「でさ！真一郎！六花がさ！」



穏やかに過ぎていく日々…



毎日聞かされる六花の話を…


俺はバイクをいじりながら聞くのが日課になっていた。



「万次郎」



「ん？」



「六花の事…好きか？」



そう聞いたら万次郎は迷うことなくこう言った。




「うん！当たり前だろ！
大好きに決まってる！

六花は俺の……



太陽だから」




幸せそうな万次郎…



生きてくれていて……



本当によかった。



この笑顔をみてるだけで



俺はもう…十分だった。









「真兄！」



バイクをいじっていると、明るい声がした。



「おお、六花。また来たのか？」



振り返ると、そこにはへへへ、と可愛い笑顔を浮かべる六花。



「あんまり毎日来てっと、万次郎がヤキモチやくぞ」



現にグチグチ言われてる…



「そうなの？」


なんで？とキョトンとする六花に俺は
苦笑いした。


こういう所も万次郎を夢中にさせちまうんだろうな…


「そんなに好きか？バイク」


そう聞いたら六花は首を横に振った。



「バイクはかっこいいけど…私はバイクをいじってる真兄の背中を見るのが好き」



「ぶはっ…なんだそれ」



「かっこいいな〜って思う」



「惚れんなよ？」



「うん、大丈夫」



「……大丈夫ってなんだよ」




なんか傷つくんですけど？



「マイキーもいつかそうやって、自分のバイクを修理したりするのかなぁ」


「だろうな〜あいつは早く六花をケツに乗せたいってうずうずしてるぞ」



そう言うと、六花は嬉しそうに
笑った。


どっからどうみても…


両想い。



「……運命…だったのかもな」



「え？」



最初は驚いたけど…



2人はいつか必ず出会う運命だったのかもしれない…





『よろしくね…マイキー』




万次郎と六花……



この2人には…何か……



強い繋がりを感じる。




「六花…万次郎が…

好きか？」



そう問うと…六花は頬を赤く染める。



それだけで…



十分答えになっていた。



2人は想いあって



お互いを必要としてる。



今はまだ淡い恋の始まり。



でもいつか……



この想いが愛に変わる時が必ずくる。




そう思った。




「六花……俺の頼み、聞いてくれるか？」



「頼み？」



「うん」




俺を見つめる六花に昨日あった事を思い出していた。