あの瞳は……





『俺が殺すっつたら…殺すんだよ』






あの時と同じ…




ううん




それよりもっと強い……




これは





「黒い……衝動…」






『俺の中の…黒い衝動は……もっと大きく膨れ上がる。

この先も……きっとそれは仲間を…



六花を………傷つけちまう。』





膨れ上がっていく衝動…



この衝動は一体いつから…どこから…




「待ってたぜ、マイキー！この時を！」



どこか興奮したような三途さんがマイキーに駆け寄る。



が………



ごきっ、と音がして…



その場に三途さんが倒れた。



「三途？…お、おい、マイキー！どうした？今のは味方だぞ？」


焦ったようにそう言った半間。



「…で？」



マイキーの真っ暗な瞳に、半間が息を飲んだ瞬間…彼の長身の体が軽々宙をまった。



味方まで！



マイキーはそのまま片っ端から周りにいる人間を蹴り飛ばしていく。



「っ！マイキー！！」




それは味方も敵も関係なかった。



私以外の全てを倒して…マイキーはやっと止まった。



「…マイ、キ…」



震えた私の声に…マイキーがこちらを見た。



頬に飛び散った返り血…



マイキーはゆっくり私の方に歩いてくる。




「！」



「っ…逃げろ！六花！」



倒れた三ツ谷君が叫ぶ。




私は………




「殺されちまう！！」




私は……





『六花の声なら…言葉なら…

俺は自分を止めることができるのかもしれない。』




『俺には…六花が必要なんだ』


『六花…約束して。ずっと…

俺のそばにいるって、離れないって…』




不安げに揺れたマイキーの瞳を…思い出していた。



自分の背負ったものに…いつか全てが壊されてしまうのではないかという、不安……



その不安と



ずっと1人で



孤独に戦ってきた。







『約束する。約束するよ、マイキー。ずっと…ずっと傍にいる。』







「六花！逃げろ！」



私は……





『六花…俺は…』






歩いてくるマイキーを真っ直ぐ見つめた。




「私はマイキーから逃げない」


「……」



「絶対に…だって私は……どんなマイキーだって受け入れるって約束した。


どんなマイキーだって…」




私は微笑む。





『六花が好きだ』






「大好きだから」