「……これ…」


千咒がポケットから何か取り出すと私に見せてくれた。



そこには可愛いリボンの髪飾り。




「あ！これ…」



「思い出したか？」



「うん、この髪飾り…覚えてる。」



小学生の時、持ってた…



私はそれを手にすると千咒を見た。




「千咒は…きっと私にとって、大切な人だったんだね」



「え？」



「お気に入りだったヘアピンをあげるぐらい……」



大切に思いたい人だったんだな…



「忘れてしまって、ごめんね。

でも、ありがとう…大切な思い出を聞かせてくれて。


嬉しかった」




「六花……」



千咒がぎゅっと私に抱きつく。



「ジブンもずっと伝えたかったんだ。

大好きだって」


私と千咒は見つめあって、笑い合う。



私が忘れたあとも…覚えていてくれてありがとう。



ただただ、嬉しくて…感謝した。





「…さて…2人がまた仲良くなったのはよかったとしてだな……


本題はここからだ……」




武臣さんは私を見つめる。





「六花…マイキーを……連れ戻したいか？」





「え…」




「俺達に協力してくれ。

マイキーを…連れ戻す為に」