「…で、これを応用すると、この公式になるって事」


カリカリとノートにペンを走らせる。


「…すげぇ」

そのノートを見て、圭介君が少し感激したように言う。


「私の説明大丈夫かな？」


「いや、すげぇよ六花。担任の野郎の教え方より100倍分かりやすかったぜ」



「ほんと？よかった！…じゃあ今日はここぐらいにしようか？あんまり詰め込んでもよくないしね」


「おお」


圭介君は頷くとメガネと髪型をとくとうーん、と天井に向かって手を伸ばした。



「お疲れ様」


「おお、ありがとな。」


外を見るともう暗くなっていた。


「ねぇ、圭介君って…東卍の創設メンバー、なんだよね？」


「ん？おお、そうだけど」



水を飲みながら答える。




「じゃあ、真一郎君…マイキーのお兄さんとも知り合いだった？」



「…………ああ」




私の質問に圭介君は視線を逸らす。



…あれ？なんだか…聞いちゃいけなかった、かな？



ああ。と言って外を見つめる圭介君の横顔がどこか険しくなったように感じた…




「…わりぃな。お前の記憶取り戻す手伝い、してやりてぇけど…

真一郎君の事に関しては…マイキーに聞いてくれ」



そう言った圭介君の瞳が揺れて、私はそれ以上聞く事はできなくて…わかった。と頷いた。