情けねぇぐらいに…



どうしようもなく……




お前を愛してる……





「っだからっ…」



「…ざけん、なっ！」



「！！」



マイキーの背後で、ムクリと起き上がる1つの影…



たけみっち！！！




たけみっちは鼻から出た血を手で拭いながら、ふらっらと立ち上がる。




「……っ、ふざけんなよ！！佐野万次郎！！！」



響き渡るたけみっちの声…



「まだ立てたのか…」




「当たり前だ！！！あんたをぶん殴るまでは俺は倒れねぇ！！！」



「………そんなボロボロの体で…俺に勝てると思ってんのか？」




「自分を殺してくれ？…何言ってんだよ…」



「………」



「六花ちゃんに…殺してくれ、なんて……ふざけんじゃねぇぞ！！！

自分が楽になりたいだけだろ！！

六花ちゃんの気持ち考えてんのか！！


何度も何度も！！


あんたは何回彼女を傷つけたら気がすむんだ！！！」



「…じゃあ…どうしろって言うんだ？

俺は…六花を傷つけたくない、でも六花は諦めない…

その間に俺の闇は大きくなっていくっ…

どうしようもねぇんだ…止められねぇんだよ…

この手が…六花まで殺しちまう。


そんな事になるぐらいなら…いっそっ！」




「俺は！！！！！」



たけみっちがフラフラとこちらに歩いてくる…



「俺は未来のあんたと約束した！！


場地君と約束した！ドラケン君と約束した！



何度も何度も立ち上がって前を向いてきた六花ちゃんを…

彼女の願いを！


諦めない願いを！！


2人の未来を！！！



守るんだって！！！」



「たけ、みっち…」



溢れ出す涙が止まらなかった…




「六花ちゃんをこれ以上傷つけさせない！！！

その為に俺はあんたをぶん殴る！！


だから！！！


負けるわけにいかねぇんだよ！！！」



拳を握りマイキーに向かってくるたけみっち。


それを避けて、容赦なくマイキーは彼を蹴り飛ばした…



「たけみっち！！！」




それでも彼は…立ち上がる…



その瞳に……マイキーが息を飲んだ。