「はい」


『六花？』


少し低い声と共に静かなジャズのような音楽が聞こえる。


「どうかしましたか？急用案件ですか？」


私はカバンから手帳とペンを取り出す。


『今から言うとこにきて。』


「え？今から、ですか？」


『住所送っとく』


「え、っちょっ！」


要件だけ言うと電話は私の返事など待たずに切れてしまった。


切れた電話を耳から離して携帯画面を見ると住所が送られてきた。


はや…


「はぁ…もぅー」


私は気ダルい体を持ち上げてカバンに携帯を入れると玄関に向かった。


今日は何時に寝れるんだろうか。



そんな事を思いながら。