「物騒なもん持ち歩きやがって…」



けんちゃんが銃を足で蹴り飛ばす。




「けんちゃん、なんで…」



「今日、たけみっちを狙ってるやつがいるってイヌピーから聞きつけてね。

お前ちいったら3人でここに行ってるって聞いてよ。」



「…なんでたけみっちが狙われて…」



私の問にけんちゃんが笑う。



「たけみっちは肩書きだけは超大物だからな。きっと梵加入に相当びびったんだろうな」



「だからって銃なんか使って…」



「三天戦争は…もうガキの喧嘩じゃ済まないかもしれない。
金や理研が絡んで皆目の色変わってやがる…」



「…これから…どうなるんすかね…」



たけみっちは、けんちゃんにだけ聞こえるように何かを話していた。


多分、さっき言ってた未来が見えるって話だろう…



でも、よかった。千咒もたけみっちも怪我がなくて…


けんちゃんのお陰だ。



でも、なんでだろう………



凄く



胸がもやつく…




「おい！そろそろ逃げないとジブンらもやはまいぞ！」


さっきの騒ぎでおそらく警察がくるだろう。


早く立ち去らないと…




「けんちゃん、行こう」



「………」



「？けんちゃん？」



突っ立ったままのけんちゃんに、私は彼の服を摘む。


早く行こう、そう言うように…



「なぁ六花……マイキーに会ったら…

1発ぐらい、引っぱたいてやれよ」



「え……？な、なんの話を…」



フッとけんちゃんが笑って……






え………




ぐらりと体が横に揺れた。





バサりと音をたてて、地面に倒れる身体…



「けん……ちゃ、ん？」



ザーッと降りしきる雨にうたれて、けんちゃんが仰向けに倒れている。



私は何がおこったのか理解できなくて…



でも


彼の背中から、どんどん溢れ出す赤…



それが何を意味するのか……



嘘……



嘘だよね……




「っけんちゃん！！！！！！！！」