「へー、ついに動いたか。佐野万次郎」



駐車場に戻ると真ん中あたりで、寺野サウスと対峙するマイキーの姿が見えた。



その横には……



鶴蝶君！？



倒れている鶴蝶君の姿。


彼とは、イザナが亡くなってから一度会ったきり……



もう会うことはない、と…



言っていた。



彼がその後どうしていたのか心配していたが…なんで六破羅単代に……


「マイキー君！」



「てめぇ…何を今頃になって！」


「引っ込んでろ！マイキー！サウスとジブンの1対1だ！！」


そう叫んだ千咒をマイキーがギロッと横目で睨む。


その瞳に…千咒がびくりとした。



「お前から死ぬか？」



少し離れたここからでも分かるほどの…マイキーのまがまがしいもの…


殺気のような…そんな感じの……


一虎君の時と同じ感じ。

でも……あの時とは比べ物にならないぐらい………




「いくぞ！！マイキー！これがこのレクイエムのフィナーレだ！！」



寺野サウスが拳を上げてマイキーに突っ込んでいく。


しかし…


「あっ…」


それを一瞬でマイキーは足で蹴り飛ばす。


自分よりかなり大きな彼をいとも簡単に……



「もうやめましょう！！！マイキー君！！」


たけみっち！？



対峙する2人の間に、たけみっちが割り込む。



「これ以上やったら…サウスが死んじまう！」



え……




たけみっち……





『なんか、うまく言えないんだけどさ、ちょっと先にある未来を断片的にみれるっていうか…』




まさか……





「…お前も…壊すしか脳がねぇんだろ？だったら…俺が壊してやるよ」



ドクン、と胸がはね。


あの時と……一緒………




「てめぇ…邪魔だよ」


「！！あぁぁぁあ゛！！！」



！！たけみっち！



マイキーがたけみっちの腕を掴んでボキッと嫌な音がした。


しゃがみこむたけみっち…



「さぁ…どうやって死にてぇ？」



マイキー！！



寺野サウスに近づくマイキー。



「だめだ！！マイキー君！！！」



たけみっちが叫んだのと同時…ぐしゃりと音がして、寺野サウスが後ろ向きに倒れる。



その上に跨り、何度も何度も彼の顔を殴るマイキー。


びちゃびちゃと血が飛び散って、水溜まりを赤に染める…



その光景に……誰も動けずにいた。




殴られた寺野サウスの顔は原型を留めないほどに血まみれになり…


ようやくマイキーが止まった。



足の震えが……止まらない…



ピクリとも動かない寺野サウス……



まさか………



本当に……




「サウス！！」



たけみっちが彼に駆け寄る。



「サウス！！！サウス！！…………死んでる…」



「！！！！」



口元を押えて、私は震えながらその場にしゃがみこむ。



マイキーが……



殺した……？