最終章
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俺がお前に出会ったのは…
偶然か
必然か
定められた
運命なのか……
「…植物…状態?」
全部……
俺のせいだ。
俺がプラモなんて買ったせいで……
万次郎は……
「…よし…万次郎、ちょっと売店で飲み物買ってくるな」
「………」
ベッドの上で、ただ天井を見上げて…沢山のチューブを繋いで生きている万次郎…
『真一郎!』
もう俺に笑いかける事も、怒ることも、名前を呼ばれる事も……
できない。
全部………
全部俺が奪ったのと同じ。
万次郎の人生を……
俺が……
「…綺麗だな…」
病院の庭にある桜の木の下…
俺はそこにあるベンチに腰かけてさっき買ったばかりの缶コーヒーを見つめる。
満開の桜の花びらが風にのって…さらさらと落ちてきた。
綺麗だな…
天気もいいし、後で万次郎…連れてきてやろう。
「…あの…」
「え?」
ざーっと風か吹き荒れて…サラサラと綺麗な黒髪が揺れた。
俺に声を掛けてきたのは1人の少女。
年は……万次郎と同じぐらい、か…
清楚な感じで、みるからに育ちがよさそうだ。
俺や万次郎の周りには絶対いないタイプ…
「これ、さっき売店で落とされましたよ」
「え?」
少女は俺に2つ折りにされた紙を手渡す。
それは…古い写真。
万次郎が産まれた日に…病院で俺が赤ん坊の万次郎を抱っこした…初めての日の写真…
財布出した時に落としたのか……
「ありがとう。わざわざ」
「いえ」
「大切なもんだから…よかった」
「ご兄弟…ですか?」
「うん。俺の弟。ここに入院しててさ」
「そうなんですね。素敵な写真です」
「ははは…ありがとう。俺にとって弟は…1番大事な宝物なんだ。」
そう
かけがえのない………
家族。
「そんな風に言って貰えて、弟さんは幸せ者ですね」
幸せ………か…
その言葉に、ベッドの上で瞬きすらしない万次郎の姿を思い浮かべて…ぎゅっと手にあった写真を握りしめる。
万次郎の幸せを奪ったのは……俺。
「…あの…」
「あ…ごめん。…ありがとな。そんな風に言ってくれて。
でも……」
俺は真っ青な空を見上げる…
「……幸せ…か……どうなん、だろうな」
万次郎は……
あんな姿になって、生きたいって……
思ってる、のか…
分からない。
ただ俺は
絶対生きていて欲しい。
叶うなら…
元に戻してやりたい。
「なんだか……羨ましいです」
「え?」
羨ましい?
「あ…ごめんなさい。
ただ……そんな風に、宝物だ、なんて言って貰える弟さんが…羨ましいな、って」
少し眉を寄せた少女…
「……あ…えっと…名前……聞いてもいい、かな?」
「あ…すみません。私…
六花といいます。
道成寺六花です。」
そうやって笑った優しい笑顔……
暖かい……
太陽みたいだって、思った。
これが俺と六花の…最初の出会いだった。
俺達の
万次郎と六花の運命が
初めて交差した時……
「えっと、六花は…お見舞い、か?」
「はい、友達が入院してて」
「……そっか…。あのさ……」
何故あんな事を言ったのか…
自分でもよく分からなかった。
「弟に……会ってくれないか?」
偶然か
必然か
定められた
運命なのか……
「…植物…状態?」
全部……
俺のせいだ。
俺がプラモなんて買ったせいで……
万次郎は……
「…よし…万次郎、ちょっと売店で飲み物買ってくるな」
「………」
ベッドの上で、ただ天井を見上げて…沢山のチューブを繋いで生きている万次郎…
『真一郎!』
もう俺に笑いかける事も、怒ることも、名前を呼ばれる事も……
できない。
全部………
全部俺が奪ったのと同じ。
万次郎の人生を……
俺が……
「…綺麗だな…」
病院の庭にある桜の木の下…
俺はそこにあるベンチに腰かけてさっき買ったばかりの缶コーヒーを見つめる。
満開の桜の花びらが風にのって…さらさらと落ちてきた。
綺麗だな…
天気もいいし、後で万次郎…連れてきてやろう。
「…あの…」
「え?」
ざーっと風か吹き荒れて…サラサラと綺麗な黒髪が揺れた。
俺に声を掛けてきたのは1人の少女。
年は……万次郎と同じぐらい、か…
清楚な感じで、みるからに育ちがよさそうだ。
俺や万次郎の周りには絶対いないタイプ…
「これ、さっき売店で落とされましたよ」
「え?」
少女は俺に2つ折りにされた紙を手渡す。
それは…古い写真。
万次郎が産まれた日に…病院で俺が赤ん坊の万次郎を抱っこした…初めての日の写真…
財布出した時に落としたのか……
「ありがとう。わざわざ」
「いえ」
「大切なもんだから…よかった」
「ご兄弟…ですか?」
「うん。俺の弟。ここに入院しててさ」
「そうなんですね。素敵な写真です」
「ははは…ありがとう。俺にとって弟は…1番大事な宝物なんだ。」
そう
かけがえのない………
家族。
「そんな風に言って貰えて、弟さんは幸せ者ですね」
幸せ………か…
その言葉に、ベッドの上で瞬きすらしない万次郎の姿を思い浮かべて…ぎゅっと手にあった写真を握りしめる。
万次郎の幸せを奪ったのは……俺。
「…あの…」
「あ…ごめん。…ありがとな。そんな風に言ってくれて。
でも……」
俺は真っ青な空を見上げる…
「……幸せ…か……どうなん、だろうな」
万次郎は……
あんな姿になって、生きたいって……
思ってる、のか…
分からない。
ただ俺は
絶対生きていて欲しい。
叶うなら…
元に戻してやりたい。
「なんだか……羨ましいです」
「え?」
羨ましい?
「あ…ごめんなさい。
ただ……そんな風に、宝物だ、なんて言って貰える弟さんが…羨ましいな、って」
少し眉を寄せた少女…
「……あ…えっと…名前……聞いてもいい、かな?」
「あ…すみません。私…
六花といいます。
道成寺六花です。」
そうやって笑った優しい笑顔……
暖かい……
太陽みたいだって、思った。
これが俺と六花の…最初の出会いだった。
俺達の
万次郎と六花の運命が
初めて交差した時……
「えっと、六花は…お見舞い、か?」
「はい、友達が入院してて」
「……そっか…。あのさ……」
何故あんな事を言ったのか…
自分でもよく分からなかった。
「弟に……会ってくれないか?」