうまく通らないぐらいに気まずいし、この2人だけしかいないシーンとした空間…
向こうは対して気にした様子もなくウィスキーをチマチマたまに飲みながらぼーっとしてる。
正直…
家に帰って寝ていたい。
というのが本音だ。
何か話そうにも、私は彼の事を何も知らない。
聞きたいこと…はあるが、裏の人間にプライベートな事を聞いてもいいものかどうか…
「あ、あの…」
「ん?」
「今日は、たい焼き、ご馳走様でした」
考え抜いて考え抜いて…出たこれが精いっぱいだった…
「ああ…」
そう返事した彼はふと思い出したように笑う。
「何年かぶりぐらいにあんな笑ったわ」
「そ、そう…ですか」
そんなに面白かったか?と疑問だが、まぁ笑えたのなら何より、か?
「…今日はさ…あいつ…友達の命日なんだ」
「え?」
突然始まった話に私は彼を見つめる。
手に持ったウィスキーグラスを見つめるその横顔が…急に寂しげにみえた。
「…墓参りにも行った。毎年行くんだ。
けど…その度に、ああ、もういねぇんだな、って実感する。」
「…大切な、友達だったんですね」
「うん。ケンチンは、東卍の創設メンバーの1人でさ、小5の時からの友達。
俺が総長で、あいつは副総長」
副総長…
って事は稀咲鉄太はその当時は彼の右腕ではなかったということか…
東京卍會は元々不良グループだったと聞いている。
稀咲とは中学からの知り合いだとも。
そんなに長い付き合いだから、きっと信頼を1番においてきた人物なのだと思っていた。
「大事なものは…すぐに手から滑り落ちていく。ケンチン…今の俺を見たら、なんて言うんだろうな」
自分の手を見つめて、彼はそう吐いた。
私は、何も言えなかった。
あまりにも彼を知らなさすぎるから。
弁護士をしていたら、大変でしたね。辛かったですね。と声を掛けることがある。
でも、今の彼にかける言葉を私は知らない。
大丈夫だよ、とか、そんな簡単な言葉で済ませられるほど軽い話ではないのだとおもったから。
ただ…
「そのご友人に…献杯」
そう言って私はグラスを持ち上げて彼を見た。
彼は少しだけ微笑むと、ウィスキーのグラスに口をつけた。